『ホーム・アローン』と『ハリポタ』が不朽の名作な理由
子供が主人公の映画は数あれど、1990年に公開されたクリスマスの定番映画『ホーム・アローン』や、シリーズ1作目と最終章パート1が驚異の世界累計興収10億ドル(約1,100億円)を超えている『ハリー・ポッター』シリーズは、群を抜いて有名と言える。
そんな『ホーム・アローン』と『ホーム・アローン2』、シリーズ1作目の『ハリー・ポッターと賢者の石』と2作目の『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を監督したのは同一人物で、クリス・コロンバス監督。
彼はこの他にも『ミセス・ダウト』や『アンドリューNDR114』などでもメガホンを取っており、多くの愛されるファミリー向け作品を生み出してきたヒットメーカー。そんな監督が、『ホーム・アローン』の制作時に情熱をもって取り組んだ点を、米Polygonのインタビューで明かした。
「(『ホーム・アローン』では)各部署のトップに、この映画は時代を超えるものにしたいと伝えた。ほかの言葉で言うならば、誰かが今から25年後にそれをつけて、古くさいと感じてほしくない。それが昨日作られたかのように感じてほしい。衣装から壁紙まで、すべてが時代を超えるクオリティだと感じられなければいけなかった」
神は細部に宿る、とはよく言ったもの。映画を構成する要素はストーリーやキャスティングだけでなく、ロケーションやセット、衣装、メイクやヘア、カメラアングルやライティングなどかなり多い。
観客に古くささを感じさせず、どの世代からも愛されるためには、ストーリーラインだけでなく視覚的なデザインも重要。そして監督は、その点を、『ハリー・ポッター』シリーズの制作でも意識していたという。
「そのセンスを『ハリー・ポッター』にも持ち込んだ。ゴールは、それがホグワーツのシーンなら、映画が撮られたのはいつだか言い当てられないようにすることだった。1956年に撮られたかもしれないし、1977年かもしれない。もしかしたら2020年に撮られたかもしれない。それが、私が最も誇りに思っていることでもある。それを当てられないだろう」
『ホーム・アローン』や『ハリー・ポッター』が時代を超えて愛される作品となったのは、偶然ではない。制作チームの情熱と努力、そしてセンスによって作り上げられたものだった。
(フロントロウ編集部)