『パム＆トミー』90年代を代表するスキャンダルがドラマ化
ドラマ『パム＆トミー』は、90年代最大のスキャンダルのひとつとされるパメラ・アンダーソンとトミー・リーのセックステープ流出事件を題材にした実話。誰がどうやってテープを手に入れたのか？ 事件は2人の関係にどんな変化を与えたのか？ この騒動がセレブ文化やインターネットの進化に与えた影響とは？ 18禁な描写も織り交ぜながら全8話でそれらを伝え、名声、プライバシー、テクノロジーの問題に切り込む。
US予告が公開された日にパメラの名前がツイッターでワールドトレンド入りするほどの話題となった『パム＆トミー』はセレブ界でも注目されており、ドラマ『ゴシップガール』のキャストからグラミー賞シンガーのホールジーまで多くのセレブがインスタグラムでドラマに反応している。
そんな『パム＆トミー』がついに、2月2日（水）よりディズニープラスのスターにて独占配信開始。フロントロウ編集部では、この実話ドラマの主人公となっているカップルの関係に迫る。
『ベイウォッチ』の超人気女優×モトリー・クルーのバッドボーイ
パメラ・アンダーソンとトミー・リーが出会った1994年、パメラは当時世界で最も視聴されているドラマだった『ベイウォッチ』に出演する超人気女優。元プレイガールから俳優へとステップアップする時期にいて、アップカミングなセレブとして注目を集めていた。ワイルドなブロンドヘア、細眉、そしてグラマラスなバストで知られていたパメラを演じるために、リリー・ジェームズはヘアメイクに毎日約3時間を費やしていたという。
パメラに扮したリリーの写真があがってくるとその変貌ぶりに世間は驚き、『パム＆トミー』を監督したクレイグ・ギレスピーも「彼女の変身ぶりは素晴らしかった」と絶賛。リリーはパメラになりきるために映像などを研究してパメラのアクセントや仕草を習得したそうで、トミー役を演じたセバスチャン・スタンは「役にコミットする彼女の姿勢、誠意を持って作品に取り組む様子、パメラを人間味あふれる人にして、本当に何が起きたのかをしっかり伝えようとする姿にとてもインスパイアされた」とフロントロウ編集部に語った。
一方のトミーは、アルバムセールス1億枚以上を誇るヘビメタバンド“モトリークルー”のドラマー。1995年当時は、世界中でソールドアウトコンサートを行なった1980年代の全盛期を経て、フロントマンの離脱により活動がスローダウンしていた時期。バンドの中でもトミーは薬物使用や暴力沙汰などで知られるバッドボーイだったが、自信たっぷりで口が上手いキャラクターのせいか、女優やモデルなどとの華やかな交際歴で知られていた。『パム＆トミー』でトミーを演じるにあたり、ストレートパーマをかけて、約2時間のヘアメイクで全身にタトゥーを施したというセバスチャン・スタンは、役作りのために「彼のインタビューとかを見て、彼の声とか、特徴とか、取り込めるものは何でも取り込もうとした」と語る。
そんなトミーは“大きいイチモツ”を持っていることで知られており、Tバック姿で人前を歩きまわるような人物だった。『パム＆トミー』ではなんと、セバスチャンが実際にTバックルックを見せているだけでなく、人工のペニスをつけたヌードシーンも披露！ しかもセバスチャンはペニス（声優：ジェイソン・マンツォーカス）と会話をするのだが、これについてはギレスピー監督が、「（トミーは）自分のペニスとよく対話したと言ったんだ」と、史実に沿った演出であることを明かしている。
裸体をさらして、まさに“体当たり”の演技をしたセバスチャン。監督は、「彼には、いくつかとても難しいシーンがあった。初めて僕たちが彼に会う時、彼は4分間もTバックをはいているんだ。そして、そのシーンで彼は脅威を感じさせないといけなかった。彼はそういうことを自由に出来るんだ。彼は部屋の中を（Tバックだけをはいて）歩き回る。クスクス笑えるけど、でも恐く見える。彼はそういうトーンをとても強くコントロール出来るんだ」と称えた。
初デートから96時間で結婚！ 伝説に残る出会いのエピソード
パメラとトミーの出会いの逸話は、未だに伝説として語り継がれている。ドラマではトミーが初対面のパメラの顔をベロリと舐めるが、じつはこれも、すべて事実。ハリウッドのクラブ“サンクチュアリー”での出会いについてパメラは、「彼は私のところにやってきて、私をガッとつかんで、私の顔を舐めたんです」と米Movielineで明かした。見ず知らずの人に顔を舐められるなんて普通ならば怒るかドン引きするかのどちらかだが、このトミーの奇想天外なアプローチをパメラは「クールで、フレンドリー」だと思ったそうで、彼に電話番号を渡したという。
そして2人が再会するのは、初めての出会いから約6週間後。トミーがパメラの仕事先だったカンクンに現れ、2人は初デートをすることに。そしてわずか96時間後の1995年2月19日に、現地のビーチで電撃婚した。パメラの親は当時、娘が自分たちも知らない相手と何も言わずに結婚したことについて「胸が張り裂けそうなほどショックです」と米Peopleにコメント。周囲の驚きはよそに、幸せ絶頂にいたパメラとトミーはハネムーンをエンジョイ。このハネムーン中に、のちに流出することになったビデオテープが作られた。
ちなみにドラマでは描かれなかったが、パメラとトミーは結婚指輪を交換する代わりに薬指にお互いの名前をタトゥーした。欧米ではこのウェディングタトゥーは今でこそ一般的だが、元々は2人が行なったこともありメインストリームで大注目された90年代のトレンド。さらにトミーは指の他に男性器にもタトゥーしたそうで、パメラは「そうです。（トミーのペニスには）『パメラ』と描いてあります」と米New York Postで認めた。
愛と欲望とスキャンダルであふれた結婚生活
『パム＆トミー』の第1話では、自宅の下の階で改装工事が進行するなか、上の階ではパメラとトミーが日中から大声でセックスに明け暮れる様子が描かれる。夫婦の営みの音が実際に改装業者に聞こえていたかは不明だが、2人の新婚生活がお互いへの欲望であふれていたのは間違いないよう。電撃婚したメキシコから帰国後、あちこちのパーティーやイベントで大胆にイチャつく姿が目撃された2人。ドラマにも登場するパメラの主演映画『バーブ・ワイヤー（1996年）』の撮影中には「トレーラーでセックスしていました。いつもね」と、パメラが米New York Postに明かした。
パメラは2015年には、米Peopleで「トミーがいた瞬間から、他の誰もいなくなったんです」とトミーの存在の大きさを明かし、「運命の人」であるトミーとのロマンスは「真実の愛」だと明言。それだけ2人は、狂おしいほどお互いにのめりこんでいた。
そんな2人の愛にあふれた結婚生活に衝撃が走る。2人が新婚旅行中にお遊びで撮影したセックステープが流出したのだ。ドラマ『パム＆トミー』では、ビデオが盗まれた経緯やその後の展開が事細かに描かれるが、トミーは当時のことを「プライバシーの完全な侵害でした。あれは神聖なものだったんですから」「なす術がなかったことが、夫婦の関係に大きなフラストレーションとストレスを与えました。私たちを消耗させたのです」と2004年に米番組『20/20』で振り返った。ちなみに、友人が英Sunに明かしたところによると、そんなトミーはドラマ『パム＆トミー』を見るのを「楽しみにしている」という。
一方のパメラは、自身の人生に一切の悔いも恥もないとしながらも、プライバシーを侵害されたビデオ流出事件だけはつらい過去だという。ビデオは夫婦の間だけのプライベートなものだったにもかかわらず世界中にバラまかれることとなったわけだが、被害を受けたパメラは、元プレイガールという肩書のせいで被害者として見られず笑い者にされた。
ギレスピー監督はこの騒動の背景には、“マスコミがストーリーを作り上げて、一般の人々はそのストーリーを容認する”というカルチャーがあったとし、「彼らがどれほど残酷な扱いを受けたか、どれほどマスコミに虐待され、利用され、無礼な扱いを受けたかがわかったんだ。特に、女性として彼女がね」と語った。
裁判をめぐる供述でパメラが受ける扱いには同情しかないが、劇中で相手側の弁護士から出る不適切な質問も事実に基づいている。パメラは、「『ムラムラしている変な弁護士の男たちに宣誓させられるのはもう嫌。自分のアソコのこととか、公共でのセックスのこととか、もう何も話したくない』と思った」と、2005年に米番組『Watch What Happens Next』で当時を振り返った。
パメラとトミーのビデオはDVD販売だけで70億円以上を売り上げたとされており、2人が利益のためにリークしたのではともウワサされたが、実際のところ2人には一銭も入っていない。パメラはこのことについて、「私たちは1ドルも得ていません」「億単位のお金をオファーされたこともありましたが、私たちは断りました」と『Watch What Happens Next』で明かした。ちなみに、パメラはビデオの中身を一度も見たことがないという。
事実は小説より奇なりと言うが、パメラとトミーの物語には“本当にこんなこと起きたのか”と思う瞬間が連続する。90年代を代表するセレブスキャンダルにスポットライトを当て、騒動の裏側や影響を深掘りするドラマ『パム＆トミー』は、2022年最注目のドラマのひとつと言って間違いない。
ドラマ『パム＆トミー』（全8話）
ディズニープラスのスター独占
2月2日(水)配信スタート、初回3話配信
視聴はコチラ
スター（Star）の視聴方法
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（フロントロウ編集部）
