圧倒的な“気持ち悪さ”で人気のホラー映画『ミッドサマー』
『ミッドサマー』は、映画『へレディタリー/継承』のアリ・アスター監督が制作したホラー映画。スウェーデンの山奥にある架空の村“ホルガ”で90年に一度だけ開催される祝祭を見学しに行く5人の大学生たちの旅の様子を描いている。
主演を務めたのは、映画『ブラック・ウィドウ』などに出演している売れっ子俳優のフローレンス・ピュー。そのほかにも、映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』のジャック・レイナーや『レヴェナント: 蘇えりし者』のウィル・ポールターなどが参加している。
本作は、狂気に満ちた世界観とたたみかけるように起こる不可解な事件が人気で、あまりの“気持ち悪さ”にネットでは内容の考察が日夜飛び交っている。
そんな本作について、アスター監督自身は鑑賞者にどのように感じてほしいのか、米The Atlanticのインタビューで明かしていた。
アリ・アスター監督、「最後には笑っていてほしい」
アスター監督は、『ミッドサマー』には「フォーク・ホラー」と「ハイスクール・コメディ」という二つの要素を入れ込んだと明かした。
フォーク・ホラーとはホラーにおけるサブジャンルで、民間伝承やその土地の風土にまつわる信仰や風習をテーマにした、不気味さが際立つ作品。一方でハイスクール・コメディとは、高校生活にまつわる物事をコメディタッチで描いた作品。確かに本作にはその二つのどちらの要素も感じることができる。
アスター監督はそんな本作について「身の毛もよだつような作品であり、可笑しな作品であることを願っています。そして、最後には笑っていてほしいですね」とコメント。
続けて、「もし、あなたが最後に声を詰まらせるくらい笑ってくれていたら最高です」と語り、本作を見た後“笑ってほしい”という願いをこめて映画を制作していたことをうかがわせた。
確かに本作にはコメディ要素ととれる部分もあったが、アスター監督のいう“爆笑”ほどではない。しかし、そんなところも、アスター監督が不気味な映画を生み出すための持ち味の一つなのだろう。(フロントロウ編集部)