DCコミックス単独映画『ザ・バットマン』
マット・リーヴス監督がメガホンを取り、ロバート・パティンソンが主演を務めた映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は、DCEUに属さない単独映画。
DCコミックスのキャラクターをベースにした単独映画といえば、2019年の映画『ジョーカー』や、クリストファー・ノーラン監督による『ダークナイト』3部作などが制作されてきており、どれもが映画ファンを熱狂させてきたため、『ザ・バットマン』にも大きな注目が集まっている。
単独映画ではDCコミックスキャラクターが登場しつつも、それぞれの監督のスタイルや価値観が反映されることで、ファンを満足させる作品が誕生してきた。そして『ザ・バットマン』については、リーヴス監督もロバートも、非常に暗い作品であることや、ブルース・ウェインという青年の成長についてであることを明かしており、そこが本作の特徴になりそう。
『ザ・バットマン』、過去作品と異なるところは?
そして先日、米GQのインタビューでロバートが、本作と過去のDCコミックス作品との違いを明確に説明した。
「他のすべての映画でそうだったように、普通はブルースが(街から)出ていき、トレーニングをし、自分の力を信じて、街を変えると考えてゴッサムに帰ってくる。でもこの作品では、彼は心が折れかけていることが感じられます。しかも、彼がやっていることは上手くいってもいない。だって、すでに2年が経っているのに、ブルースがバットマンになってから犯罪の状況はさらに悪くなっています。ゴッサムの人々は、バットマンはすべてが最悪であることの兆候にすぎないと思っている。
彼が電車のホームで全員を打ち負かすシーンがあるのですが、彼が助けにいった人まで“あぁー!もっと最悪だ!”となるところがあり、僕はそれが大好きなんです。ギャングに襲われるか、モンスターが来て、全員を打ち負かす! あの人は、バットマンが自分を助けに来たとは思っていない」
バットマンといえば、スーパーマンなどと並ぶ“スーパーヒーロー”として有名なキャラクター。しかし『ザ・バットマン』では、バットマンは好かれていない! しかも、スーパーヒーローと聞いてイメージするのは“自信満々な人物”であるファンは多いと思われるが、本作のブルースは苦しむ青年であり、これまでのイメージとはかなり違う描かれ方をしていそう。
ロバートはさらに、劇中のあるセリフは物語を「さらに悲しいものにしている」と感じていると明かし、こう続けた。
「これは悲しい映画ですよ。ブルースが、街の中にだけではなく、自分の中にどうにか希望を見つけようとしていることについてです。通常、ブルースは自分の能力に疑問は抱きません。彼は、街に変わることができる能力があるかを問います。しかし、それはクレイジーなことでもあります。自分が生きられる唯一の方法は、コウモリのような服を着ることだなんて」
街と向き合うだけではなく、自分自身と向き合うブルース・ウェイン。嫌われるバットマン…。
そんな物語を描くことができたのは、リーヴス監督が本作を、「ほぼホラー映画であり、スリラー映画であり、アクション映画ですが、それに加えて、その芯の部分は探偵物語」にして、浮世離れしたSFヒーローものにはしなかったこともあるだろう。
『ザ・バットマン』への期待が止まらない! 本作は、3月11日に劇場公開。
(フロントロウ編集部)