ハーフタイムショーに5人のレジェンドが登場
現地時間2月13日(日本時間2月14日)に開催される、NFLの頂上決戦であるスーパーボウル。2022年のスーパーボウルは、ロサンゼルス・ラムズとシンシナティ・ベンガルズがカリフォルニア州イングルウッドにあるSoFiスタジアムで戦う。
試合はもちろんのことながら、毎年話題になるのは、ハーフタイムの間に行なわれるハーフタイムショー。歴代のハーフタイムショーはマイケル・ジャクソン、マドンナ、ビヨンセ、レディー・ガガ、ブルーノ・マーズなど、一流アーティストがパフォーマンスして盛り上げてきた。
そして2022年のスーパーボウルは、カリフォルニアで行なわれるということもあり、地元のスターであるドクター・ドレー、スヌープ・ドッグ、エミネム、メアリー・J・ブライジ、ケンドリック・ラマーが出演。
錚々たるメンツが顔を揃えたが、今回ハーフタイムショーに出演するアーティスト全員が、ドクター・ドレーに深い恩があるって知っていた?
大半がドクター・ドレーが生み出したアーティスト
ドクター・ドレーは、ギャングスタ・ラップと呼ばれるスタイルを音楽界で確立した伝説的なラップグループN.W.A.の初期メンバーで、グループ脱退後にシュグ・ナイトと一緒にデス・ロウ・レコードを設立。
そしてドクター・ドレーは、スヌープの才能を見出すことになった。きっかけとなったのは、ドクター・ドレーが参加していたパーティー。そこで、ドクター・ドレーの親類であるウォーレン・Gがスヌープとネイト・ドッグと一緒に制作した音楽をかけたところ、ドクター・ドレーが瞬時に気に入り、スヌープにコンタクトをとったとClub Shay Shayのインタビューで明かされた。
それからというものドクター・ドレーとスヌープは見事なコンビネーションを見せ、Gファンク旋風を巻き起こし、「Nuthin’ But A G Thang」や「Still DRE」といったヒット曲を連発させた。2人は今でも深い絆で結ばれており、スヌープの名前がハリウッド・ウォーク・オブ・フェイム(ハリウッドの殿堂)に刻まれた時には、セレモニーにドクター・ドレーも駆けつけ、お祝い。この時ドクター・ドレーは「スヌープはいつも私のそばにいてくれ、つねに働く準備ができていて、私のモチベーションを上げて私を後押ししてくれて、できると信じさせてくれました。私の頭の中には、いつも彼の声が聞こえていたんです」「もしスヌープとコラボしていなかったら、僕の人生が今どうなっていたか想像もつかないです」とコメント。
その後、デス・ロウ・レコードに所属していた人気ラッパーの2パックとディディが立ち上げたバッド・ボーイに所属していたビギーことノトーリアスB.I.G.が亡くなるまでに発展した東西抗争を経て、ドクター・ドレーはデス・ロウ・レコードを脱退し、アフターマス・エンターテインメントというレーベルを立ち上げ。
このレーベルから出てきたのが、エミネムだ。ドクター・ドレーは、エミネムと初めて会って曲を聞いた時に「君のラップはマジで素晴らしい。君と一緒に仕事がしたい」と伝えたと、ドキュメンタリー番組「The Defiant Ones」で明かしており、最初から彼のスキルを認めていた。白人であるエミネムがヒップホップ界で成功したのは、ドクター・ドレーのお陰という声も大きく、ドクター・ドレーはエミネムの成功にも一役買った。
そしてケンドリックと友人だったラッパーのJ・コールが「コンプトンのこいつと契約した方がいいですよ」言ったこともあり、ケンドリックはアフターマス・エンターテインメントと契約し、デビューにいたった。
ハーフタイムショーに出演するメンバーの中で、唯一メアリーだけがドクター・ドレーのレーベルからデビューしていないが、ドクター・ドレーはメアリーの楽曲もプロデュースしており、彼が制作に参加した「Family Affair」は代表曲として知られている。
それぞれがヒップホップ界のレジェンドとしてのしあがり、今回、SoFiスタジアムで共にパフォーマンス。スヌープは、仲間と最高峰の舞台に立つことについて「本物のヒップホップアーティストがNFLのスーパーボウルのステージを飾るなんて信じられないから、まだ夢の中にいるみたいです。その瞬間を待って、何か壮大なものを作り、自分たちのスタイルをやって、レガシーを増やしていくだけです」とAP通信とのインタビューで語り、リハーサルを見たメアリーは「リハーサルを見ていて、一人一人のパフォーマンスを見ていると、鳥肌が立ちました」と、トーク番組『Good Morning America』でコメント。様々な時代を経て、5人のレジェンドたちが勢ぞろいしたハーフタイムショーは盛り上がること間違いなし。(フロントロウ編集部)