グリフィンが2019年にリリースした「タイ・ミー・ダウン(Tie Me Down)」が日本の洋楽チャートを席巻中!
日本人の母親を持つDJ/プロデューサーであるグリフィンが2018年にリリースした楽曲「タイ・ミー・ダウン(Tie Me Down)」が、リリースからおよそ4年を経て、現在日本で大ヒットしている。
かつての楽曲が何かのきっかけで改めて注目を集めて、少し再ヒットするというのは珍しいことではないが、「タイ・ミー・ダウン」の注目の集めようはその比ではない。LINE MUSICの洋楽チャートにおいては、ジャスティン・ビーバーとザ・キッド・ラロイによる大ヒット曲「Stay」や、ビービー・レクサやエド・シーランら、大物アーティストたちを抑え、なんと洋楽全体のランキングで1位を獲得!
さらに、Apple Musicのダンスソング・チャートと、iTunesのダンスソング・チャートでも、それぞれアヴィーチーやアレッソら、ダンスミュージックを代表するアーティストの楽曲を抑えて首位を獲得。とりわけ、2022年2月18日時点のiTunesチャートにおいては、「タイ・ミー・ダウン」の2018年にリリースされたオリジナルのシングルが1位に、2021年3月に改めてリリースされたバージョンが4位にランクイン。上位に同じ曲を2バージョンもランクインさせるという、快挙となっている。
「タイ・ミー・ダウン」の大ヒットはTikTokがきっかけ
「タイ・ミー・ダウン」は、元々はグリフィンが2018年8月にシングルとしてリリースした楽曲で、翌2019年11月にリリースされたグリフィンのデビューアルバム『グラヴィティ(Gravity)』に収録されている。
日本で「タイ・ミー・ダウン」の人気に火が点いたのは、TikTokの動画によく使われるようになったことがきっかけ。つい最近にも、72万人以上のフォロワーを持つ3人組のダンスグループであるローカルカンピオーネが「タイ・ミー・ダウン」のダンス動画をアップするなど、人気TikTokerたちもこの楽曲を使ったコンテンツを投稿し始めたことで、さらに人気が広がることとなった。
「タイ・ミー・ダウン」はこんな曲!
「タイ・ミー・ダウン」を使ったTikTok動画はすでに30万を超えているが、TikTokユーザーや音楽ファンたちを惹きつけているのは、何と言っても、ゼッドやジョナス・ブルー、カイゴらにも通ずるような、グリフィンのシグニチャー・サウンドと言えるその“美メロ”と、シンガーを努めるエリー・ドゥエの歌声が織りなすハーモニー。
ゼッドとの「ハッピー・ナウ(Happy Now)」でも知られるエリーはこの曲で、「土砂降りの中に立たせたい あなたをひざまずかせたい/神様に祈ってほしい 同じ気持ちでいてと/私はここにいる だからお願い」と、恋の始まりを認めない相手に向けた、モヤモヤした素直な気持ちをぶつけている。
私を引き止めて 縛りつけて
だってあなたの側を離れたくない
絶対にがっかりさせない
ずっと押しつぶされそうだった
私を家に連れて帰って
私を手放すことはできないー「タイ・ミー・ダウン」歌詞抜粋
グリフィンが創り上げたメロディにエリーのボーカルがピッタリとハマっているが、それもそのはず、グリフィンは納得がいくまでボーカルのテイクを録り直し、およそ1年もかけてこの楽曲を完成させたという。
「この楽曲は自分自身にとっても大きな意味を持っています。永遠に続く愛や、誰かから尽くしてもらいたいと願うような曲で、すごくエモーショナルな曲になっています。すごく楽しみながら作りました」ー米レコーディング・アカデミーとのインタビューにて
グリフィンってどんなアーティスト?
日本人の母親を持つDJ/プロデューサー
グリフィンは、実は日本にルーツを持っているアーティストで、彼の母親は日本人。元々は、大学に通っていた頃に友達のパーティーでプレイするために音楽を作っていたのが楽曲制作の始まりで、そこで才能が開花し、現在はビリー・アイリッシュも所属するレーベルであるダークルームと契約を結んでいる。
その後はマルーン5やイヤーズ&イヤーズ、トーヴ・ロー、シグリッドといった著名なアーティストたちの楽曲を続々とリミックスし、注目を集めていった。
グリフィンが手がけたリミックス集
マルチプレイヤーとしてステージでは様々な楽器をプレイ
プロデューサーであるのみならず、自ら楽器も弾くマルチプレイヤーでもあるグリフィンは、ライブではギターやピアノもプレイ。
2019年には、アメリカを代表するフェスティバルであるコーチェラ・フェスティバルにてメインステージに出演したほどの実力者で、「楽器とライブ音楽はずっと僕のバックグラウンドにあって、僕が音楽を好きになったきっかけなんです。今はダンスミュージックをやっていますが、僕は自分の音楽におけるそうした(ライブの)要素を示して、人々に違ったタイプのダンスミュージックのショーを観せたいと思っています」と、グリフィンは当時、コーチェラ・フェスティバルの公式インタビューで語っている。
そんな彼のライブパフォーマンスはここ日本でも人気が高く、2016年にULTRA JAPANで初来日パフォーマンスを行なって以来、何度も日本のステージに立ってきており、2020年2月に行なった約3年ぶりとなる単独での来日公演はソールドアウトとなったほどだった。
楽曲制作では“感情”を重視
2019年11月には、大ヒット曲「コール・ミー・メイビー(Call Me Maybe)」などで知られるカーリー・レイ・ジェプセンや、アヴィーチーの代表曲「ウェイク・ミー・アップ(Wake Me Up)」のボーカリストとして知られるアロー・ブラックら、豪華なゲストが参加した待望のデビューアルバム『グラヴィティ(Gravity)』をリリースしたグリフィン。
プロデューサーとして音楽的な幅広さを証明したグリフィンだが、彼は楽曲制作において、一貫して“感情”を重視しているといい、「僕は常に音楽で感情を表現しようとしています。誰かの感情を刺激するような歌詞やメロディが好きで、気分を高揚させるようなメッセージやテーマを音楽で伝えられたらと思っています」と米LA Weeklyのインタビューで語る。
加えて、シンガーを迎えて歌詞を共作する時には、「シンガーたちが歌いたいこと」を重視し、「リアルで偽りのない場所や体験から生まれる」ことについて歌ってもらえるように心がけているというグリフィン。彼が生み出す楽曲に誰もが共感してしまう理由はここにある。グリフィンによる感情を重視したプロダクションに乗せて、シンガーたちが実体験に基づいた歌詞を歌うことで、多くのオーディエンスの心を掴む楽曲が生まれている。
2021年11月にリリースした、スウェーデン人シンガーのカレ・レーマンをボーカルに迎えた最新シングル「アフター・ユー(After You)」でも、オーディエンスの情緒に訴えかけてくるような美しいメロディーと、共感せずにはいられないリアルな歌詞というアプローチはもちろん健在。
「タイ・ミー・ダウン」は今なお、日に日に新しいファンを魅了し続けており、各プラットフォームのチャートで上昇し続けている。
<リリース情報>
グリフィン
「タイ・ミー・ダウン with エリー・ドゥエ」
配信中
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Photo:ゲッティイメージズ,Instagram
(フロントロウ編集部)