『チョコレート工場の秘密』前日譚の『Wonka(ウォンカ)』で、ウンパルンパをヒュー・グラントが演じる可能性が話題になっている。(フロントロウ編集部)

『ウォンカ』撮影現場にヒュー・グラントの姿

 イギリスの児童文学作家であるロアルド・ダールが1964年に発表した『チョコレート工場の秘密』に登場するウィリー・ウォンカの若かりし頃を描く映画『Wonka(ウォンカ)』の撮影が進められている。

画像1: 『ウォンカ』撮影現場にヒュー・グラントの姿

 現在はイギリスのオックスフォード大学で撮影が行なわれており、主演のティモシー・シャラメのほか、ラキー・タクラーやジミー・カーターなど、キャストたちの姿が目撃されている。

 そしてその現場付近で、ある人物の姿がカメラに激写された。それは、ヒュー・グラント

画像2: 『ウォンカ』撮影現場にヒュー・グラントの姿
画像3: 『ウォンカ』撮影現場にヒュー・グラントの姿

ヒュー・グラントがウンパルンパに?

 ヒューといえば、映画『ノッティングヒルの恋人』や『ラブ・アクチュアリー』などで知られるイギリスを代表する有名俳優の1人だが、じつは彼も『ウォンカ』への出演がウワサされている。しかもその役は、ウンパルンパ!

 ティム・バートン監督×ジョニー・デップ主演で大ヒットを記録した2005年の映画『チャーリーとチョコレート工場』では、ディープ・ロイが1人で165人のウンパルンパを演じ、もはやウォンカやチャーリーよりも観客の記憶に残っているといっても過言ではないキャラクターだが、ウンパルンパは体が小さいのが特徴。

画像: 『チャーリーとチョコレート工場』より。©WARNER BROS.

『チャーリーとチョコレート工場』より。©WARNER BROS.

 もし本当にヒューがウンパルンパを演じるとなれば、デジタル技術で処理するのだろうか? この日目撃されたヒューは衣装に身を包んでおらず、出演するのかどうかや演じるキャラクターの正式発表が期待される。


ウンパルンパの描かれ方には問題がある

 このキャスティングの裏には、長年ウンパルンパが抱えてきた問題点があると、英Daily Mailほか、イギリスのメディアが伝えている。

 じつはウンパルンパは、初期の原作本では身長が低いことが特徴のアフリカのピグミー族とされていた。そしてウォンカは、彼らを「輸入した(Imported)」と話していて、差別的な表現が見て取れる。

 しかし1971年にロアルドが脚本を担当した映画『夢のチョコレート工場』では、ウンパルンパはルンパランドから来たとされ、外見はオレンジ色の肌に緑の髪の毛となった。

画像: 『夢のチョコレート工場』より。©Cover Images

『夢のチョコレート工場』より。©Cover Images

 この変更には、肌の黒いキャラクターを差別的に描くことを危惧した製作陣の判断があったが、ウォンカとウンパルンパの間にある従属関係をあいまいにしたとして、当時NAACP(全米黒人地位向上協会)は映画のボイコットを呼びかけたと、サザンクイーンズランド大学の講師ケイト・カントレルは米The Conversationで指摘する。

 そして、1973年の改訂版書籍より、ウンパルンパは「小さなファンタジーの生き物」とされた。そこではウンパルンパはバラ色と白色を混ぜたような肌色で、髪の毛はぼさぼさの金色となった。

 2023年に公開を予定している『ウォンカ』の上層部は、ウンパルンパ役に小人症の俳優を起用することで起こりえる差別的な文脈を避けたいと考えていると、英The Sunなどが報じている。作品は前日譚ということもあり、ウンパルンパは登場しないのかと思われていたが、ここにきてヒューの起用がウワサされることに。

 『チャーリーとチョコレート工場』は2013年より舞台ミュージカルにもなっているが、そこでは人間とパペット人形を混ぜたヒューマネットという表現が採用されている。

 ウンパルンパの描き方の問題点とは別に、『ウォンカ』がいつの時代のウィリー・ウォンカを描くのかということも未だ明かされておらず、本作がどのような作品になるのかは分からない。

画像: 『ウォンカ』の撮影現場で目撃されたマット・ルーカスとトム・ディヴィス。

『ウォンカ』の撮影現場で目撃されたマット・ルーカスとトム・ディヴィス。

 しかし、個性派俳優として知られるティモシーは、ウォンカ役にぴったりすぎるとして、すでに大人気となっているうえ、本作には映画『シェイプ・オブ・ウォーター』のサリー・ホーキンス、ドラマ『ザ・クラウン』のオリヴィア・コールマン、『Mr.ビーン』シリーズのローワン・アトキンソンらも出演。

 また、撮影現場でマット・ルーカスとトム・ディヴィスの姿が目撃された時にも、その世界観に期待が高まるとして話題になってきたため、『ウォンカ』の製作陣には専門家からアドバイスを受けたうえで、良い判断をしてほしい。

(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.