インドのオンライン教育企業が、国際女性デーに『バイアスを壊すために思い込みを壊せ』という動画を制作した。(フロントロウ編集部)

自分は女性を支持している、では「どうやって」?

 3月8日は国際女性デー。2022年のテーマである「バイアスを壊せ(Break the bias)」にあわせて、インドで学校を卒業した後に、さらなるスキルアップを目指す人々へオンライン教育を提供するHarappaが1つの動画を公開した。

 映像のなかでは、数名の男性たちがカメラの前に集められる。「仕事において女性たちのことを支持しますか?」と聞かれた男性たちは、口々に「イエス」「もちろん」と答える。それは頼もしいことだが、続けて、こんな質問が投げかけられた。

 「どうやって?」

 すると男性たちは、一気に言葉につまり、答えが見つけられない。

 この動画には、『バイアスを壊すために、思い込みを壊せ』というタイトルがつけられている。

 Harappaによる国際女性デーの特設ページでは、「あなたは仕事場において女性たちをサポートしていると思っている。しかし、本当に?」と書かれ、女性の権利を確保するためには、自分たちのなかにある思い込みや偏見を自覚し、それを突破していくべきだというメッセージが発信された。

職場で女性の権利を確保するための7箇条

 Harappaは、創設者で男性の会長であるPramath Raj Sinha氏と、創設者で女性のCEOであるShreyasi Singh氏がトップに就く企業。

 Harappaがまとめたデータによると、インドにおける企業トップ500のうち、女性エグゼクティブリーダーがいる企業は29%。ビジネスにおいて、偉そうだと思われたと感じる女性の割合は85%、性別が原因で昇給や内定を得られなかったと感じたことのある女性は85%にのぼるという。

 しかし、「どうやって?」という質問に答えることは簡単ではない。そこでHarappaは、職場において女性をサポートする方法を、分かりやすく7箇条にまとめた。

1. 自分のなかのバイアスを自覚する。
2. 女性と話す時に言葉づかいや声のトーンを気にかける。
3. マンタラプティング(※1)を止める。
4. マンスプレイニング(※2)を止める。
5. 職場における雑務の負担を男女で同量になるように配分する。
6. 公平さやジェンダー平等に対して、目に見えるように責任を持つ。
7. ジェンダーバイアスがある人に対して声をあげる。

 ※1:Manterrupting(マンタラプティング)は、Man(男性)とInterrupt(遮る)を組み合わせた言葉。話している時に男性に話に割り込まれることが多いという女性たちの経験から生まれた。
 ※2:Mansplaining(マンスプレイニング)は、Man(男性)とExplaining(説明する)を組み合わせた言葉。男性に“女性は知らないだろう”という偏見から物事について説明されることが多いという女性たちの経験から生まれた。

 日本でも今年の国際女性デーに合わせて、JoB総研が女性の労働環境の実態調査を行なった。その結果、「女性の働きやすい環境整備」が整っていると答えた女性は21.1%にとどまったが、男性では42.4%だった。また、「職場で女性が不利だと感じた経験」で“ある”と答えた女性は40.3%だったが、男性では19.3%だった。

 女性と男性では、見させられている現実、直面している現実が異なるのは、全世界的な話。また、女性であっても、女性へのバイアスはある。

 まずは自分のなかの思い込みや偏見を自覚するところから、行動は始まる。

(フロントロウ編集部)

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