アーノルド・シュワルツェネッガー主演の大ヒット作『ターミネーター』
1984年に第1作目が公開され、これまでに6作品が制作された大人気シリーズの『ターミネーター』。なかでも、1作目の7年後に満を持して公開された2作目の『ターミネーター2』は、シリーズのなかでも最も高い人気を誇っている。
1作目の『ターミネーター』はダークな雰囲気が満載だったが、2作目はエドワード・ファーロング演じるジョン・コナーが登場し、主演アーノルド・シュワルツェネッガーが演じるT-800/ターミネーターも“悪役”とは言い切れない印象を受ける。
実はそんな印象を抱かせるため、監督のジェームズ・キャメロンは本作の演出にある工夫を凝らしていた。
キャラクターの印象を変えるためジェームズ・キャメロン監督がとった手法
それは、徐々にT-800が身に着けているサングラスの登場回数を減らすというもの。映画の序盤ではアーノルド演じるT-800は頻繁にサングラスを身に着けているが、後半に至るにつれてサングラスの登場回数が減り、“機械的・冷酷”な面が薄れ、“人間的”な面をみせるようになる。
ストーリー上でもT-800の雰囲気が変化するのは明らかだが、実はサングラスという小道具の効果も取り入れていたのだと米James Cameron Onlineでキャメロン監督を含む制作関係者が明かしている。
そして、ロバート・パトリックが演じたT-1000のサングラスも物語の中でサブリミナルな意味を持っており、彼は反射サングラスを与えられ、それが冷たい昆虫のような感触を作り出し、液体金属の“機械的”な印象をサングラスで一層強くしたのだという。
一方リンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーは徐々にサングラスをかけるようになり、強く、たくましい印象を抱かせるような風貌に変化していった。
このように、『ターミネーター』に登場するサングラスは様々な意味を持ち、熟考された理由で用いられていた。(フロントロウ編集部)