ウクライナ侵攻をめぐる英王室のウィリアム王子の発言がネット上で反感を買っている。しかし、炎上した発言は“間違った解釈”だったことが明らかに。(フロントロウ編集部)

ウィリアム王子の発言が誤ったかたちで伝えられる

 ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる英王室のウィリアム王子の発言が誤ったかたちで伝えられ、炎上する出来事があった。先日、妻のキャサリン妃とロンドン市内にあるウクライナ文化センターをサプライズ訪問したウィリアム王子は、、イギリスやヨーロッパ全体で行われているウクライナ人支援の取り組みについて話を聞いた。その際、ウィリアム王子はこのような発言をしている。

 「見ていてゾッとします。本当に恐ろしいことです。日々、ニュースで伝えられていることは理解のはんちゅうを超えています。私たちの世代にとって、ヨーロッパでこれ(戦争)を見るのはとても異質なことです。私たちはあなたたちの味方です。あなたたちのことを思っています。同時に自分たちは役立たずだと感じます」

画像: ウィリアム王子の発言が誤ったかたちで伝えられる

 問題となったのは「ヨーロッパでこれを見るのはとても異質なことです」という箇所。じつは当初、この部分は「ウィリアム王子はイギリス人はアフリカやアジアでの紛争を見るのに慣れていると述べたうえで、『ヨーロッパでこれを見るのはとても異質なことです』と付け加えた」というかたちで、いくつかの主要メディアに報じられていた。

 その結果、ウィリアム王子はアフリカやアジアでは紛争が当たり前であるかのような発言をしたとして、一部の人たちから責められることになったのだが、そのとき撮影された動画を見るとウィリアム王子はアフリカやアジアにはまったく触れていなかった。つまり、最初にそのニュースを伝えた記者が“間違った解釈”をしただけで、ウィリアム王子は濡れ衣を着せられただけだったのだ。

 ちなみに、今回の騒動についてケンジントン宮殿のスポークスマンは沈黙を貫いているが、王室の特派員で、誤った情報をもとにウィリアム王子を批判する内容の記事をネットに掲載してしまった記者は、後日、「ケンブリッジ公爵がヨーロッパでの戦争について語った件ですが、アフリカやアジアでの紛争と比較したわけではありませんでした。混乱のなかで、彼の発言は聞き間違えられ、SNSで嵐を巻き起こしました。そのことをネットで報じたことをお詫びします」と謝罪している。

 ヨーロッパでは各国が凄まじいスピードでウクライナ難民の受け入れや支援を進めており、それが国際社会で称賛されている一方、同じ国々が以前からシリアやアフリカからの難民に対しては“受け入れできない”という姿勢を取ってきたという事実から、同じ難民でも人種による差があることが新たな社会問題として浮彫になっている。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.