Amazonプライム・ビデオのドラマ『ザ・ボーイズ』にキミコ役で出演する俳優の福原かれんが、見知らぬ男性からいきなり後頭部を殴られたことを告白。アジア系を狙ったヘイトクライムと見られている。(フロントロウ編集部)

福原かれんがアジア系を狙ったヘイト犯罪の被害にあう

 Amazonプライム・ビデオのオリジナルドラマ『ザ・ボーイズ』や映画『スーサイド・スクワッド』などの出演作で知られる俳優の福原かれんが、アジア系を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)の被害にあったことを自身のインスタグラムで明かした。幸い怪我はなかったが、大きなショックを受けているという。

画像: 福原かれんがアジア系を狙ったヘイト犯罪の被害にあう

 かれんは、「今日、私は男性に頭を殴られました(身体的には大丈夫です)。こんなクソみたいなことは今すぐ終わるべきです。私たち女性、アジアの人々、高齢者は、あなたの助けを必要としています」と切り出すと、そのあとに続く画像で自身の身に起きたことを詳しく説明した。

 「普段、プライベートなことはあまり話さないのですが、今日は重要だと思うことがありました。コーヒーを買おうと思ってカフェに向かっていたら、突然、男性に後頭部を殴られました。本当にいきなりでした。目が合ったわけでもありませんし、私はとくに変なことはしていませんでした。びっくりして、その拍子にかぶっていた帽子が飛んでいきました。私が振り返ったとき、彼は私から数メートル離れたところにいました(私を殴ったあとも歩き続けたのでしょう)。彼に抗議しようと思いましたが、彼がこちらに向かって歩いてきたので、危険を冒すほどのことではないと思いとどまりました。数秒間にらみ合って彼が私のことを怒鳴ったあと、彼はその場を立ち去りました」

 ちなみに、身体的な被害を受けたのは今回が初めてだが、言葉による人種差別は過去にも受けたことがあるという。

 「過去に人種差別や傷つくような行為を受けたことがありますが、身体的な被害を受けたのは今回が初めてです。このことを書いたのは、私の多人種の友人と話をしたとき、こうした憎悪犯罪が日常的で普通の人々=食事を共にする人々に起こっていることを彼らが知らなかったからです。結果的に私は幸運だったのだと思います。彼がまた私を殴りに来る可能性もありました。それに、彼は武器を持っていたかもしれません。この体験のショックから、護身術のクラスを受けようと思っています。しかし、なぜ『被害者』である私たちが、そんなことを考えなければならないのでしょうか。加害者たちは、女性やアジア系の人々、高齢者を殴って、どんな満足感を得ているのでしょうか?彼らは責任を負う必要があります。このような恐ろしい犯罪を防ぐために、私たちは地域社会として何ができるのでしょうか?」

アメリカでアジア系を標的にしたヘイト犯罪が急増

 ご存じの方も多いと思うが、2020年頃からアメリカでアジア系を標的にした嫌がらせや暴行事件などのヘイトクライム(憎悪犯罪)が急増。以前から人種差別や外国人嫌悪(ゼノフォビア)の問題は存在したが、ここ1〜2年で悪化したのは、新型コロナウイルスの最初の感染者が確認されたのが中国だったことが背景にあるとみられる。

 とくにアメリカではアジア系の住民があからさまに敵意を向けられたり、暴力を振るわれたりする事例がコロナ前と比較して倍以上に増えており、今年に入ってからもアジア系の女性や高齢者が被害にあう事件が相次いでいる。

 つい最近も、ニューヨークでアジア系の女性が男から100回以上殴る蹴るなどの暴行を受け、重傷を負う事件が起きたほか、昨年3月にはアトランタとその近郊にある3軒のマッサージ店が銃撃され、アジア系女性6人を含む8人が殺害される事件もあった。(フロントロウ編集部)

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