ウィル・スミスの母親がウィルのビンタ騒動について語る
現地時間3月27日に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された第94回アカデミー賞授賞式で、俳優のウィル・スミスが、自身の妻ジェイダ・ピンケット・スミスの坊主頭をネタにしたプレゼンターのクリス・ロックに腹を立て、クリスを思い切りビンタした騒動。
ジェイダは以前より脱毛症に悩まされていることを告白しており、坊主にしたのはそのため。ウィルは、ジェイダにとってセンシティブな髪についてクリスにネタにされたことを激怒して、クリスをビンタして席に戻った後も、放送禁止用語であるFワードを使いながらクリスを罵倒した。クリスがジェイダが脱毛症に悩んでいたことを事前に知っていたかはわかっていない。
この一件をめぐっては、他人の容姿をネタにしたクリスのジョークは“言葉の暴力”にあたるとしてウィルを擁護する声がある一方で、どんな理由があろうと暴力は決して許されるべきではないとしてウィルを非難する声も多く、セレブの間でも意見が割れている。また、ジェイダに代わってクリスにビンタしたウィルの行動について、「有害な男らしさ(トキシック・マスキュリニティ)」の一例であると指摘する声もあがっている。
ウィル・スミスの母親がウィルのビンタ騒動について語る
そうしたなか、ウィルの母親であるキャロリン・スミスが米6ABCの取材に応じて、アカデミー賞でウィルが起こした騒動についてコメントした。
作品を通じて演じてきたキャラクターも手伝って、これまでファンの間では“気さくないい人”というイメージが定着していたウィルだったが、実際にそうだといい、「彼はとても思いやりのある人ですよ」とキャロリンは息子の性格について語った。
そんなウィルがビンタという行動に出たことは視聴者に衝撃を与えたが、それは母キャロリンにとっても同様だったようで、「彼が激昂しているのを見るのはあれが初めてでした。彼の人生で初めてですよ」とコメント。「私は彼がああいうことをするのを見たことがありませんでした」と続けて、ウィルがあれだけ激昂するのを見るのは人生で初めてだったと明かした。
インタビューの中で、キャロリンはウィルが初めてアカデミー賞の主演男優賞を獲得したことについてもコメントしており、「彼の働きぶりは知っていますし、どれだけ熱心に働いているかも知っています。私は(彼がアカデミー賞を受賞するのを)ずっと待っていました。彼の名前を聞いた時には、『イエス!』と思いました」と、その喜びを振り返った。
妻であるジェイダについてのジョークを言われ、母親が驚くほど激昂し、ビンタするに至ったウィルはその後、クリスに公式に謝罪。「暴力はいかなる形でも有害であり、破壊的です」と暴行を働いてしまったことへの反省を述べて、「私の言動は常識はずれで、間違っていました。自分の行ないを恥じています。私の行動は、私がなりたい人物像を表すものではありませんでした。愛と優しさのある世界に、暴力の居場所はないのです」とSNSに綴った。(フロントロウ編集部)