アカデミー賞授賞式の生放送中に俳優のウィル・スミスがコメディアンのクリス・ロックをビンタした騒動で、ウィルが同アワードを主催する映画芸術科学アカデミーを退会。(フロントロウ編集部)

ウィル・スミスが映画芸術科学アカデミーを退会

 現地時間3月27日に開催されたアカデミー賞授賞式の生放送中に俳優のウィル・スミスがコメディアンのクリス・ロックをビンタした騒動で、同アワードを主催する映画芸術科学アカデミーを退会したことがわかった。現在、映画芸術科学アカデミーは騒動に関する調査を進めており、米Varietyによると“追放”される可能性もあったが、ウィルは自ら退会することを選択したという。

 ご存じの方も多いと思うが、授賞式にプレゼンターとして登場したクリスがウィルの妻ジェイダ・ピンケット・スミスの坊主頭をジョークにするひと幕があり、そのことに激怒したウィルが、突如、壇上にあがってクリスをビンタするという事件が起きた。それでもなおウィルの怒りは収まらず、Fワードと呼ばれる放送禁止用語を使ってクリスを罵り、アメリカではその瞬間だけ無音で放送された。じつは、ジェイダは脱毛症に悩まされており、それが理由で2021年から坊主頭にしている。その事実をクリスが知っていたかどうかは不明だが、米TMZは、“クリスはジェイダが脱毛症であることを知らなかった”と報じている。

画像: アカデミー賞授賞式でクリス・ロック(左)を平手打ちするウィル・スミス(右)。

アカデミー賞授賞式でクリス・ロック(左)を平手打ちするウィル・スミス(右)。

 以下、ウィルの声明。

 「私は、映画芸術科学アカデミーの懲戒聴聞会の通知に対して直接回答し、私の行為に対するあらゆる結果をすべて受け入れるつもりです。第94回アカデミー賞授賞式での私の行動は、衝撃的で、痛々しく、許しがたいものでした。私が傷つけた人のリストは長く、クリス、彼の家族、私の親しい友人や愛する人たち、会場にいたすべての人たち、そして自宅の世界中の聴衆が含まれます。私はアカデミーの信頼を裏切ったのです。他の候補者や受賞者から、彼らの並外れた仕事を祝い、祝福される機会を奪ってしまったのです。私は心を痛めています。私は、その功績が注目されるべき人々に焦点を戻し、アカデミーが映画における創造性と芸術性を支援するための素晴らしい仕事に戻ることができるようにしたいのです。ですから、私は映画芸術科学アカデミーの会員を辞退し、理事会が適切と考えるいかなるさらなる結果も受け入れるつもりです。変わるには時間がかかりますが、私は二度と暴力が理性を凌駕するようなことがないよう、努力することを約束します」

 ちなみに、授賞式の翌日、ウィルはSNS上でクリスに正式な謝罪をし、「クリスに公式に謝罪したいと思います。私の言動は常識はずれで、間違っていました。自分の行ないを恥じています」と綴っていた。一方のクリスは、約2日前、騒動後初めて公の場に姿を見せ、「まだ、何が起こったのか整理できていない」と胸中を語っている。(フロントロウ編集部)

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