ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が第64回グラミー賞授賞式でスピーチ
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、4月3日(日本時間4月4日)に米・ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されている第64回グラミー賞授賞式に動画でスピーチ。ロシアによる侵攻を受けているなかで、ウクライナをサポートしてほしいと強く訴えた。
ゼレンスキー大統領は、グラミー賞が音楽の祭典であることに合わせ、「戦争。これ以上、音楽と正反対のものはあるでしょうか? 破壊された都市や殺された人々の静寂」と始めると、「私たちの子供たちは、流れ星ではなく、落ちてくるロケットの絵を描いています。400人以上の子供たちが怪我をし、153人の子供たちが亡くなりました。この子たちが絵を描くのを私たちは二度と見ることができません」と、多くの子供たちが戦争の犠牲になっているとスピーチ。
「私たちの親たちは朝、生きて爆弾シェルターで目を覚ませることに幸せを感じています。私たちが愛する人たちは、今後また一緒になれるか分かりません。戦争は、誰が生き延び、誰が永遠に沈黙させられるのかを私たちに選ばせてくれません」。
「私たちのミュージシャンは、タキシードの代わりに防弾チョッキを着ています。彼らは病院で怪我人たちのために歌っています。それを聴くことができない人々に対しても。それでも、音楽は打開していきます。私たちは自分たちの自由を守ります。生きる自由を。愛する自由を。音を鳴らす自由を。私たちの土地では、爆弾で恐ろしい沈黙をもたらすロシアと戦っています」と続けたゼレンスキー大統領は、ウクライナで起きていることについて話してほしいとして、次のように訴えた。
「皆さんの音楽で沈黙を満たしてください。今日、満たしてください。私たちの話をしてください。沈黙するのではなく、皆さんのソーシャルネットワークやテレビで、戦争について話してください。どんな形でも良いので我々を支えてください。静寂だけはやめてください」。
ゼレンスキー大統領がスピーチを終えた後で、ジョン・レジェンドが“自由”を意味するタイトルがつけられた「Free」をパフォーマンス。ステージには、ミカ・ニュートン、Siuzanna Iglidan、Lyuba Yakimchukというウクライナ出身のアーティストたちも参加した。(フロントロウ編集部)