4週間で家庭のプラごみはどれだけ減らせる?
国連環境計画(UNEP)の統計によると、世界の海には毎年800万トンを超える膨大な量のプラスチックが流入しているという。そこでフロントロウ編集部では、エディターが1か月間プラごみを減らすことを意識しながら生活するチャレンジに挑戦!
1ヵ月プラごみ減らすチャレンジ
【エディターの基本データ】
・ひとり暮らし
・自宅で仕事をする日も多いため、そのぶん家庭から出るごみは多め
【チャレンジのルール】
・プラごみを中心に家庭ごみを減らす努力をする
・1週ごとに特に注力するルールをつくる
1週間目:最初の週に現れた救世主...!自炊による意外な副産物も
チャレンジ前に自分のごみの内容を分析してみたところ、プラごみの大半は食品や日用品のパッケージ類であることに気づいた。そこで1週目は、プラごみの大幅な削減に挑戦することに。
そうなると、コンビニやデリバリーサービスはほぼ使えない。各社で企業努力はしているが、どうしても容器や梱包からプラごみが出やすい。そこでこの週は自炊することをマイルールにしたが、ここで救世主となったのが地元の八百屋。野菜や果物をプラスチック容器やビニールで梱包しているスーパーはまだまだ多いが、八百屋はそのままの状態で売っているところが多いため、これには助けられた。いつもは商品数の多いスーパーで購入していたが、八百屋は品物によってはスーパーよりもお得なものがあったうえ、地元民である店員さんとのコミュニケーションもあり、みのりの多い体験だった。今後は両方をうまく使っていこうと思う。ちなみに、どうしても出てしまった肉などの容器は、スーパーの回収ボックスに持ち込んだ。
その結果プラごみの量が思っていた以上に減少! ごみをまとめたときの大きさや重さはスタート前にくらべてどちらも半分近くまでカットできた。これまでは、自炊はできるときだけするということが多く、便利な方法を選んでしまいがちだったけれど、そのせいで出ているごみがどれだけ多いかを痛感。
ちなみに、自炊を徹底したことでプラごみは減ったものの、生ごみなどのごみはかなり増加。この生ごみは、コンポストなど自宅で処理できるといいなとも感じた。
2週間目:詰め替えや量り売りのサービスを利用したら、ストレスが減った
想像よりもプラごみを減らせた1週目を経て感じたのが、自炊を徹底してもなお、パッケージのごみはまだまだ出ていること。同じ方法で食品や日用品購入している限りはこれ以上の削減は難しいと踏み、どうにかプラごみを減らす方法を模索していたところ、目についたのが海外で人気の詰め替えや量り売りのサービス。2週目はこのサービスを利用することをマイルールに設定。
容器を持ち込むことで詰め替えや量り売りができるショップは、海外では何年も前から根付いていて、日本でも徐々に増えていることは知っていて気になってはいたものの、今まで積極的に利用したことはなかった。よい機会だと思い、洗剤や食材などをこのスタイルで購入してみたところ、何よりも嬉しかったのが、ごみが出ることの罪悪感が生活から減る点。これは思っていたよりも、日々の気持ちを軽くしてくれた。これまでは、洗剤などの日用品や食材はどうしても購入せざるを得ないため、それによってごみが出てしまうことがストレスだった。それだけに罪悪感なく製品を購入できるのが嬉しく、これはこれからもぜひ続けたい。
結果、プラごみの量は前週よりもさらに減少。すべての製品を量り売りで購入できるわけではないので、大幅なカットは難しかったものの、続けることで大きな違いが出ると感じた。
ちなみに今回量り売りで利用したのは、「Biople by CosmeKitchen」などさまざまな店舗にリフィルステーションを展開する「エコストア」と、オーガニックスーパーの「ビオセボン」。「エコストア」では、食器用洗剤や洗濯用洗剤、柔軟剤などが量り売りで販売されていて、「ビオセボン」では、穀物やナッツ、シリアル、チョコなどが量り売りで販売されている。
3週間目:ラップなどキッチンで出る使い捨て品の代替品は何が良い?
ごみを減らす意識が定着してきた3週目に突入して気になってきたのが、キッチンなどで出る使い捨てのプラスチック。マイバッグやマイボトル、マイカトラリーを持参するのは基本的に続けていたものの、食品を保存するときに使用するラップやフリーザーバッグは使っていた。そこで3週目には、ラップやフリーザーバッグの利用を減らすことをマイルールに。
そこで役に立ったのがシリコン製の食品保存容器や、何度も使えるミツロウラップ。チャレンジのスタート前に購入していたシリコン製の保存容器「スタッシャー」をはじめ、ビーズワックスラップ、100円ショップのシリコン容器、100円ショップのシリコンラップを使い分けてみたところ、これらのアイテムさえあれば、ラップやフリーザーバッグはほとんど使わずに過ごすことができることに気づく。使い捨てにくらべて、洗うという1ステップが追加されるけれど、皿や鍋を洗うのと同じなので、面倒さはそこまでなく、むしろ使い捨てするという行為がなくなることで、気持ちよく過ごせた。
そしてこのちょっとした工夫で1週間のプラごみは、わずかながら減らすことができた。ラップなどはごみのかさとしては多くないが、使用する頻度が多いため代替品を長く使えば長期的には相当量の使い捨てごみが減らせそう。ちなみに複数の代替えアイテムを使った中で、個人的にもっとも使いやすかったのが100円ショップで購入したマチがあるシリコン容器。「スタッシャー」も使い勝手がよかったが、少しサイズが小さかったので、次はマチつきの大きいものを購入しようと決めた。
4週間目:ついに最終週! すべてのルールをまとめて実行
最後の週になった4週目に疑問に思ったのが、これまでのルールをすべて取り入れたらどこまでごみを減らせるんだろう?ということ。そこでコンビニやテイクアウトをなるべく避けること、量り売りできるショップを利用すること、使い捨てするプラスチックを減らすことをすべて意識して1週間生活。一気に全部のルールを決めて始めていたらキツかったかもしれないけれど、どれも1度挑戦していた経験があるからか、思ったより負担なく取り入れられた。
そして出たプラごみの量は、なんと重さにしてスタート前の4分の1ほど。1週間目にくらべても半分までカットを実現した。洗面所で使っているコンタクトの保存液を使い終わったことで容器のごみが出てしまったことを除くと、大きなごみはほとんど出ず、かなり大幅にごみを減らすことができた。
4週間のチャレンジを経て大きく変わったのは、ものを購入するときの意識。チャレンジをする前もできるだけごみを出したくないなという気持ちはあったものの、絶対に減らすと心に決めていることで、スーパーやドラックストアなどで製品を選ぶときに、どうすればごみを最小限にできるかを考えるようになったのが大きい。完全にごみをゼロにするのは難しいけれど、製品を選ぶときなどちょっとした意識でごみを減らせるということを身をもって感じることができた。
難しいことをしなくてもごみは減らせるので、製品を購入するときやごみを出すときはもちろん、生活で出たごみを見て、何か減らす方法がないかをぜひ考えてみて。(フロントロウ編集部)