E.T.の名セリフを言っているのは一般人!
1982年に公開され、今なお心温まる作品として人気を誇る映画『E.T.』。エリオットとその妹のガーティや兄のマイケル、そしてその仲間たちが、地球で迷子になったエイリアンのE.T.と絆を深める本作では、エイリアンが怖い存在ではなく、愛されキャラクターとして描かれている。
E.T.が子供たちと交流する様子には、その可愛らしさからきゅんとしたり、感動から泣けてきたりするが、それを盛りあげる要素には、E.T.が人間の言葉がそこまで得意でないことがあるだろう。だからこそ、「E.T. オウチ デンワ」といった名セリフが誕生したわけだが、そんなE.T.の声を演じたのは、1人の一般人だったことをご存じだろうか?
パット・ウェルシュの声が特徴的な理由
当初、ラフカットでは俳優のデブラ・ウィンガーやスティーブン・スピルバーグ監督が声をあてていた。ちなみに、デブラはハロウィーンのシーンで、顔がただれたマスクと白衣を身につけ、犬を抱きかかえて子供たちとすれ違う人物としてカメオ出演している。
そんななか、E.T.の声をデザインしたサウンドデザイナーのベン・バートが、偶然パット・ウェルシュという女性を見つける。彼女の声がE.T.にぴったりだと考えた彼は、彼女に映画について説明をし、彼女にセリフを呼んでもらったという。ベンは『E.T.』のメイキング映像のなかで、オリジナルの彼女の音声から変えたのはほんの少しだけだと明かしている。
そんな彼女の声は、少しガラガラでかすれているのが特徴的。だからこそ制作陣はE.T.らしいと感じたのだろうが、映画本『Outer Limits: The Filmgoers’ Guide to the Great Science-Fiction Films』によると、パットの声がその状態だった理由は…、彼女がタバコのチェーンスモーカーだったから!
可愛いエイリアンとして愛されるE.T.の声がガラガラなのは、まさかタバコの吸いすぎだとは。その事実は少し衝撃的だが、とはいえパット本人は笑顔が可愛いおばあちゃんだったので、タバコ以外のイメージはぴったりかも。
また、ベンによると、動物の呼吸音をパットの声と組み合わせたり、友人の子供が出す音や別の動物の音を使ったりしたシーンもあるという。ちなみに、酔った時の音は、彼の大学時代の教授が出した音だそう。
(フロントロウ編集部)