フジロックフェスティバル'22への出演も決定しているホールジーが、ライブで中絶の権利についてスピーチしている一部のオーディエンスが退場したことにコメントした。(フロントロウ編集部)

ホールジーがライブで中絶の権利に言及

 7月31日(日)に開催されるフジロックフェスティバル'22でヘッドライナーを務めることが決定しているシンガーのホールジーが、現地時間6月26日に米アリゾナ州フェニックスにある野外劇場であるアクチン・パビリオンで行なったライブの中で、先日、アメリカの連邦最高裁判所が人工妊娠中絶の権利を認めた1973年の「ロー対ウェイド」の判決を覆す決定を下したことに言及した。

画像: ホールジーがライブで中絶の権利に言及

 ホールジーは現在行なっているツアーの中で、シングル「Nightmare」を披露する際に中絶の権利について言及する演出を組み込んできたのだが、「ロー対ウェイド」判決が覆される決定がなされてからは初めてのパフォーマンスとなったこの日の公演で、中絶の権利について改めてコメント。

 今回の連邦最高裁判所の決定について、「これは長い期間にわたって起きていること」と、女性たちのからだの自己決定権が侵害される状況は今に始まったものではないとした上で、「本当は家で座って、変化をもたらしてくれる革命が起きるのをただ待っていたいと思う気持ちは私も分かるけど、誰も来てくれないの。誰も来てくれない。これはみんなや私自身を含む、この建物にいる1人1人に掛かっていることで、からだの自己決定権やボディ・インテグリティを守るために1人1人が行動を起こさなければいけない。医療に関するプライバシーを守るためにね」と、自分たちの権利を守るためにはただ変化を待っているのではなく、1人1人が行動を起こす必要があると呼びかけた。

 ホールジーはその後、オーディエンスとコールアンドレスポンスを行なって、ホールジーの「マイ・ボディ(私のからだ)」という呼びかけに「マイ・チョイス(私の選択)」とオーディエンスが応えた。

中絶の権利についてのスピーチ中に退場したオーディエンスに反応

 また、ホールジーはスピーチ中に「もし気に入らなかったら、今すぐ家に帰ってくれていいよ。私は気にしないから」とも語って、中絶の権利について自分が話していることに不快感を感じる人がいたら、退場してくれてもいいと呼びかけている。

 「ただ、気に入らないのだとしたら、どうしてあなたがホールジーのコンサートに来ようと思ったのか分からないけど。だって私は自分がこうやって感じているということを隠していなかったわけだから」と続けたホールジーだが、実際にはこのスピーチを受けて、一部のオーディエンスが退場したという。

 ツイッターでファンからこのことを伝えられると、ホールジーは、退場していったファンに別れを告げるかのように手を振っている絵文字をつけた上で、今回の会場が屋外の会場だったことに触れ ながら次のようにツイートした。「屋外の会場の良くないところ:外へ出ようとする人たちにぶつかってくれるドアがない(※)」

※「あなたが去るのを喜んでいる」「あなたはもう歓迎されないから、早く立ち去るべき」という意味のイディオムである“Don't let the door hit you.”にかかっている。

 「ロー対ウェイド」判決が覆された決定をめぐっては音楽界からも反発の声が相次いでおり、オリヴィア・ロドリゴがグラストンベリー・フェスティバルでこの決定に賛同した最高裁の判事を名指しで批判したほか、テイラー・スウィフトもツイッターでこの決定を批判。また、グリーン・デイのフロントマンであるビリー・ジョー・アームストロングはこの決定を受けてアメリカの市民権を「放棄する」と宣言した。(フロントロウ編集部)

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