アメリカのコストコで、ある薬が非常に安く販売されていることが話題となっている。(フロントロウ編集部)

コストコは薬も安い

 食料品から衣服まで、日常に必要な多くの商品が揃っているコストコ。そんなコストコでは薬も取り扱っており、ある種類の薬が非常に安価で販売されていることは、アメリカに住む多くの女性を救っている。米掲示板サイトRedditであるユーザーが、「PSA(Public Service Announcement/大切なお知らせの意味)」として投稿した情報が、多くのユーザーに広がっている。そこに書かれていたのは、アフターピルについて。

 「(薬局の)CVSとかWalgreensよりも、コストコのほうがアフターピルが安いって聞いた。半額くらいかと思ったら、10分の1の安さだった。CVSは60ドル(約8,000円)くらいだけど、ウォルマートはジェネリックで20ドル(約2,700円)以下。でもコストコでは6ドル(約800円)で売られてて吹っ飛んだ」

 アフターピル(緊急避妊薬)は、避妊をせずに/避妊に失敗した性行為の後に72時間以内に服用するもので、妊娠を望んでいない女性を助ける薬。妊娠は女性の身体にも社会的生活にも非常に大きな影響を与えるため、妊娠を望まない女性が出来る対処の1つとして、“アクセスしやすい”ことが重要。

 アフターピルは性暴力被害に遭った被害者が取れる対応でもあり、さらに72時間以内の服用が必要なことから、安価で購入できることが求められる。そのため、アメリカのコストコでは非常に安く購入することができるという情報は広く知られることが重要で、拡散された。ちなみに、アフターピルはイギリスなど一部の国では無料で得ることができる。

画像: 写真はイメージです。

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 コストコは60ドルの年会費がかかるが、アフターピルは会員でなくても購入可能となっている。また、コンドームも非常に安価だそう。

 一方で、このような状況にも問題が発生している。アメリカの最高裁が「ロー対ウェイド」判決を覆し、女性の中絶の権利を保障しなくなったことで、緊急避妊薬を購入しておく人が急激に増加。アマゾンやCVS、ウォルマートは購入数に制限をかけることを発表した。そして、中絶手術と重なることがあるという理由で、流産や子宮外妊娠の処置にすら暗雲が立ち込めるなかでは、アフターピルもいつまで簡単に手に入れられるか分からないと不安に思う女性は少なくない。

 また、アメリカの状況からは、日本では多くの薬局でアフターピルを購入できないことや、その価格が非常に高額に設定されている状況についても考えさせられる。

(フロントロウ編集部)

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