首相辞任の中継で国民が大笑いのワケ
相次ぐ不祥事を受けて野党だけでなく与党からも批判の声が高まり、複数の官僚までも辞任・首相批判をしたことで、ついにイギリスのボリス・ジョンソン首相が保守党の党首を辞任すると表明した。そして、そのニュースを伝えた英Sky Newsの中継放送が思わぬ笑いを生んでいる。
イギリスのロンドンにある国会議事堂前から、ジョンソン首相の辞意表明について伝えていたテレビ番組。しかしその後ろで…、とても陽気な音楽が流れている!?
この曲は、イギリスで1969年から89年にかけて放送されたコメディ番組『ベニー・ヒル・ショー』のテーマ曲として広く有名な「Yakety Sax」。有名コメディ番組の音楽が、保守党党首の辞任報道の後ろで流れたことには多くの英国民が笑いをこらえられず、ポットキャスターのスコット・ブライアンは「素晴らしいシーン」とコメントし、学者のマイク・ギャルスウォーシーは「完璧」とツイート。コメディアンで作家のデイヴィッド・バディエルは、「ファッキン・ブリリアント」と反応した。
INCREDIBLE SCENES
— Scott Bryan (@scottygb) July 7, 2022
“THE BENNY HILL THEME TUNE” IS BEING BLASTED OUT ON SKY NEWS. pic.twitter.com/N06wBwcoZl
これは、イギリスのEU離脱を指すブリクジットや、保守党に反対するアクティビストであり、国会議事堂前で何年もプロテストを続けていることで有名なスティーブ・ブレイが議事堂前で流していたもの。彼は“ストップ・ブリクジットの人”として有名なのだが、じつは今回の選曲は彼がしたものではなかった。彼にリクエストをしたのは…、超有名俳優のヒュー・グラント!
ヒューといえば、映画『ラブ・アクチュアリー』で英国首相を演じたことも記憶に残る。そんな彼はツイッターでスティーブにむけて、「スティーブ・ブレイ、おはよう。スピーカーが戻ってきて良かった。ベニー・ヒルの音楽は手元にあったりするかな?」とメッセージ。それを受け取ったスティーブが、『ベニー・ヒル・ショー』のテーマ曲を流したというわけ。
Morning @snb19692 Glad you have your speakers back. Do you by any chance have the Benny Hill music to hand?
— Hugh Grant (@HackedOffHugh) July 7, 2022
イギリスではプロテストの排除について新しい法律ができ、大きな議論となっている。その法律によって、暴力的でなくとも公共の場を混乱させるプロテストを警察が抑えることができるという。してスティーブは6月の終わりに警察によってスピーカーを差し押さえられていた。ヒューが「スピーカーが戻ってきて良かった」というコメントは、その事件についてだと思われる。
しかしスティーブは行動を止めず、7月6日には、「バイ・バイ・ベイビー」の替え歌である「バイ・バイ・ボリス」を国会議事堂前で流し、当時中継放送を行なっていた朝の情報番組『グッド・モーニング・ブリテン』の2人がノリノリになるという出来事もあった。
ちなみに、「バイ・バイ・ベイビー」もヒューと繋がりがあり、この曲は『ラブ・アクチュアリー』内で使用されている。
Anything can happen on live television �
— Good Morning Britain (@GMB) July 6, 2022
Karaoke anyone? �@susannareid100 | @edballs pic.twitter.com/4fWkzCvb9z
(フロントロウ編集部)