障がい者を揶揄する発言をしたノエル・ギャラガー
元オアシスのギタリストとして知られ、現在はノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズとして活動しているアーティストのノエル・ギャラガーが、イギリスで最も伝統ある音楽フェスティバルであるグラストンベリー・フェスティバルに出演した際に障がい者の観客を揶揄する発言をしたとして、物議を醸している。
問題視されているのは、ノエルが、コメディアンのマット・モーガンが司会を務めるポッドキャスト『Matt Morgan’s Funny How?(原題)』に出演した際にした発言で、ノエルはその中で、グラストンベリー・フェスティバルの会場で障がいを持った観客のために用意されたエリアでライブを鑑賞したと発言。
出演アーティストとして持っていた、すべてのエリアに入ることができるパスをスタッフに示して、「『なあ、このパスが見えるだろ?これがあればどこにでも入れるんだ』って言ったんだ」と司会のモーガンに明かした。
番組のなかで、ノエルは自身の息子にライブを見せるために車椅子に乗った人たちに場所を開けてもらおうとしたとジョークを飛ばしたほか、車椅子から立つように促すこともできただろうと振り返っている。ノエルは、最初は障がい者のためのエリアだと気がつかなかったとした上で、「言わせてもらいたいのは、障がいを持った人たちは何もかもが見渡せるようなエリアにいたんだ」とも語った。
リアム・ギャラガーがノエル・ギャラガーに代わって謝罪
番組での発言を受けて、ノエルや司会のマット・モーガンの元には多くの批判の声が寄せられることとなっており、障がい者の権利のために活動している慈善団体であるScopeもノエルらを批判する声明を発表。英The Mirrorに寄せた声明でノエルの発言を次のように批判した。
「このインタビューにおける、障がいを抱えた方々に対する平然とした虐待や軽視は、卑劣なものです。ノエル・ギャラガーとマット・モーガンは分別を持つべきですし、恥を知ってください。このような言葉遣いは言い訳のしようがないものです。それ以前に、利用しやすいプラットホームは特権を持ったロックスターやその友人たちのためにある場所ではありません。こうしたプラットホームは障がいを抱えた方々にライブ音楽を楽しんでいただくためにあります。こうした場所がなれば、多くのフェスティバルで入場することが難しくなってしまうのです」。
また、今回のノエルの発言を受けて、2009年にオアシスを解散して以降は確執を抱え続けていることで知られる、弟でシンガーのリアム・ギャラガーも彼の発言を批判している。
リアムは自身のインスタグラムのコメント欄で「障がいを抱えた方々に対する発言について、家族を代表して謝罪します。申し訳なかった」と、ノエルに代わって謝罪した上で、「俺たちは全員がクソ野郎というわけではないんだ」と兄の発言を批判した。
記事執筆時点でノエルは一連の発言に寄せられている批判について反応を示していない。(フロントロウ編集部)