カイリー・ジェンナーやドレイクらの飛行機移動に批判が相次ぐ
250億円(1億8,500万ドル)以上の値で購入したボーイング767を所有していることで知られるラッパーのドレイクが、飛行機でわずか14分の距離での移動に飛行機を使用したとして、批判を集めている。
先日、ドレイクは自身の拠点であるカナダのトロントから、70キロの距離にあるハミルトンまでの移動に飛行機を使用。セレブの飛行情報を伝えるツイッター・アカウントの「Celebrity Jets」によれば、飛行機はこの移動で1,522リットルの燃料を使用し、4トンの二酸化炭素を排出したという。
これを受けてドレイクには批判が相次いでおり、気候変動対策のための活動を行なっている地元の団体であるEnvironment Hamiltonのイアン・ボルサック氏も、地元紙The Hamilton Spectatorとのインタビューでドレイクの今回の移動について「極めて無駄なものです」と批判。プライベートジェットで移動することが多い彼について、「ドレイクはたった1人で、ほとんどの人たちが1ヶ月か1年を通じて飛行で排出する以上の二酸化炭素をを1回のフライトで排出していると言えるでしょう」と指摘した。
一方で、先日、リアリティスターで実業家のカイリー・ジェンナーとそのパートナーであるラッパーのトラヴィス・スコットにも同様の批判が寄せられている。
カイリーとトラヴィスは、米・カルフォルニア州のヴァンナイズから同州のカマリロまでの17分の距離を飛行機で移動。ドレイクと同様に“無駄遣い”だとして批判が相次いだ。
40分で二酸化炭素の1人平均の年間排出量を排出するセレブも
車などでの移動よりも費用がかかる飛行機移動は裕福なセレブの特権と言えるものだが、今年6月と7月だけでも、ドレイクやカイリー&トラヴィスの他に、ボクシング選手のフロイド・メイウェザーが10分の距離を飛行機で移動したり、カイリーの姉であるキム・カーダシアンが30分の距離を飛行機で移動したりと、セレブたちの間では近距離を飛行機で移動することは決して珍しいことではない。
プライベートジェット移動といえば、かつては羨望の眼差しが向けられるセレブたちの1つのステータスのようなものだったが、気候変動への対策が叫ばれている現代ではそれが批判の対象に変わりつつある。実際、飛行機での移動は大抵、多くの二酸化炭素の排出を伴う。英The Guardianによれば、俳優マーク・ウォールバーグは最近、40分の移動に飛行機を選択して、1人が1年間に平均して排出する4トンという二酸化炭素をこの40分の移動で排出したという。
グーグルが2019年に環境問題を考える3日間の特別イベントを開催したときには、多くのセレブがプライベートジェットで現地入りして大炎上。自然保護活動に熱心な俳優のホアキン・フェニックスは2020年のゴールデン・グローブ賞の受賞スピーチで、そこにいたセレブたちに「時には自分自身で責任を負い、自分の人生に変化や犠牲をもたらすことが必要です。我々がそうできることを願っています。時には、アワードのためにプライベートジェットでパームスプリングスに行ったり、帰ったりする必要はないのです」と訴えた。
一方で、ワールドツアーを行なう際などに必然的に飛行機での移動を余儀なくされる音楽業界では、ツアーそのもののあり方を見直そうという動きも出てきており、コールドプレイが環境に優しいワールドツアーを発表したほか、イギリスのバンドであるマッシヴ・アタックは環境に優しいツアーを行なうための研究をまとめたレポートを政府に提言。セレブ界の内外から、プライベートジェット移動の在り方を考え直すことを求める声が強まっている。(フロントロウ編集部)