ハリウッドで中絶へのアクセスを保障するよう求める署名が女性411名によって提出された。それをサポートする形で、594名の男性も署名を送った。(フロントロウ編集部)

映像制作に携わる女性達が制作会社に中絶へのアクセス保障を求める

 アメリカで6月24日に、女性の中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド」判決が覆されたことで、女性の中絶の権利が憲法で保障されなくなった。その状況を受けて7月28日に、アメリカで活躍する俳優やプロデューサー、脚本家などの411名の女性が、Netflixやディズニーといった大手スタジオに中絶へのアクセスを保障するように求める手紙を送った。

 米Varietyが入手した手紙では、中絶が禁止となった/なるとみられる州での撮影や制作において、中絶を必要とする従業員にスタジオがどう補助金を出し、プライバシーを守るかについてのポリシーを明確にし、公表することを求めている。

 また、中絶の権利が守られなくなったことで、人工中絶手術と同じような処置が取られる子宮外妊娠や流産においても、女性が適切な処置を受けられなくなる懸念が全米に広がっており、それらに関する医療ケアについても規約のなかに含むよう求めている。

 さらに手紙では、中絶の権利に反対している政治家への献金を直ちに止めることも求められた。

 手紙には、『グレイズ・アナトミー』の製作総指揮ションダ・ライムズや、『オーシャンズ8』の俳優ミンディ・カリング、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』の俳優ナターシャ・リオン、『ギルモア・ガールズ』のクリエイターであるエイミー・シャーマン=パラディーノ、『グローリー/明日への行進』のエイヴァ・デュヴァーネイ監督など、著名な関係者が署名。

画像: 映像制作に携わる女性達が制作会社に中絶へのアクセス保障を求める

 そして、アメリカのNetflixやディズニー、ワーナーブラザース・ディスカバリー、パラマウント、Apple、NBCユニバーサル、アマゾン、ライオンズゲート、AMCに送られた。7月28日より10営業日以内での返答が求められている。

男性関係者達も手紙に賛同

 女性が人権問題に直面している時に問題になりがちなのが、一緒に立ち上がる男性が少ないこと。とくに中絶の問題では、確実に男性の責任もある。

 今回の手紙も女性たちによるものだったため、男性の不在を疑問視する声があった。しかし先日、第一の手紙を支持する形で、594名もの男性関係者が署名をスタジオに送付。

 賛同者のなかには、『glee/グリー』のクリエイターであるライアン・マーフィー、『スター・ウォーズ』シリーズのJ・J・エイブラムス監督、『ソー:ラブ&サンダー』のタイカ・ワイティティ監督、『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール監督、『Love, サイモン 17歳の告白』のグレッグ・バーランティ監督、ラッパーで俳優のドナルド・グローヴァーなどが名前を連ねた。

 レターは大文字で、「下記に署名した私達は、女性、トランス&ノンバイナリーのショーランナーの同僚のために連帯します」と始まり、「中絶へのアクセスは妊娠可能な人々だけに影響するものではありません。それは私達全員に影響します」と、中絶の権利が制限されている状況はすべての人に影響するとした。

画像: 男性関係者達も手紙に賛同

(フロントロウ編集部)

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