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HBO Max史上最も視聴された作品として新記録を樹立したドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章(AJLT)』が、9月14日からついにデジタル配信を開始。オリジナル作『セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)』を最低でも20回は見返しているエディターが、本作が持つ魅力を解説。

① キャリーのファッション中毒は健在

画像1: 『SATC』を20回見た編集人が新『AJLT』にハマった5つの理由
 

 キャリー・ブラッドショーがどんな交際よりも溺れたもの、それはファッション。大好きな靴を買うためならば食費も削るくらいファッション中毒なキャリーの、ため息が出るほど豪華絢爛で、ディテールまでストーリーにあふれ、TPOの概念を変えたファッションは、ハイファッションとは縁がない層にも影響を与え、多くのトレンドを生み出し、私たちのカルチャーにインパクトを残した

 そんなキャリーのルックを作りだしてきたスタイリストのパトリシア・フィールドは『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』にはコミットできなかったが、パトリシアの推薦で、『SATC』のはじまりから右腕としてパトリシアと一緒にクリエイトしてきたモリー・ロジャースと、同じく『SATC』時代からのスタイリストであるダニー・サンティアゴが参加。『SATC』当時と同じ熱量でファッションが楽しめ、大満足な結果に

 『AJLT』の撮影に密着した『AND JUST LIKE THAT... / ザ・ドキュメンタリー』(2022年9月14日デジタル配信開始)では、Vogue誌表紙常連であるサラ・ジェシカ・パーカーが時にはプロデューサーやクルーとぶつかってまでアイテムや演出を細かく決める姿があり、なぜこのシリーズのファッションがここまでアイコニックなのかが納得できるこだわりようだった。

② “キャリーの世代”の視点を描くことに忠実だった

画像2: 『SATC』を20回見た編集人が新『AJLT』にハマった5つの理由
 

 『セックス・アンド・ザ・シティ』にはたくさんの魅力があったが、最大のレガシーは、キャリーたちの年代の女性たちの本音を赤裸々に描いたことだろう。セックスからキャリアまで女性たちが頭のなかで考えていることをテレビで発信し、同世代に共感を、若い世代に知識を提供してきた。

 現代でもキャリーの世代の女性の考えが聞けるテレビドラマはまだまだ少ないが、本作では主人公たちと同年代の女性を中心とした脚本家グループが「誰かが実際に経験したことしかこの作品では描かない」(※『AND JUST LIKE THAT... / ザ・ドキュメンタリー』でのサラ・ジェシカ・パーカー談)というルールのもと、キャリーたちの世代の女性にとっての喜びや、このライフステージで感じやすい後悔や葛藤を伝える。

 さらに劇中では、キャリーやミランダたちが“前はそんな風じゃなかったのに”と思えるような言動をするシーンがあるが、その背景にあるのは、“約10年でまったく変わらないという人なんていない”という事実。新作では『セックス・アンド・ザ・シティ』のやり直しをするのではなく、約10年前とは価値観や優先順位が変わった、現在のキャリーたちの現実が忠実に描かれているのだ。

③ “サマンサの件”で納得いく展開があった

画像3: 『SATC』を20回見た編集人が新『AJLT』にハマった5つの理由
 

 サマンサ役のキム・キャトラルの不参加は泣きたくなるほど残念だが、キム不在という状況下でのサマンサへの触れ方としては、合格点をあげたいと思う。

 通常、ドラマからキャストが降板すると脚本でそのキャラクターの不在理由を作りその人は過去の人となるが、『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』では、サマンサは現在進行形で存在し続ける。これをどのような方法でやっているかはドラマで確認してほしいが、劇中では、サマンサという人物の存在の大きさや、彼女の不在がどれだけ重大なことかが伝わるシーンが度々あり、サマンサというキャラクターへのリスペクトが感じられた。

 “キム・キャトラル以外のサマンサはいない”、“サマンサがいない『SATC』は『SATC』じゃない”というファンの思いは制作陣にも共通する思いだったそう。サマンサへのリスペクトを保つために、ファンも気づかないような細かい部分でセンシティブに演出が決められていたことが『AND JUST LIKE THAT... / ザ・ドキュメンタリー』で明かされているので、ドラマ視聴後にぜひドキュメンタリーも観てほしい。

④ 旧作があることを演出のお楽しみに昇華させた

画像4: 『SATC』を20回見た編集人が新『AJLT』にハマった5つの理由
 

 カメオ出演やイースターエッグ(※シーンに意味のあるアイテムを隠す行為のこと)の配置といった、オリジナルシリーズへのリンクには大満足! ビッグの元妻ナターシャやシーズン5に登場したビッツィーといったキャラのカメオ出演にはじまり、懐かしのドレスや思い出の写真など、オリジナルシリーズへのリンクが細部にまで隠されていて、観ていて「あー、あれー!」となる場面が毎エピソードあった

 新作にはキャリーの懐かしの衣装が次々と登場するが、これらのアイテムは、この10年ほど一体どこに眠っていたのか? 答えは、サラ・ジェシカ・パーカーが自身の衣装や記念品をアーカイブとして所蔵している巨大な倉庫! その内部がドキュメンタリーで公開されたが、スタイリストのモリー・ロジャーズですら「(まだあるのが)信じられない」と驚くレアアイテムまで出てくる。

 キャリーを最もよく知る人物であるサラ・ジェシカ・パーカーは、背景に映るクローゼットに置かれたアイテムひとつにも“キャリーらしさ”をこだわったそうで、昔からのキャストやクルーによる昔からのファンへのノスタルジー的なお楽しみが画面に詰まっている。

⑤ 「2020年代」を意識したシーンを入れる挑戦をした

画像5: 『SATC』を20回見た編集人が新『AJLT』にハマった5つの理由
 

 『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』での多様性の取り入れ方は、ファンや批評家の間で賛否両論を呼んだ。ただ、ライターであるキャリー、弁護士であるミランダ、正義感の強いシャーロットがMeToo(性暴力反対運動)やBlack Lives Matter(黒人への差別反対運動)といった近年のトピックに強く反応しないわけがなく、社会問題が彼女たちの会話のなかに登場するのは当然の流れ。一方で、Z世代やミレニアルが中心となって加速させている新時代を支持しながらも、たまに空回ってしまうのもキャリーの世代のリアルなのだろう。ドラマではこの微妙な空気感がうまく取り入れられていると感じた。

 反対意見が出ることを恐れずに、2020年代という時代にキャリー、ミランダ、シャーロットの世代の経験をテレビで描くという挑戦をした製作陣は評価に値するのではないだろうか。

 全10話のドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』と、その舞台裏に密着した『AND JUST LIKE THAT... / ザ・ドキュメンタリー』はデジタル配信中のため、まだ観ていない人はぜひ視聴をおすすめしたい。

新作ドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章<シーズン1>』
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11月2日(水)レンタル・セルDVDリリース予定
公式サイト:https://warnerbros.co.jp/tv/and-just-like-that/

『AND JUST LIKE THAT... / ザ・ドキュメンタリー』
ダウンロード販売&デジタルレンタル中
公式サイト:https://warnerbros.co.jp/kaidora/detail.php?title_id=58681

新作ドラマ『ゴシップガール(2021)<シーズン1>』
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公式サイト:https://warnerbros.co.jp/kaidora/detail.php?title_id=58549

(フロントロウ編集部)

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