レインボー・ウォッシングしている企業はどこ?
LGBTQ+の権利運動が拡大し、プライド月間のお祝いが一般化するなか、プライド月間中に企業がロゴをレインボーにしたりレインボーアイテムを商品化したりしながら、実際にはコミュニティを支持する企業努力を行なっていないことは、“レインボー・ウォッシング”といって問題になっている。なかでもとくに問題視されているのが、プライド月間のお祝いに参加しながら、裏では反LGBTQ+な政治家に多額の寄付を行なっている企業。
そんな企業を可視化させようと、Accountable for Equality (AFE)が「あなたの“RealAllies(本物のアライ)”が誰なのかを簡単に知ることができるツールを作りました。国内で最も過激な議員に資金提供した企業を知ることができます」とツイートして、「Real Allies Database」というサイトをオープンした。
* 反選択の権利=人工妊娠中絶をするかどうかを本人が選択する権利を否定している、暴動主義=サイトでは2021年1月6日に選挙結果を否定して米国会議事堂を襲った暴徒を支持する議員のことをこう呼んでいる
AFEは反LGBTQ+な活動について一般に啓蒙するために結成された団体で、「Real Allies Database」では、「反LGBTQ+/反選択の権利/反投票の権利/暴動主義*」という4つのカテゴリーで、2016年以降に“最も過激な思想を持つ米議員”に寄付を行なった企業を見える化している。
サイトの仕組みはいたって簡単。「悪いことをしているのは誰?」という文字の下に設置された検索窓に企業名を打ち込むと、その企業が、誰にいくら寄付したかが表示される。例えばCITIGROUPと打ち込むと、「CITIGROUPとその子会社は、反選択権、暴動主義、反LGBTQ、反投票権の法案の共同提案者とされる25人の州議会議員に33,050ドルを寄付しました」と表示され、額などの内訳も表示される。リストに名前がなければ「No Results Found in Database(データベースには該当する結果はありません)」と表示される。
反LGBTQ+な議員に寄付した企業のリストには記事執筆時点で3,042社が存在しており、AT&T、PFIZER、Coca-Cola、Nike、GMなど、日本でも馴染みのある企業名が並ぶ。ここで非常に残念なのは、その多くの企業で、プライド月間などのLGBTQ+支援を企画・実行する社員は当事者やアライとして真剣に活動を行なっていること。社員たちのアクションに反する寄付を会社側が決めてしまっていることは残念でならない。実際にAFEは、今回のデータベースは消費者だけでなく「従業員」のためにもあるとしている。(フロントロウ編集部)