気候変動が拡大すると、児童婚が増える
気候変動と聞いて何をイメージする? 溶けた氷河。そのうえに立つシロクマ。山火事から逃れたコアラ。干上がったダムや湖...。では、“結婚させられる12~13歳の女の子”はどうだろうか?
2015年に国際連合人口基金(UNFPA)が推定した、18歳以下で結婚する子どもの数は年間1350万人。1分間に約25人が児童婚を経験していることになる。国連の報告では、そのうち約82%が女児で約18%が男児。UNFPAによると児童婚の大半が、最も人口の多いアジア・太平洋地域で起こっているものの、東ヨーロッパと中央アジアでは10%の少女が、アラブ諸国では19%の少女が児童婚を経験しており、アメリカやイギリスなどの西洋諸国でも地域によっては児童婚が起こっているという。
そして今、気候変動が児童婚の数を増やしている。
①気候変動の拡大は、台風の大型化や干ばつの悪化といった自然環境の変化につながることが広く知られている。そういった異常気象のなかで、②作物の収穫量の減少、家屋の倒壊や水没、新たな疫病の発生といった被害が起こりやすくなる。そしてそれが、そういった地域で暮らす③家庭の経済的な打撃に繋がる。そうなると、④家庭で養う人数を減らすために幼い子どもを結婚させる家庭が増える。なかには、生活費を稼ぐために金銭と引き換えに娘を結婚させなくてはいけない家庭もあるという。
日本から出来るアクションとは
日本は残念ながら、温暖化の主要原因とされる二酸化炭素の排出量において世界ワーストの国のひとつ。2017年のデータでは総排出量は世界ワースト5位。世界ワースト1位は中国だが、国民1人あたりの年間の排出量で見ると日本は中国(6.7トン)を上回る8.9トンとなっている。つまり、近年の児童婚の増加の引き金は日本にもあり、私たち全員に責任があるのだ。
個人として出来る取り組みとしては、児童婚に対する知識を深めて、SNSや自分の生活範囲内で正しい情報を啓もうするのも良いが、やはり、児童婚に対するアクションを取っている団体への寄付はダイレクトな支援に繋がる。「女の子だから」起きている差別・偏見と闘っている国際NGO団体プラン・インターナショナルは良い寄付先だろう。プラン・インターナショナルの「女の子だから(Because I am a Girl)」というキャンペーン活動は、10月11日の国際ガールズ・デー制定へと繋がった。
さらに気候変動の減速に協力するためには、気候変動対策に力を入れるリーダーに投票して、地域・国のリーダーたちに気候変動対策を求めること。家庭でできる取り組みについては、JCCCAのガイドが分かりやすいので参考にするといいだろう。
(フロントロウ編集部)