エリザベス女王が“もう帰りたい”ときに取る行動
今年9月、世界中から惜しまれながら亡くなったイギリスのエリザベス女王が、ハンドバッグや指輪を使って側近に合図を送っていたという話を、先日、フロントロウでお伝えしたが、この2つのアイテム以外でも合図を送っていたことがわかった。
立場上、イベントや食事会などに出席する機会が多かったエリザベス女王には、出先で“もう帰りたい”あるいは“帰る準備ができている”ということを、周囲に知らせるための秘密のアピール方法があった。
そのアピール方法とは、口紅を塗ること。エリザベス女王にとって、“公の場で口紅を塗る”という行為は単なるお化粧直しではなく、別の意味があったという。
使用人として約8年間にわたってエリザベス女王に仕えていたイアン・スコット・ハンター氏がイギリスの長寿番組『Antiques Roadshow(原題)』で語った話によると、女王は言葉で伝える代わりに口紅を塗って自身の側近にメッセージを送っていたそうで、ハンター氏は「女性は人前で化粧をしないというエチケットがありますが、女王はバッグを横にして、鏡も何もないところで口紅を取り出して塗ることがありました。それは、側近に対する『もう帰ります』という合図でした」と語った。
事前に知らせておくことで、エリザベス女王が席を立ったときには、帰りの準備がすべて整っているという仕組みだったそう。
ちなみに、最初にちらっとハンドバッグの話が出たが、ハンドバッグを最初に持っていたのとは別の手に持ちかえたら対話相手との“会話を終わらせるつもりである”という合図、ハンドバッグをテーブルの上に置いたら“5分以内にディナー(夕食会)を終わらせたい”という合図、ハンドバッグを床に置いたら“今すぐに会話を終わらせたい”という合図だったと伝えられている。(フロントロウ編集部)