ダニエル・ラドクリフ、ロビー・コルトレーンと過ごした時間
2001年から2011年にかけて全8作品が公開され、当時も今も、そしてこれからも多くの人を魔法の世界に連れてゆくであろう映画『ハリー・ポッター』シリーズ。本作にはハリーやハーマイオニーといった子どもたちから、マクゴナガル先生やダンブルドア校長といった大人まで、すべての年代のキャラクターが登場したため、残念ながらすでに亡くなったキャストもいる。
初代ダンブルドア役のリチャード・ハリスは2002年に72歳で、セブルス・スネイプ役のアラン・リックマンは2016年に69歳で、そしてハグリッド役のロビー・コルトレーンは2022年に72歳で死去。リチャードはおじいちゃんという印象があったが、年齢で考えるとロビーも同じ72歳だったというのは、少し驚きの事実かもしれない。
そんなロビーが演じたハグリッドは、おっちょこちょいで可愛く、そして優しい半巨人。シリーズでも多くの温かな名シーンを生み出したが、ロビー自身も温かい人だったよう。主演映画『Weird: The Al Yankovic Story(原題)』のプレミアに参加したハリー役のダニエル・ラドクリフが、彼との思い出を振り返った。
「本当に、ロビーは信じられないくらい面白い人でした。幼い子どもがセットにいれば、退屈してしまうでしょう。なのでロビーは最初のうち、僕たちには少し楽しいことが必要だと気がついていたと思います。彼の言葉のアクセントや表現は驚くほどに面白かった。そしてただただ、彼は僕たちと一緒にいる時に本当に素敵な人でした」
1作目の『ハリー・ポッターと賢者の石』が公開された時、ダニエルは12歳。多くのキャストもその前後の年齢だったが、まだまだ落ち着かない子どもたちを楽しませるロビーの姿というのは想像がつく。イギリスが誇る名俳優たちに囲まれて育った子役たちの経験は、何にも代えがたいものだろう。そしてその絆は、子どもたちが成長していくなかでも変わらなかった。ダニエルはロビーが亡くなった時にも、こんな素敵な言葉を贈っている。
「ロビーは私が会った中で最も面白い人のひとりで、撮影現場で子どもだった私たちを常に笑わせてくれました。とくに良い思い出に残っているのが、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で、私たちがハグリッドの小屋で豪雨から何時間も隠れていたとき。彼は私たちにいろいろな話を聞かせてくれ、ジョークを言ったりして、士気を高めてくれました。彼は素晴らしい俳優であり、素敵な男性でした」
(フロントロウ編集部)