英国王室関係者から『ザ・クラウン』への反応は?
2022年9月8日に死去した英国王室のエリザベス女王の友人であり、1953年に行なわれた女王の戴冠式で付添人を務めたアン・グレンコナーが、BBC Radio 4の『Woman's Hour』で、英国王室を描くNetflixドラマ『ザ・クラウン』は「完全なるファンタジー」であり、「ロイヤルファミリーのメンバーに対してとてもアンフェア」だと批判した。
エリザベス女王を中心に英国王室の日々を描く『ザ・クラウン』は、本国イギリスではもとより、アメリカなど国外でも大ヒット。現在までに5シーズンが配信されていて、現在撮影中のシーズン6が最終章となる。史実を基にしたフィクション作品というのは、事実と想像のバランスを取るのが難しく、英国王室内のメンバーも見ている人と見ていない人、好意的に受け取っていない人がいることは、伝えられてきた。
そしてアンは、否定的に捉えているよう。とくに、ドラマをフィクションだと捉えていない視聴者の存在に苛立っているようで、「問題は人々が、とくにアメリカの人々がドラマを完全に信じているということです。すごく腹立たしい。『ザ・クラウン』はもう見ていません。私をとても怒らせるので」とコメントした。
また、アンはシーズン2で問題になった展開にも言及。シーズン2ではフィリップ王配の姉セシリアが飛行機事故で亡くなったことも描かれたが、作中では偶然が重なり、セシリアが飛行機でロンドンへ向かうことになったのはフィリップ王配にも責任があるとも取れるように描かれている。これには王配本人も怒っていたと伝えられているが、アンも「完全に虚偽」だとして、「人に対してあのようなことを言うのは、酷く傷つけることです。誰も、自分の人間関係をあんな風にくだらない話にされたくないでしょう」と批判した。
そのような理由から、現在はもうドラマを見ていないというアン。しかしマーガレット王女を演じたヘレナ・ボナム=カーターとは、直接会ってアドバイスをしたこともあったという。しかしその後、「がっかりです」と伝えたとのことで、ドラマへの思い入れは皆無のよう。アンの言葉を聞いたヘレナは、「分かります。でも私は女優で、自分のために書かれたことをやらなけれないけないんです」と答えたという。
(フロントロウ編集部)