『ターミネーター:ニュー・フェイト』の失敗について、ジェームズ・キャメロン監督が学んだことを振り返る。個人的には、じつは「満足している」そう!(フロントロウ編集部)

ジェームズ・キャメロンが『ニュー・フェイト』から学んだこと

 『ターミネーター』シリーズの6作目であり、生みの親であるジェームズ・キャメロン監督が製作に復帰して、『ターミネーター2』の正統な続編と位置付けられた2019年の映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』。期待は大きかったが興行収入はふるわず、コケたと言われる結果となっている。

 しかし、じつはキャメロン監督は個人的には本作を気に入っているよう。米Deadlineのインタビューで「映画には、じつはけっこう満足しているんです」と話す。しかし、失敗から学ぶという重要な振り返りは行なったよう。『ニュー・フェイト』においては、キャメロン監督はアーノルド・シュワルツェネッガーの、ティム・ミラー監督はリンダ・ハミルトンの復帰を望んだことが、失敗へと繋がったと分析した。

 「私が思うに何が起こったかというと、映画はリンダがいても、アーノルドがいても成功できる可能性がありましたが、リンダとアーノルドが2人とも出演するとなると…。彼女は60代で、彼は70代で、そうなると突然作品はあなたのための『ターミネーター』映画ではなくなってしまった。それはあなたの父親のための『ターミネーター』映画でもなく、お祖父ちゃんのための『ターミネーター』映画になった。
 そして私たちは、それを分かっていなかった。私たちはそれが好きだったし、それはかっこ良いと思った。1991年に公開された映画への直接的な続編を作っているのだと。しかし若い映画館好きな観客は生まれていなかった。その後10年間すらも生まれていなかったでしょう。つまり、私たちは近くしか見えていなかったということです。自分たちの提供するものにテンションが上がってしまった。それが、あの作品からの学びだったと思います」

画像: ジェームズ・キャメロンが『ニュー・フェイト』から学んだこと

 作品制作では、自分の意見、世代、観客が求めるものといった様々な要素を考えることが必要になってくるが、『ニュー・フェイト』ではそれが上手く出来ていなかった。自分がよく知っているシリーズだからこそ、観客を置いて行ってしまうという結果になってしまったのだろう。

 ミラー監督も過去にキャメロン監督と似た意見を話しており、「強いオタクの信念として、自分が見たい良い映画を作れば、それは上手くいくと思っていました。そしてそれは間違っていた。あれは、悪い意味でユリイカのような瞬間でしたね。映画は大コケしたので」話していたことがある

 ちなみに、キャメロン監督とミラー監督は、『ニュー・フェイト』の制作中に意見の違いから不仲になっていたことで有名だが、現在は良い関係に戻ったそうで、「映画の前には彼のことを好きで、制作中はそんなに好きではなくて、そして今は好きです。彼も同じように感じていると思いますよ」とのこと。

(フロントロウ編集部)

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