マネスキンがクィアベイティングだという批判に物申す
2021年にヨーロッパ最大級の音楽コンテストであるユーロヴィジョン・ソング・コンテストで優勝したことをきっかけに、世界的なブレイクを果たしたイタリア出身の4人組バンドのマネスキンが、メイクや服装のチョイスをめぐる批判について英The Guardianで語った。
メンバーのヴィクトリア・デ・アンジェリスとイーサン・トルキオはLGBTQ +コミュニティの一員だが、LGBTQ +の当事者ではないダミアーノ・デイヴィッドとトーマス・ラッジがメイクやジェンダーフルイドなファッションを採用していることや、ライブなどで男性メンバー同士がよくキスしていることに対して、一部で「クィアベイティング」だと指摘する声があがっている。
※セクシュアリティについて、ヴィクトリアはバイセクシャル、イーサンはセクシャルフリー、トーマスはヘテロセクシャルを自認しており、ダミアーノは「異性愛者だけど、好奇心や興味がある」と表している。
クィアベイティングとは、LGBTQ +の当事者ではないのに“性的指向の曖昧さ”をほのめかすことで、世間の注目を集める手法のことで、昔からエンターテインメントや音楽、ファッションといったポップカルチャーの分野で横行してきた。
ヴィクトリアはクィアベイティングだという批判について、「実際、それに該当するものもありますが、(非難の内容が)極端なこともあります。こういったステレオタイプと戦うべきクィアの人たちが、このようなレッテルを貼ってさらなるヘイト(憎悪)を生むのは愚かなことだと思います。(ダミアーノとトーマスが)ストレートだからといって、メイクをしてはいけない、ヒールをはいてはいけないということはありません」と反論。
ダミアーノもヴィクトリアの意見に同意し、「私とトーマスがすることはすべて、つねにクィアである2人(ヴィクトリアとイーサン)のフィルターにかけられています。もちろん、同じことを体験しているわけではありませんが、LGBTQ +コミュニティの人たちと非常に密接に関わりながら毎日を過ごしています」と付け加えた。(フロントロウ編集部)