イラン系アメリカ人女性を描いた映画『The Persian Version』のストーリーや音楽が、観客の心を掴んでいる。(フロントロウ編集部)

ドメディ映画『The Persian Version』

 サンダンス映画祭で観客賞を受賞した映画『The Persian Version(原題)』は、アメリカとイランの間で揺れる母と娘の物語。

 マリアム・ケシャヴァルズ監督自身の経験にインスピレーションを得ている作品の主人公は、イラン系アメリカ人のレイラ。イランとアメリカという2つの文化の中でバランスを見つけようともがく彼女は、母であるシーリーンとの関係にも悩み中。社会や家族に期待やステレオタイプを押しつけられるなかでも自分自身でいようとするレイラは、シーリーンが自分の苦しみを思っていた以上に理解していることに気がつく…。

 米Colliderのインタビューで、「映画では8人の兄弟がいます。実際には私の兄弟は7人です。なので完全にフィクションですね(笑)」とお茶目なジョークを話した監督だが、続けて「私の経験、2つの文化に属するという経験を反映した何かが欲しかったんです」と、本作を制作した思いについてコメント。

画像: ドメディ映画『The Persian Version』

 彼女が「ドメディ(ドラマとコメディ)を作りたかったんです。素晴らしい移民の物語を」と話したように、本作はシリアスさとユーモアをあわせ持つストーリー展開と雰囲気が評価されている。そして何よりも、本作は音楽が大きな要素。監督は2つの文化の中を行き来するなかで、音楽がいつでも人と人を繋いだと語った。

 「私はニューヨークで生まれ、イランにテープをこっそり持ち込むことが好きでした。昔はイランによく行っていましたし、イランに音楽を持ち込んでいました。マイケル・ジャクソン、プリンス、シンディ・ローパー。なぜなら当時は革命の後で、西洋の音楽は禁止されていて、いとこたちは音楽を求めていたので、私は下着の中にテープを隠して国境を越え、そして私が登場したらダンスが始まる。一方でアメリカでは、経済的には苦しかったですが、私たちのコミュニティ、ペルシャ人コミュニティはいつでも集まっていました。そして私たちはペルシャのポップミュージックをよく聞いていました。なので両方の国の音楽、とくにポップミュージックというのは、とても重要です」

 サンダンス映画祭で観客から支持された映画『The Persian Version』の日本公開は未定。

(フロントロウ編集部)

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