映画を映画館で観る理由とは? 『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のジェームズ・キャメロン監督の映画論が映画ファンのあいだで共感を集めるなか、『バビロン』のデイミアン・チャゼル監督もフロントロウ編集部との取材で持論を展開した。(フロントロウ編集部)

映画館に行くのは設備だけが理由ではない

 ストリーミング配信で映画が観られる現代において、映画館で映画を鑑賞する理由とは? スクリーンの大きさや音響の違いはありふれた理由だが、ジェームズ・キャメロン監督は先日、米NPRで「自宅でも、それなりに大きな薄型テレビときちんとした音響システムで部屋の反対側から適切な距離で座って『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を観れば、良い体験ができるはずです」と語ったあと、映画を映画館で観るべき本当の理由をこう述べた。

「映画館に行くということは、スクリーンの大きさや音響システムの完成度よりも、マルチタスクをしないという決断が重要なのです。私は、それが人々が見逃している重要な部分だと思います。全神経を集中させるという契約を芸術作品と結んでいるのです。家にいるときは、そうではない。家で映画を見るときは、映画館で見るときほどには泣かないものです。感情の深みが(映画館の時ほど)ないのです」

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 1月の第80回ゴールデン・グローブ賞のレッドカーペットでも米Varietyの記者を相手に、「家に座って映画を観るのはもう十分だ」と笑いながら、映画館での鑑賞への強い思いを見せていたキャメロン監督。この発言は瞬く間に映画ファンの間で議論となり、この発言を伝えたフロントロウ編集部のツイートも多くの映画好きが引用して盛り上がっていた。

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 そしてフロントロウ編集部では今回、映画『ラ・ラ・ランド』で最年少となる32歳でアカデミー賞監督賞を受賞したデイミアン・チャゼル監督に“映画館で映画を観る理由とは”という質問をぶつけてみた。

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