マーベル・スタジオやディズニーは、MCU映画『ブラックパンサー』で主演を務めたチャドウィック・ボーズマンの死をどう乗り越えた?マーベルのプロデューサーであるネイト・ムーア氏が、主演俳優の死という悲劇を乗り越え、一時は白紙になる可能性も浮上したという続編『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』が完成するまでの経緯を明らかにした。(フロントロウ編集部)

大腸がんにより43歳の若さで亡くなったチャドウィック・ボーズマン

 2020年8月にステージ4の結腸がんによって43歳の若さで亡くなった俳優のチャドウィック・ボーズマン。チャドウィックは2016年にステージ3の大腸がんと診断され、以来、化学療法などを受けながら仕事を行なっていたが、その事実は家族やごくわずかな関係者のみにしか知らされていなかったため、彼が亡くなったというニュースは世界中の多くの人々に衝撃を与えた。

画像: 大腸がんにより43歳の若さで亡くなったチャドウィック・ボーズマン

 チャドウィックが闘病していたことは、主演していたマーベル映画『ブラックパンサー』のキャストや制作陣にも伝えられておらず、シリーズのプロデューサーを務めたネイト・ムーア氏も、彼が亡くなったと聞いたときには、すぐには状況を理解できなかったと認めている。

 先日、米Deadlineとのインタビューに応じたネイト氏は、チャドウィックの訃報が伝えられたときのことを次のように振り返っている。「ルームランナーでランニングをしていた時に電話を受けたのですが、『ちょっと待った。何が起きたって?』という感じでした。電話をしながら、感情として経験するのではなく、ひとつの考えとして頭のなかで整理していました」

 最初は、『だから、あれや、あれや、あれが起こったのか』と、“今思えば”という記憶をさかのぼったというムーア氏だが、「友人」を亡くしたという事実に気付き、次第に感情が込み上げてきたという。「その後で感情が込み上げてきて、『これからどうすればいい?』と考えました。『そもそもこの作品を作るべきなのだろうか?』と。主演俳優を失ったというだけでなく、私にとっては2つの作品を一緒に作った友人を失ったということでもあったので、感情を入れることなく反応するにはどうすればいいのか、分かりませんでした」。

This article is a sponsored article by
''.