ヘンリー王子が『ザ・クラウン』を見ながらやっていること
2020年3月末をもってイギリス王室を離脱したヘンリー王子が、回顧録『Spare(原題)』のプロモーションのために出演した米トーク番組『The Late Show with Stephen Colbert(原題)』で、Netflixのドラマ『ザ・クラウン』を見ながら“あること”をやっていると認めた。
『ザ・クラウン』はエリザベス女王を中心に英王室の裏側やイギリス社会の移り変わりを描いた作品で、最新シーズンのシーズン5では、ヘンリー王子の両親であるダイアナ元妃とチャールズ皇太子(現チャールズ国王)の離婚と別居など、世間を騒がせた数々のスキャンダルを描いて物議を醸した。
ドラマを制作するNetflixは、視聴者の理解と判断に委ね、あえて「フィクション」だという注意書きを添えていないが、実際に起きた歴史的な出来事をベースに脚色したフィクションである同作について、英王室のメンバーや関係者の中にはあまり良い印象を抱いていない人物もいると言われている。実際、チャールズ国王は、『ザ・クラウン』での自身の描かれ方に少々不満があるようで、2021年にとあるイベントに出席した際に、「こんにちは、みなさんはじめまして。私はNetflixで描かれているような人物ではありません」と自己紹介したことを、スコットランド労働党のアナス・サルワル党首が明かしている。
一方、ヘンリー王子は、2021年に出演した米トーク番組『レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン』で、『ザ・クラウン』について、「フィクションだけど、事実に大まかに基づいています。厳密に正確というわけではありませんが。あのドラマは、家族よりも何よりも義務や奉仕を優先しなくてはならないというプレッシャーや、それによって訪れる結果とか、王室のライフスタイルがどういうものかという、ざっくりとしたアイディアを与えてくれます」と一定の理解を示していた。
『The Late Show with Stephen Colbert』で番組司会者のスティーヴン・コルベアから再び『ザ・クラウン』の話題を振られたヘンリー王子は、「(『ザ・クラウン』を)皆さん、お好きのようですね。じつは、私も『ザ・クラウン』を見ているんですよ。古いものから、最新のものまで」と言うと、“見ながらファクトチェックをしているか”という問いに「イエス」と回答。
ドラマを見ながら“あれは違う”“これは合っている”など、当事者ならではの楽しみ方をしていることを明かすと同時に、「(ドラマになることもあるから)歴史は正しく伝えることが大事です」と述べた。ただ、皮肉にも『Spare』には事実と異なる記述がいくつかあることから、この話を聞いた人たちからは「自分の本をファクトチェックしたほうがいい」といった厳しい声も多く寄せられている。(フロントロウ編集部)