『アルマゲドン』危険だったのは、むしろ地球
1998年に公開され、世界中で大ヒットを記録した映画『アルマゲドン』。地球に衝突する経路をたどる小惑星に飛び、穴を開け、内側で核爆弾を爆発させる任務についた石油採掘のプロたちの姿を描く本作では、ブルース・ウィリスやベン・アフレック、リヴ・タイラーなどが共演した。
地球の南シナ海にある石油採掘場から、アメリカのNASA、スペースシャトルから小惑星まで、多くの場所が舞台となる本作だが、とくにある場所のシーンは撮影が大変だったよう。本作のDVDメイキング解説でベンとブルースが同意見となったのは、採掘場のシーン!
本作はSFであり、動きづらい衣装が使用されたシーンや、激しい展開を見せるシーンが多いにもかかわらず、地球にある採掘場を舞台に、服装も動きやすいものだった時の撮影が最悪だったとは、意外。このシーンが流れるのは映画の序盤で、ブルース演じるハリーたちの雰囲気や関係性を観客に紹介する役割もある。そのなかで、ベンが演じるA.J.の行動によって採掘のバルブが崩壊。現場が混乱に陥る。そして、じつはあのシーンでは実際に液体を噴き出させ、現場をオイルまみれにしていたという!
ベンは、「あのシーンを撮影するのは悪夢だった。スタッフはあれらを本当に噴き出させて、すべての場所をオイルまみれにすることにしたんだよ」とコメント。そして、崩壊する映像では多くのパイプが空から降ってくるところも確認できるが、これによってスタントダブルが命を落とす危険すらあったという。
ブルースは、「俺のスタントダブルであるテリー・ジャクソンはこの映画で殺されかけたんだ。巨大なパイプに頭を打たれたんだ。彼の命を救うことになった、たった1つのことは、彼は固いヘルメットを身につけていたということだ」と明かしている。
採掘場など、そういった現場で人々がヘルメットを被るのは、まさにテリーの出来事から命を守るためなのだろうが、映画の撮影が意図せずその行動の意味と重要さを示す結果となったよう。
(フロントロウ編集部)