2009年『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』で妻と出会う
2012年まではアーロン・ジョンソンの名前で活動していたアーロン・テイラー=ジョンソンは、1990年生まれのイギリス人俳優。彼が世界的に有名になったきっかけは主演作の『キック・アス』だが、映画好きの間では2006年の『幻影師アイゼンハイム』や、2009年の『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』の頃から注目を集めていた。
そして、彼が若きジョン・レノンを演じた『ノーウェアボーイ』は、彼にとって人生を変える出演作となる。彼は本作で後の妻となる23歳年上のサム・テイラー=ウッド監督と出会った。当時アーロンは18歳から19歳くらいで、監督は41~42歳の頃だったが、サムによると「撮影が終わったらすぐに、彼は私に、私と結婚すると言いました。デートに行ったこともなければ、キスすらしたことはなかったのに」とのことで、アーロンの猛プッシュで交際に発展したよう。
2010年『キック・アス』、子どもが誕生し父親に
そんな彼が注目を集めたのが、大ヒット映画『キック・アス』の主人公デイヴ役。デイヴがヒーローに憧れるイケてないオタク少年だったことや、それまでの様々なイベントでの雰囲気もあり、色白な可愛い少年といった印象があったアーロン。
しかし2010年頃から、メキメキとセクシーな雰囲気が出てきた。映画本編と、『キック・アス』イベントでの彼の雰囲気が違いすぎて驚いたファンもいるはず。そして2010年には、サムとアーロンの間に第1子が誕生。彼は20歳で父親になった。
2012年『アンナ・カレーニナ』、結婚で名字を改名へ
着々と筋肉をつけていたアーロンは、2012年にキーラ・ナイトレイやジュード・ロウといったイギリス人俳優たちが共演し、アカデミー賞やBAFTAに多数ノミネートされた『アンナ・カレーニナ』に出演。
そしてこの年に、アーロンはテイラー=ウッド監督と結婚。夫妻は2人の元々の名字であるジョンソンとテイラー=ウッドを組み合わせたテイラー=ジョンソンに改名した。アーロンは、「初めて会った日から1年後、ぴったり1年後に、片膝をついて、彼女に結婚してくれるか聞きました」と明かし、名字を新しいものにしたことについては、「女性が男性の名前に変えなくてはいけない理由が分かりません。彼女が僕の一部になりたがったのと同じくらい、僕も彼女の一部になりたかった」という愛の溢れる思いを語っていた。また、2012年には2人目の子どもも誕生。
2013年 フィットネスコーチに出会い「筋肉」を手に入れる
すでに大人の色気は出てきていたアーロンだが、『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』の頃に、現在の彼のフィットネスコーチであるMPH Methodのマット・ヘッジズに出会う。マットは英Men’s Healthで、「私は“基礎的な強さ”を信じています。家を建てるようなものです。強い基礎は大きな枠組みを支えることができる」と語っており、身体を大きくするためには最低でも16週間のトレーニングが必要だという。
そしてアーロンが彼のもとで本気で身体づくりに励むとどうなるのか? 体はバキバキになり、2014年にはMCU入り。2023年にはカルバン・クライン(Calvin Klein)の広告塔に起用されることになる!
2023年に公開されたカルバン・クラインのキャンペーン映像。
とはいえ、『ブレット・トレイン』の撮影中にはケトダイエットによって常に低血糖状態だったため、手にケガを負った時に気を失い、一晩病院で過ごすという出来事にも見舞われていた。
2014年『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でMCU入り
人気俳優としてのオーラも身についてきたアーロンは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でついにMCU入り。クイックシルバーとして、2015年の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』にも出演した。
2016年『ノクターナル・アニマルズ』でゴールデン・グローブ賞受賞
2016年に注目を集めた作品のなかには、アーロンの演技が高く評価された『ノクターナル・アニマルズ』も含まれる。ファッションデザイナーとして有名なトム・フォードが監督・脚本を手掛けた2作目であり、エイミー・アダムスが主演を務めた本作。 アーロンは本作での演技で、第74回 ゴールデン・グローブ賞助演男優賞を受賞した。
2022年『ブレット・トレイン』で初来日
2020年にはクリストファー・ノーラン監督による『TENET テネット』、2021年には『キングスマン』シリーズの『キングスマン:ファースト・エージェント』と、注目作に出演を続けたアーロンは、2022年に伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』を原作としたブラッド・ピット主演映画『ブレット・トレイン』によって初来日を果たした。
来日中には、新幹線内でミルキーやパイの実、アンパンマンのお菓子などを楽しんだり、高野山東京別院のイベントでデヴィッド・リーチ監督が話している最中に、監督の話を聞かずにファンにピースサインを送りまくったりと、お茶目で可愛い一面を見せていた。
そして2022年には、アーロンとサムにとって結婚10周年。夏に多くの友人を招待し、10周年記念パーティーを開催したアーロンは、インスタグラムにサムとの写真を公開し、愛に溢れる思いを綴った。
「昨日はもっとも美しい1日だった。夏至で、僕たちの結婚10周年だ…。お互いへの誓いを新しくして、親しい友人や家族の前で僕たちの愛を告白した。愛と喜びの祝福だった!10年の結婚。神秘的で忘れられない日で、太陽は僕たち2人の上で輝くのを止めなかった…。僕たちは祝福されている。サミー、あなたは僕の愛する人で、僕の人生で、僕のソウルメイトで、僕の妻で、僕の世界!」
7代目ジェームズ・ボンドのウワサ、新たなマーベルキャラクターにも
アーロンは今後、ソニーによるソニーズ・スパイダーマン・ユニバースでクレイヴン・ザ・ハンターを演じることが決定している。彼はMCUでクイックシルバーを演じているが、マーベルキャラクターたちのユニバースであるソニーズ・スパイダーマン・ユニバースとMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)は今後合流する可能性があり、彼がクレイヴン・ザ・ハンターに抜擢されたことでファンはざわつき、今後の可能性についても様々な予想が立てられている。
さらに、現在次期7代目をめぐって予想が過熱しているイギリスの国民的キャラクターであるジェームズ・ボンド役として、彼は最有力候補の1人となっている。次のボンドは30代で178cm以上という条件のなかで探し求められていると言われており、彼はそれにフィットする。また、制作陣とミーティングがあったうえ、スクリーンテストまで実施されたと報じられているのだ。
一方でアーロンは、2023年2月に米Vanity Fairで、「ポジティブなことも言われているけど、本当にネガティブなことも出回っている。自分の場所にいて、地に足をつけ、自分が愛し、そして愛し返してくれる人たちと一緒に過ごし、世界の中で過ごしたい。人々が自分について言っている酷いことを信じ始めた時から、自分を見失い始めますから」と、ウワサとは距離を置きたいという姿勢を見せた。
何にせよ、彼の今後はかなり期待大!
(フロントロウ編集部)