日本国内の1,700店舗以上のスターバックスの中で、わずかしかない店舗「Greener Stores」を、フロントロウ編集部エディターが取材。日本でも今後増えていく予定の環境配慮型店舗で見つけた、注目の取り組みをご紹介。(フロントロウ編集部)

スターバックスの環境配慮型店舗「Greener Stores」って?

 人気コーヒーチェーンのスターバックス コーヒー(以下、スターバックス)が、世界各地にオープンしている、より環境に配慮した店舗「Greener Stores」をご存知?

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 Greener Storesとは、スターバックスが世界自然保護基金(WWF)と共同で策定した、より環境負荷の低い店舗のための国際認証「Greener Stores Framework(グリーナー ストア フレームワーク)」を取り入れた店舗のこと。北米ではすでに多くの店舗がGreener Storesとなっていて、2025年までに全世界で10,000店の展開を目指しているという。
※2030年までに二酸化炭素(CO2)、水使用量、廃棄物の50%削減を目指すスターバックスのグローバルコミットメントの実現に向けて、スターバックスが世界自然保護基金(WWF)と策定した国際認証。

 そんなGreener Storesは、じつはここ日本にも! 東京都にある「皇居外苑 和田倉噴水公園店」と千葉県にある「道の駅みのりの郷東金店」をはじめ、Greener Storesが少しずつ拡大している。今回は、Greener Storesの日本1号店として2021年12月にオープンした「スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店」にフロントロウ編集部のエディターが行ってみました。

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見慣れないデジタルフードメニューを発見

 スターバックスでコーヒーやフラペチーノのお供として食べたくなる、ケーキやスコーンなどのフードメニュー。このフードはガラスのケースに入っているのがおなじみだけれど、皇居外苑 和田倉噴水公園店ではケースはなし。その代わりとなるのが、デジタルフードメニュー。

画像: 見慣れないデジタルフードメニューを発見

 この取り組みはフードロスを減らすため。フードをケースに陳列しないことで、賞味期限切れによるフードロスを削減している。

店内でドリンクを飲む場合はゴミがほぼゼロ

 皇居外苑 和田倉噴水公園店が2021年12月のオープン時から徹底しているのが、ゴミの出ないドリンクの提供方法。店内利用の場合、紙やプラスチックのカップではなく、マグや樹脂製のグラスの繰り返し使える容器でドリンクを提供

画像1: 店内でドリンクを飲む場合はゴミがほぼゼロ

 実際にエディターも、樹脂製のグラスを選択して限定のフラペチーノを購入。フラペチーノは横から見たときのフォトジェニックさも魅力のひとつだが、樹脂製のグラスはこの魅力も損なわずに使い捨てをなくしてくれる。

画像2: 店内でドリンクを飲む場合はゴミがほぼゼロ

グラス提供は全国でもスタート!
じつは樹脂製のグラスは、今年の3月27日からついに全国約1,500店舗で導入がスタート。皇居外苑 和田倉噴水公園店ではオープン時から実施され、国内の106店舗では2022年4月から試験導入されていたこの取り組みが全国へ。今回の全国導入により、年間約100トンの廃棄物削減を見込んでいるとのこと。
※全国1,792店舗(2022年12月末時点)のうち、客席のない店舗や収納スペースの少ない店舗などグラス提供ができない店舗を除く

ドリンクを持ち帰りしてもゴミが出ない!

 スターバックスのドリンクでは、TO GO(持ち帰り)もおなじみ。そんな持ち帰りでもリユーススタイルで楽しめるのが、Greener Storesである皇居外苑 和田倉噴水公園店の魅力。

画像: ドリンクを持ち帰りしてもゴミが出ない!

 店舗で「借りるカップ」を利用すれば、洗わずに返却することだって可能。借りるカップは、東京都丸の内・渋谷・大崎エリアなどで実証実験を実施している容器のシェアリングサービス「Re & Go」というもので、対象店舗であればなんと同一店舗以外でも返せる。

画像: 左:リユーザブルカップ 右:借りるカップ

左:リユーザブルカップ 右:借りるカップ

 また捨てずに繰り返し使えるリユーザブルカップでの提供も。リユーザブルカップの場合カップ代として150円プラスとなるものの、環境への配慮のお礼としてドリンク価格が割引に。
※持ち帰り21円引き、店内利用の場合は22円引き

【動画】実際にオーダーしてみた

 実際に店舗で、樹脂製グラスを使ってフラペチーノをオーダー。どんな感じか動画でチェックしてみて。

手洗い用のステーションは水道につながっていない?

 皇居外苑 和田倉噴水公園店では、店舗に入ってすぐのところに手洗い用のクリーンステーションが。スペースがかなり大きくとられていることを除けば、普通の手洗い場という印象だけれど、じつはこの水栓は“水道につながっていない”。

画像1: 手洗い用のステーションは水道につながっていない?

 自律分散型水循環システムを開発する「WOTA」と協業で設置されたこのステーションには、排水の98%以上を再生処理する技術を搭載。つまり装置の中で水を繰り返し循環させているので、水が捨てられることがないという。優れた技術をもつ企業などと協力しながら、サステナブルな店舗を作り上げている。

画像2: 手洗い用のステーションは水道につながっていない?

 ちなみに店舗外の看板の横には、無料で水をくめる給水スポットを日本全国に広げる活動をしているRefill Japan(リフィルジャパン)の給水スポットも設置されている。

画像3: 手洗い用のステーションは水道につながっていない?

オシャレな店内アートにも秘密が…!

 「Greener Stores」の日本1号店である皇居外苑 和田倉噴水公園店は、店舗をオシャレに彩るアートにまで環境への配慮が盛りだくさん。

 たとえば店舗の奥にある巨大なアートは、廃棄される予定だった漁網を再利用してつくられたもの。すでに使用済みでほつれがある網や、新品でも使用されない歯切れをアップサイクルして生まれたアート作品となっている。

画像1: オシャレな店内アートにも秘密が…!

 また空間を仕切るように設置されているタペストリー風のアートは、店舗の期間限定プレオープン時にディスプレイされた壁面アートをリメイクし再生させたもの。しかもこの作品は元々、規格外となった処分予定のコットンキャンバスを縫い合わせた素材が使われている。アップサイクルにアップサイクルを繰り返しているような、一歩も二歩も進んだ取り組み。

画像2: オシャレな店内アートにも秘密が…!

環境への配慮は床や照明にまで

 皇居外苑 和田倉噴水公園店は、床や照明、さらにはテーブルやチェアまで余すところなく環境に配慮している店舗。

 クリーンステーションやレジなどがあるゾーンの床には、CO2を吸収することで固まる素材でつくられたタイルを使用。成分が貝殻や珊瑚と同じ炭酸カルシウムのため、使用後は自然に還すことができるという。さらにタイルに風合いを出すために、コーヒーの豆かすを練り込んでいるところも、コーヒーチェーンであるスターバックスならでは。

画像1: 環境への配慮は床や照明にまで

 店内の家具は国産木材を100%使用し、古くなったら入れ換えるのではなく修理しながら長く使い続けることを重視。

画像2: 環境への配慮は床や照明にまで

 また天井から下がる照明がリサイクルガラスを用いてつくられたものだったり、壁面を飾る大きな白い布にも、じつは規格外となった不要なコットンキャンバスが使われていたりと、オシャレな内装にも環境への配慮が隠れている。

画像3: 環境への配慮は床や照明にまで
画像4: 環境への配慮は床や照明にまで

環境に配慮した店舗づくりの工夫はまだまだ多数!
「Greener Stores」の日本1号店である皇居外苑 和田倉噴水公園店は、出店工事の際に出た廃棄物も無駄にせず有効活用。約85%を鉄や紙の原材料としてマテリアルリサイクル、残る約15%をバイオマス燃料などにサーマルリサイクルしたという徹底ぶり。見えないところにも、たくさんの工夫があった。

まとめ:ホッと一息つきながら地球の未来について考えられる場所だった

画像: まとめ:ホッと一息つきながら地球の未来について考えられる場所だった

 環境負荷の低い店舗のための国際認証を取り入れた「Greener Stores」の日本1号店「スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店」は、まったりとブレイクタイムを楽しみながら、地球環境の未来について考えられる場所だった。

 アップサイクルにより生まれたアートや日本の木材を使った家具に囲まれているからなのか、これまで行ったどのスターバックスよりも温もりのある空間であったことも印象的で、忙しい日々を忘れてしまいそうになったほど。

 「Greener Stores」での取り組みは、全国の店舗づくりに生かされている部分も多いと聞いて、スターバックスのこれからの未来も楽しみになった。

画像: 店内で見つけたメッセージ

店内で見つけたメッセージ

今回取材した店舗
「スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店」
住所:東京都 千代田区 皇居外苑3-1
営業時間:07:00~21:00

(フロントロウ編集部)

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