約3年ぶりとなるニュー・ホープ・クラブの来日公演が開催
リース・ビビィ、ブレイク・リチャードソン、ジョージ・スミスからなるイギリス出身の3人組バンドであるニュー・ホープ・クラブの来日公演が決定。貴重な一夜限りの公演が4月20日(木)に東京・恵比寿 ザ・ガーデンホールにて開催される。

ニュー・ホープ・クラブが日本で公演を行なうのは、2019年11月以来、およそ3年ぶり! 2020年にはセルフタイトルのデビューアルバムを引っ下げたジャパン・ツアーが予定されていたものの、パンデミックにより公演は中止に。来たる一夜限りのライブは文字通り、ファン待望の来日公演となっている。
パンデミックによってデビューアルバムをリリース後のツアーが中止になるという、新人アーティストにとっては一大事とも言える事態を経験した3人だったが、彼らは自分たちに降りかかった危機を見事に乗り越え、この3年で大きく成長した。そんな彼らが満を持して行なう今回の来日公演が“スペシャル”なものだと断言できる理由を解説。
日本はニュー・ホープ・クラブにとっても特別な場所
ニュー・ホープ・クラブの3人にとって、日本という国は“特別な思い入れ”のある場所となっている。バンドにとって、日本はデビューアルバムに収録されているシングル「Let Me Down Slow」のミュージックビデオを撮影した記念すべき国というだけでなく、同作をリリースする前に行なった2019年のワールドツアーの最終公演地でもある。
ブレイク・リチャードソンは2022年に行なった日本のレーベルとのオフィシャルインタビューで、2019年のツアーを東京公演で締めくくったことについて、「ワールド・ツアーのフィナーレとして言うことなしでした」と回想。
ジョージ・スミスも「日本のファンは最高ですよ。僕らは渋谷近辺に宿泊していて、街を歩き回って買い物をしたりして、楽しかったな。初めて見るようなものばかりで、本当にエキサイティングでした。僕もまた日本に行くのが待ち遠しいです」と語っていて、日本での経験は特別なものだったと振り返った。

実際、日本での経験は3人全員の心に特別な思い出として残っているようで、リース・ビビィは2018年にツイッターで行なったファンとのQ&Aセッションで、“これまでに訪れたなかでお気に入りの場所”を訊かれた際、「東京かニューヨークだね。どちらも最高の場所だよ」と回答。

ジョージも2021年に“日本のことは恋しく思っていますか?”とツイッターでファンに訊かれた際、「日本のことは本当に恋しいよ! 正直なところ、僕のお気に入りの場所の1つなんだ」とリプライを送って、日本はお気に入りの場所だと明かした。

ニュー・ホープ・クラブは今年のツアーを地元UKのロンドンでスタートさせてすぐに、2023年に海外で行なう1公演目として東京のステージに立つ。3人は特別な思い入れのあるここ日本という国のファンに、海外のファンとしては一番最初に、最新のモードを観せてくれるのだ。
ニュー・ホープ・クラブは「真のスタート」を切ったばかり
デビューアルバム『ニュー・ホープ・クラブ』が全英アルバムチャートの5位を獲得して、華々しいデビューを飾ったニュー・ホープ・クラブ。現在はセカンドアルバムのリリースが控えている彼らだが、近い将来にリリースされると見られる来たる新作こそ、まさに“自分たちらしい”作品になったと考えているという。
2015年に結成され、今年で結成から8年目を迎えたバンドについて、彼らはインタビューで次のように語っている。

「バンドがスタートしてからの最初の5年間は、僕らはまだ人間としても、アーティストも成長過程にありました。(セカンドアルバムが)ニュー・ホープ・クラブにとっての本当の意味でのスタートのように感じています」ー米The Triangleにて。
2017年にデビューしたニュー・ホープ・クラブ。自分たちも楽曲制作に携わった楽曲で、シングル単位で少しずつヒットを重ねていったことで自信を深めていった彼らは、来たる新作を自分たち主導で制作。「今の僕らは以前よりも遥かに居心地の良さを感じています」と米The Triangleに語ったバンドは、次のように続けた。

「僕らは子どもの頃から楽曲を書いてきました。大ヒットした楽曲のいくつかは自分たちで書いています。今回の新作では、あらゆる決断やあらゆる楽曲、あらゆるアートワークについて自分たちが決定権を握りました。それをお客さんたちが歌ってくれたときにこそ、僕らにとってより大きな意味を持つのです」ー米The Triangleにて。
2022年におよそ2年ぶりとなる2曲の新曲「Getting Better」と「Girl Who Does Both」をリリースして、シーンにカムバックしたニュー・ホープ・クラブ。リースがレーベルとのオフィシャルインタビューで前者について、「自分たちのルーツに立ち返ることができました」と語ったように、バンドはパンデミックを経て、自分たちが本当にやりたいと思ってきた音楽に挑戦するための準備を整えた。
「Getting Better」
どんどん良くなっていく
プレッシャーも感じていない
天気を替えていこう、太陽も輝きもないけど
前を向いて好きなことをやる
生きていることを実感しているんだ
ー「Getting Better」歌詞抜粋
「Girl Who Does Both」
外へ出かけるのが好きな女の子もいるし
家で過ごしたい女の子もいる
その両方を持ち合わせる女の子が欲しいんだ
ー「Girl Who Does Both」歌詞抜粋

「自分たちが広めたいメッセージの全てが凝縮されています。僕らにとって人生はどんどん良くなっているし、プレッシャーもなかったし、とにかく楽しんで、自分たちのルーツに立ち返ることができました。そして、そもそも僕らがなぜ音楽活動を始めたのかという動機を確認できたんです。『Getting Better』はそういう曲になっています」ーリースがレーベルのオフィシャル・インタビューにて。
ライブアクトとしても成長しているタイミング
そして、3人が真に自分たちのやりたい音楽を探究した末に生み出した楽曲たちが、ベストな状態で届けられる場所こそ、ライブ。全員が歌って、楽器も演奏できるという3人は、以前よりライブにも定評があったが、彼ら自身も、音楽的に目指すべき方向性を定められたことで、ライブアクトとしても今まで以上に成長していると自信を覗かせる。

「本来の自分たちらしさや、目指すべき音楽の方向性というものを見つけられた気がしています。今では(ライブでは)ドラマーもいるんです。おかげで、何かを付け加えたり、曲間で即興の演奏をしたりする上での自由度が増しました。以前にはできないことでしたし、ライブ的な要素がより強くなりましたね」ー米The Triangleにて。
パンデミック中には、カバー楽曲で注目を集めた結成初期の頃の原点に立ち返り、YouTubeにカバーパフォーマンス動画をアップしていたニュー・ホープ・クラブ。ツアーができないという状況下でも、器用に様々な楽曲をカバーして、パフォーマーとしての腕を磨き続けた。来日公演では、こうした他のアーティストのカバー曲も披露されるかにも注目。
ツアーメンバーにドラマーも加えて、よりライブ・パフォーマンスに幅広さを付け加えたニュー・ホープ・クラブ。「僕らは自分たちが書いた音楽をリリースして、お客さんの前で演奏したときには、自分たちが書いた歌詞を歌っていることを望んでいます」とブレイクは英1883 Magazineに語っているが、セカンドアルバムのリリースに向けて自分たちが主導で書いた音楽がレパートリーとして加わった今こそ、彼らを観るには絶好のタイミングと言える。

実際、同時リリースされた「Getting Better」と「Girl Who Does Both」を皮切りに、バンドがこの1年でリリースしてきたシングルはいずれも、ライブでシンガロングしたい楽曲揃い。
「L.U.S.H.」
華やかすぎるよ、君を心から愛してる
君の愛に引き裂かれそうだ
君が昨晩したこと
頭の中から離れないんだ
ー「L.U.S.H.」歌詞抜粋
「Call Me a Quitter」
もう少し上手に彼女を愛せるはず
そうじゃなきゃ、誰かに盗られてしまうから
誰にも「臆病者」なんて呼ばせない
もう少し上手に彼女を愛さないと
もう少しだけ上手に
ー「Call Me a Quitter」歌詞抜粋
「Don't Go Wasting Time」
父はいつもこう言った
彼はこう言ってくれたんだ
時間を無駄にするなと
時間が解決してくれるからと
彼はこう言ってくれたんだ
時間を無駄にするなと
誤ちを全部忘れるんだって
今日は昨日になっていくからって
ー「Don't Go Wasting Time」歌詞抜粋
バンドはまだセカンドアルバムの詳細について発表していないが、リリースを前に、新作からの未発表曲が今回の来日公演で初お披露目される可能性もある。「今の僕らは以前よりも遥かに居心地の良さを感じています」とバンドが自信を持って語り、ライブアクトとしても力をつけ、そのライブでこそファンに届けたいという楽曲が揃ったタイミングでの来日公演は、ニュー・ホープ・クラブのファンならずとも、洋楽ファンなら観ておきたいライブだと言える。
ニュー・ホープ・クラブ来日公演概要

日時・会場
2023年4月20日(木) 東京・恵比寿 ザ・ガーデンホール
開場18:00/開演19:00
日本公演公式ウェブサイト https://www.livenation.co.jp/artist-new-hope-club-1037123
チケット料金
スタンディング:9,000円(税込)
※要別途1ドリンク代
※未就学児(6歳未満)入場不可
企画・制作・招聘:Live Nation Japan合同会社
協力:Universal Music Japan
お問い合わせ:ライブネーション・ジャパン info@livenation.co.jp
チケット一般発売中。
Photo:ゲッティイメージズ,Instagram,Twitter
(フロントロウ編集部)