ハリウッドのセクハラ被害者は女性だけではない
映画『ミセス・ダウト』やドラマ『ボーイ・ミーツ・ワールド』などの出演作で知られるマシュー・ローレンスが、兄のジョーイ・ローレンスと弟のアンドリュー・ローレンスとともに出演したポッドキャスト『Brotherly Love Podcast (原題)』で過去のセクハラ被害について語った。
セクハラや性暴力の告発を促すMeToo運動の話題になった際、マシューは実経験をもとに、ハリウッドのセクハラ被害者は女性だけではないと強調。「信じられない話だけど、エージェントが僕をすごく有名なアカデミー賞受賞監督のホテルの部屋に送り込んだんだ。その監督は僕の前にバスローブ姿で現れて、ポラロイドを撮る必要があるから服を脱ぐようにと言った。もしあんなことやこんなことをしたら、次のマーベル映画に出演できるとね」と、某有名監督からセクハラを受けたこと明かした。
監督の名前は明らかにしなかったものの、要求に応えることなく部屋を出たマシューは、それを理由に所属事務所を解雇されたという。
「僕の意見だけど、映画業界ではセクハラ問題について声を上げる男性俳優ってあまりいないんだ」とマシュー。「とは言っても、(被害者の数は)女性の3分の1くらいだと思うけど、少なからず男性もセクハラを経験しているんじゃないかな」と私見を述べた。
ハリウッドの男性に対するセクハラ問題は、今年のアカデミー賞で主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザーの件が記憶に新しいが、マシューは、セクハラの対象が男性と女性とでは扱われ方が大きく違うダブルスタンダードが存在していると指摘する。
マシューは、2018年に俳優のテリー・クルーズがエージェンシーのWMAとその映画部門責任者のアダム・ヴェニットによるセクハラを告発した件を引用して、「テリーが、自身が受けたセクハラについて告白したとき、みんな笑ったんだ。彼を支持しなかった。それどころか彼を追いやったんだよ。なぜなら、彼は男らしい男の代表だったから。僕が思うに、世の中は男性に対するセクハラの話を聞く準備がまだできていないんだ」と訴えた。(フロントロウ編集部)