日本のダンスチャートで急上昇中! 2015年にリリースされたAvicii(アヴィーチー)の「Waiting For Love」ってどんな曲? 同曲の“泣ける”歌詞やミュージックビデオを紐解きながら、アヴィーチーが生み出してきた楽曲の魅力に改めて迫る。(フロントロウ編集部)

「Waiting For Love」が日本のチャートで急上昇

 Avicii(アヴィーチー)が2015年にリリースした楽曲「Waiting For Love」日本の音楽チャートで急上昇を見せている。この楽曲はアヴィーチーが同年にリリースしたセカンドアルバム『ストーリーズ』からのリードシングルとして発表された楽曲で、今回、TikTokでバズったことをきっかけに8年越しに日本のチャートで再上昇することとなった。

画像1: umj.lnk.to
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 きっかけとなったのは、2023年2月にTikTokerのキャメが「Waiting For Love」を日本語でカバーした動画。キャメはその数日後にその音源を早回ししたものを投稿したのだが、この早回しした音源をさらにクリエイターの「モテない後輩」が使用。「モテない後輩」が同曲を使用した音源で披露したカマキリのようなダンスが「カマキリダンス」として話題になり、一気にこの音源が広まることとなった。6月22日現在までにこの早回しされた音源を使ったTikTok動画は2万5,000本以上投稿されている。

 この影響で、オリジナルの「Waiting For Love」も改めて聴かれることとなり、日本のチャートを急上昇。6月22日時点で、Apple Musicのダンスチャートで1位、LINE MUSICのEDMとダンスチャートで1位を獲得している。

画像: 6月22日時点のApple Musicのダンスチャートと、LINE MUSICのEDMチャート。

6月22日時点のApple Musicのダンスチャートと、LINE MUSICのEDMチャート。

“泣ける”歌詞やビデオが話題に!「Waiting For Love」ってこんな曲

 一度聴けば心を掴まれてしまうエモーショナルなサウンドが魅力の「Waiting For Love」だが、それもそのはず、この楽曲はアヴィーチーと、世界的DJ/プロデューサーであるマーティン・ギャリックスという、まさにEDM界最強のタッグによって制作された1曲

画像1: ©️Cim Ek/Avicii Music AB
©️Cim Ek/Avicii Music AB

 そして、TikTokにおける今回のバズのきっかけとなったのが日本語でカバーした動画だったことからも分かるように、歌詞もこの楽曲が音楽ファンを魅了している大きな要素。この曲で歌われているのは、“愛への希望”で、「どんな夜にも幸福な時間は訪れる」「 ぼくらは止まらないよ 信じるものがあるから」などと歌われる。

月曜日はボロボロのまま捨てられた
火曜日は期待するのをやめた
水曜日は空っぽになった両腕を開いていた
木曜日は愛する人を待ち焦がれた 愛する人を待ち焦がれた
なんて運がいいんだろう 今日は金曜日だ
体じゅうが熱くなってる 土曜日に激しく燃え上がった炎のよう
たぶん日曜日は教会へ来ていないと思うよ
愛する人を待っているはずだから

「Waiting For Love」歌詞抜粋

 そんな歌詞の持つメッセージをダイレクトに感じられるのが、同曲のリリックビデオとミュージックビデオ。ここでは、既に楽曲を知っているというファンの方にも、ぜひ両方を改めてチェックすることをオススメしたいほど魅力的な、それぞれのビデオについて紹介。


「Waiting For Love」リリックビデオ

ハンカチ必須!愛犬と飼い主の深い絆に涙

 歌詞がメインであるこのリリックビデオだが、オリジナルのバージョンは記事執筆時点までに世界で2.5億回以上も再生されているという事実からも、この楽曲の歌詞がいかに人々を惹きつけているかが分かる。そして、歌詞と同じくらい観るものの心を動かすのが、アニメーションで描れる、飼い主と犬の絆を描いたストーリー。

 「もしこの世に愛があれば ぼくらを止めることはできない/そう ぼくらは打ちのめされたりしないんだ」という歌詞にリンクするように、一緒に過ごした思い出を振り返りながら、戦地へ赴いた愛する飼い主に会うために犬がひたすら駆けていく様子が描かれるこの映像には、涙せずにはいられないはず。


画像2: ©️Cim Ek/Avicii Music AB
©️Cim Ek/Avicii Music AB

「Waiting For Love」ミュージックビデオ

解釈はあなた次第!おじいさんの愛を描いたストーリー

 一転、ミュージックビデオの主人公は、ある日愛するおばあさんがいなくなってしまったことに気がついたおじいさん。ストーリーは、目を覚ましておばあさんがいないことに気がついたおじいさんが、おばあさんと再会するために旅に出ることを決意し、ひたすら電動カーを走らせて冒険するというもの。

 電動カーが故障したり、水辺を走ったりと、多くの困難を乗り越えながらひたすら道を走り続けたおじいさんは、最後に辿り着いた場所で大勢の人々からの歓迎を受けながら、おばあさんと再会を果たす。このミュージックビデオについては、“元々おばあさんは亡くなっており、最後に辿り着いた天国でおじいさんと再会した”という説や、“遠く離れたところへ行ってしまったおばあさんに再会したに過ぎない”という説など、様々な説が囁かれているが、解釈は自由。

 いずれにせよ、ひたむきに愛の持つ力を描いたこのミュージックビデオに心を動かされるのは間違いない。

改めて聴きたい!歌詞が魅力の楽曲3選

 今回、「Waiting For Love」の泣ける歌詞に改めてスポットライトが当たったアヴィーチーだが、彼はキャリアを通してずっと歌詞を大切にしてきた。アヴィーチーは過去にインタビューで、「素晴らしいダンスソングに必要なものはなんでしょう?」という質問に次のように答えている。

画像: 「Waiting For Love」がチャート急上昇中!Aviciiの“泣ける曲”の魅力に改めて迫る

「歌詞は大切ですね。僕は素晴らしいメロディーを聴いて育ちました。なので、楽曲に素晴らしいメロディーを載せるのは僕にとって常に重要なことですが、素晴らしいメロディーに素晴らしい歌詞が相応しくない理由などありません」ーDigital Spyにて

 2018年にこの世を去ってから5年が経ったアヴィーチーだが、その音楽と歌詞は今なお世界中の音楽ファンを魅了し続けている。ここでは、改めて歌詞に注目したいアヴィーチーの代表曲3曲をご紹介。

画像: ©️Sean Eriksson
©️Sean Eriksson

「Wake Me Up」

 アヴィーチーという名前を最も世に広めた楽曲と言っても過言ではない彼の代表曲「Wake Me Up」。2013年にリリースされた楽曲はリリース10年という記念すべきアニバーサリーを迎えた今年、全米で1,000万枚を超える売り上げを記録し、全米レコード協会(RIAA)から“ダイヤモンド・ディスク”に認定。さらに、ダンス/エレクトロニックの曲として全米レコード協会史上最高の売り上げにも認定された。

 スウェーデン出身アーティストの楽曲がダイヤモンド・ディスクに認定されるのはこれが史上初という快挙。アヴィーチーの曲がいかに今なお愛され続けているかを象徴する歴史的な出来事となった。シンガーを務めたアロー・ブラックはYouTubeチャンネル「Star Sessions」で、この曲の歌詞について「夢を生きることについての曲」だと説明している。

すべてが終わったら起こしてほしい
僕がもっと賢くなって年を重ねたら
今はずっと自分探しをしている
自分を見失っていたことに気がつかなかったんだ

「Wake Me Up」歌詞抜粋


「Hey Brother」

 「Wake Me Up」と同じくアヴィーチーのファーストアルバム『トゥルー』に収録されている「Hey Brother」も、聴くと特に感情が込み上げてくる楽曲の1つ。この楽曲で歌われるのは兄弟愛や家族愛で、記事執筆時点で2.5億回以上再生されているミュージックビデオでは、戦争で仲の良かった兄弟を失ってしまうというストーリーが描かれている。

たとえ家から離れていたとしても
ブラザー、君が呼ぶ声は聞こえるよ
たとえすべてを失ったとしても
シスター、君のことを助けるよ
たとえ空が落ちてきたとしても
君のためなら何だってするよ

「Hey Brother」歌詞抜粋


「The Nights」

 「Waiting For Love」と同じセカンドアルバム『ストーリーズ』に収録されている「The Nights」は、同曲と同じく日本のダンスチャートの上位にランクインしている楽曲で、6月22日時点のLINE MUSICのEDMチャートでは2位に、Apple Musicのダンスチャートでは3位にランクインしている。この楽曲で歌われているのも、普遍的な家族愛で、かつて父親から教わった忘れられない教えに思いを馳せるという内容になっている。

ある日 父さんが僕に言った
「息子よ 道を踏み外すな」
父さんは僕を腕に抱き 僕はその話を聞いていた
「お前が年をとった時に 若い頃に戻れたらって思う時がくる」
「もし不安になったら 父さんを思い出すんだよ」

「いつかお前もこの世を去るから 忘れられない人生にするんだよ」
僕が小さい頃 そう父さんが言ったんだ
そんな夜の思い出も 忘れる事はできない
父さんが教えてくれた

「The Nights」歌詞抜粋

 誰もが共感できる歌詞と、アヴィーチーの言葉を借りればその歌詞に相応しい、力強くも寄り添ってくれるようなメロディーで、タイムレスに聴く人たちの心を打ち続けてきたアヴィーチー。彼がこの世を去ってから5年の月日が経ったが、こうして改めて彼のレガシーに光が当たるのは必然と言えるだろう。この機会に改めて、彼が世界に届けてくれた楽曲に耳を傾けてみては。

<リリース情報>
Avicii
「Waiting For Love」
配信中
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画像2: umj.lnk.to
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Photo:ゲッティイメージズ,©️Cim Ek/Avicii Music AB,©️Sean Eriksson

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