ドラマ『AND JUST LIKE THAT… シーズン2 / セックス・アンド・ザ・シティ新章』がU-NEXTにて見放題で独占配信をスタート。フロントロウ編集部では、ドラマのコスチュームデザイナーであるモリー・ロジャーズとダニー・サンティアゴの取材に参加。オリジナル版『セックス・アンド・ザ・シティ』の衣装に関わった2人が本作のファッションの舞台裏を明かした。(フロントロウ編集部)

シーズンごとに新しいことをするチャレンジについて

モリー・ロジャーズ:私たちは、買い物をはじめたばかりでまだ俳優がいないという準備段階のときに、自分たちがスタイリングしたことのないもの、あるいはキャリーやサラ・ジェシカ(・パーカー)が見たことがないものを持ち込むことができるのだろうかという興奮をつねに持っています。未踏のものや新しい人を連れてくるのはいつも楽しいです。過去のシーズンを凌駕しなければならないというプレッシャーはないですね。私たちは脚本に従って作業をします。脚本家が舞踏会や高級レストランのシーンを書いたらワクワクします。自分たちが何を持ち込めるかについてつねにワクワクできるようにしています。自分たちの間で競争しているようなものですね。俳優が部屋に入ってきた時にワクワクしてほしいですし、たくさんの人が番組を見ているわけですから、何か提供する必要があると思っています。

ダニー・サンティアゴ:前回の撮影から現在までに、たくさんのコレクションが発表されました。エディトリアルもたくさん発表されました。だから、私たちもたくさんの新しいものに触れ、人々がどこへ行こうとしているのか、どんなものが新しくデザインされているのかを見てきた。新しいデザイナー、新しいアクセサリー、そして自分たちで買い物をしたり、ヴィンテージやそういったものを見たり。過去に入手したものが出てきたりする。そういうことは時々あるんです。撮影しているわけでもないのに、何かを見て、これは本当に特別な作品になりそうだと思ったら、もう断ることはできない。撮影が開始された時に持ち込めば、きっと素晴らしいものになるだろうと思うから。

画像1: フィッティングが8時間に及ぶ理由が『SATC』らしい!『AND JUST LIKE THAT… シーズン2 / セックス・アンド・ザ・シティ新章』衣装スタッフが舞台裏明かす

シーズン2でのワードローブの進化について

モリー・ロジャーズ:シーズン1では葬式がありました。メインキャラクターの全員に、感情的にたくさんの変化があったのです。そしてシーズン2では、成長することや、年齢であれ離婚であれ、人生の変化にどうアプローチするかということが描かれます。シーズン2のトーンは、とても希望に満ちていると思います。だから服装も、明るくてカラフルで、小さなアクセサリーをすべて吟味されており、それ(※シーズンのメッセージ)が反映されていると思います。

衣装のアーカイブとキャストが衣装を持ち帰るかについて

モリー・ロジャーズ:サラ・ジェシカが(オリジナルドラマからの)衣装を非常に良い状態でキープしていてくれたことは、この番組に多大な貢献をしています。(オリジナル版からの)全品はもっていないけど、メジャーなものはすべて彼女が保存してありました。素晴らしいことです。このような規模の作品では、誰かがやるべきことでした。ダニーと一緒にニューヨークで6ルックくらいを見せる小さなプレゼンを行なったときに、(オリジナル版の)オープニングで使われたチュチュを披露できたのは楽しかったですね。ガールズたち(※サラ・ジェシカ・パーカー、シンシア・ニクソン、クリスティン・デイヴィスの)は本人たちが希望すれば衣装を持って帰れるはずです。シンシアが先日、映画で観に着けたドレスを見つけたって教えてくれて、嬉しく思いました。衣装を保存するのは楽しいことだし良いことだと思っています。衣装の保存管理で秀でている人でいうと、ダフネ・ギネスですね。彼女はすべてのアレキサンダー・マックイーンのアイテムを持っていますよ。

画像2: フィッティングが8時間に及ぶ理由が『SATC』らしい!『AND JUST LIKE THAT… シーズン2 / セックス・アンド・ザ・シティ新章』衣装スタッフが舞台裏明かす

パトリシア・フィールド(※オリジナルドラマのコスチュームデザイナー)やサラ・ジェシカ・パーカーから学んだこと

モリー・ロジャーズ:私からはパット・フィールドの言葉を紹介します。私は何年も彼女と一緒に仕事をしてきましたが、彼女から教わったことは、ルールはないということです。レイバーデー(※)以降も白い靴を履きたい?どうぞ、楽しんで。パターンをミックスしたい?チュチュを着たい?いいじゃない。人生は一度切り、楽しんで。サラ・ジェシカから学んだ最も重要な教訓のひとつは…これはパットも口うるさく言っていましたが、成功したいならばディテールに気を配ること。だから、オリジナルのショーではフィッティングがとても長かったのです。すべての指輪、ブレスレット、ベルトを試したから、フィッティングが8時間に及ぶこともあった。ディテールの細かい部分を見ることは非常に重要なんです。

※9月の第1月曜日に祝われる労働者の日。ファッション界では、レイバーデー以降は白はご法度というルールが長年存在している。

ダニー・サンティアゴ:サラ・ジェシカとフィッティングなどの仕事をしていて素晴らしいのは、彼女はどんなものでも一度は試してみてくれることです。どんなものを持ってきても必ず試着してくれる。身に着けてみないとわからないものもありますし、異なるアクセサリーなどを合わせることで(服が)様変わりすることもある。私たち流のスタイルにすることができるのです。彼女はファッションに関する知識が深いですし、素晴らしいセンスを持っているので、アイデアが多く、一緒に働くときは素晴らしいコラボレーションとなります。

画像3: フィッティングが8時間に及ぶ理由が『SATC』らしい!『AND JUST LIKE THAT… シーズン2 / セックス・アンド・ザ・シティ新章』衣装スタッフが舞台裏明かす

50歳オーバーの女性たちのスタイリングについて

モリー・ロジャーズ:女性が女性をサポートすることは重要だと思っています。私自身この年齢になり、女性は年齢を重ねるにつれて、より強く、よりパワフルになり、より地球に根付いていくものだと思うようになりました。そしてドラマでは、“年齢を重ねるにつれて良くなっていく”というメッセージが反映されるべきだと思っています。何歳になっても自分の世界は無限であり、それに反する考えは払拭する必要がある。だって男性たちは、女性たちが経験するような厳しい批評や否定を受けないですからね。

シーズン2でのアイコニックなルックについて

ダニー・サンティアゴ:メットボールのシーンのルックを作り上げるのはとても楽しかったです。ヴァレンティノが私たちのために美しいドレスを用意してくれました。ヴァレンティノと共同で作り上げたのです。彼らはトレーンを長くしてくれ、ドレスを赤くしてくれて、美しいヘッドピースも用意してくれた。素晴らしいピースとなりました。あれを手に入れ、ルックに取り入れられたことは信じられないことでした。シャーロットの衣装は私たちが一から作ったものです。(製作総指揮の)マイケル・パトリック・キングが脚本を書いたときに思いつき、そのアイデアを私たちにたくしました。彼は彼女が騎手になるべきだと考えたのです。モリーと私は、その衣装で遊びました。古臭いトラディショナルなものにはしたくなかったので、ラテックスでカスタマイズしたコルセットを作り、ラテックスの手袋と、パテントレザー製の非常に高いプラットフォーム・シューズを履かせました。帽子はスティーブン・ジョーンズの美しいピースをヨーロッパから送ってもらいました。ちょっとモダンに、ちょっとセクシーにしたかったのです。結果的にとても素敵なルックが誕生しました。

画像4: フィッティングが8時間に及ぶ理由が『SATC』らしい!『AND JUST LIKE THAT… シーズン2 / セックス・アンド・ザ・シティ新章』衣装スタッフが舞台裏明かす

 ドラマ『AND JUST LIKE THAT… シーズン2 / セックス・アンド・ザ・シティ新章』はU-NEXTにて見放題で独占配信中。

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