映画『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督が、タイタニック号と潜水艇タイタンの事故の類似性について語った。(フロントロウ編集部)

ジェームズ・キャメロン監督がタイタニック潜水艇の事故にコメント

 1912年に起こった豪華客船タイタニック号の沈没事故をもとにした映画『タイタニック』でメガホンをとったジェームズ・キャメロン監督が、海底に沈むタイタニック号の探索ツアー中に消息を絶った潜水艇タイタンについて米ABC Newsに語った。

画像1: ジェームズ・キャメロン監督がタイタニック潜水艇の事故にコメント

 潜水タイタンをめぐっては、現地時間18日に行方不明になってから懸命な捜索活動が続けられているが、米沿岸警備隊が22日、無人探査機が海底でタイタンの破片を発見したと発表。壊滅的な内部破壊があった可能性が高いとして、運航会社のオーシャンゲートは潜水艇に乗っていた乗客乗員5人全員が死亡したとみられると声明を出した。

 キャメロン監督は、以前からダイビング業界は潜水艇の安全性に「深い懸念」を抱いていたとして、「何人ものトップレベルの深海潜水技術者たちが、潜水艇の運航会社に『乗客を乗せるには実験的すぎる。認証が必要だ』と手紙を書いていたほどです」と言うと、タイタニック号の事故との類似性を指摘した。

画像2: ジェームズ・キャメロン監督がタイタニック潜水艇の事故にコメント

 「タイタニック号の事故そのものに似ていることに衝撃を受けました。(タイタニック号の事故は)船長が船の前方に氷山があることを何度も警告されていたにもかかわらず、月の出ていない夜に全速力で氷原に突っ込み、その結果多くの人が亡くなりました。警告が聞き入れられなかったという点で、タイタニック号と非常によく似た悲劇です。潜水探索は世界中のいたるところで行われているにもかかわらず、(タイタニック号の悲劇があったのと)同じ場所で事故が起きるなんて、ただただ驚くばかりです。現実とは思えません」

 ちなみに、タイタンの乗客のひとりで、タイタニック号探査の専門家として知られるフランス人探検家のポール=アンリ・ナルジョレ氏は、キャメロン監督の友人でもあった。自身も過去に33回にわたって海底に潜り、タイタニック号の調査を行なったキャメロン監督は、「PH(ポール=アンリ)は私の友人でした。とても小さなコミュニティですから。彼とは25年来の付き合いですが、彼がこのようなかたちで悲劇的な死を遂げたことを受け入れるのは、私にとって不可能に近いことです」と悲しみをあらわにした。(フロントロウ編集部)

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