人道支援活動を熱心なことで知られるアンジェリーナ・ジョリーが、医療現場における人種間の不平等に声をあげた。(フロントロウ編集部)

アンジェリーナ・ジョリーが健康格差について論説を発表

 俳優や監督として活動するかたわら、長年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特使として難民の支援を行なってきたことで知られるアンジェリーナ・ジョリーが、American Journal of Nursin誌に健康格差に関する論説を寄稿した。

 この論説で、肌の色が濃くてもあざを検出することができる新しい技術について触れたアンジェリーナは、多くの医学研究、画像診断、医療系のトレーニングセンター(訓練所)がいかに白人の肌に焦点を当てているか、そしてその結果、医療関係者は「人種や民族によって怪我を見逃すことが多い」と指摘。実際、有色人種のDV被害者は肉眼で確認できる傷を負っていないことが多く、適切な手段でないとあざを発見するのが難しいため、DVの“決定的証拠”が見落とされるケースも少なくない。

画像: アンジェリーナ・ジョリーが健康格差について論説を発表

 また、3人の実子に加え、エチオピアとカンボジア、ベトナムから迎えた3人の養子がいるアンジェリーナは、「複数の人種の子どもを持つ母親として、有色人種の子どもたちが誤った診断を受け、(誤診によって)時には健康を害するのを目の当たりにしてきた」とも綴った。

 「エチオピア出身の私の娘ザハラが医療処置のために入院したとき、看護師は私に『切開部付近がピンク色になったら電話してください』と言いました。私は彼女(看護師)のことをぼんやりと見つめました。彼女は自分が言ったことの何が問題なのか理解していなかったように思います。そして、彼女が部屋を出たあと、私は娘と話をしました。私たちは、看護師が言ったことではなく、自分たちの知識に基づいて感染の兆候を探さなければならないことを知っていました」

 アンジェリーナは、質の高い医療を受けられる自身の家族でさえ、「人種と、医療における白人の優先順位の高さが原因で簡単な診断が見落とされている」として、「テクノロジーから、医学研究と医学訓練における多様性とレプリゼンテーションの改善まで、新しい解決策を取り入れる時期はとっくに過ぎています」と厳しい言葉で締めくくっている。

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