※この記事では映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の内容に触れます。
エンディングへのトム・クルーズのこだわり
7月21日に全国公開を迎えた映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』。『ミッション:インポッシブル』シリーズの7作目にして、シリーズ初の2部作となっている同作だが、『PART TWO』へと直接繋がるが故に、主演にして製作も担当しているトム・クルーズは同作を「どう終わらせるか」ずっと頭を悩ませていたという。
『PART ONE』はオリエント急行でのシーンでエンディングを迎えるが、先の展開が気になるような典型的なクリフハンガーを描くのではなく、一度バトルはそこで結末を迎える。ここには、トムの徹底したこだわりがあったと同作のクリストファー・マッカーリー監督はTotal Filmに明かす。
監督は「映画の終わりのシーンは、常にそこで終わらせるつもりだった場所でした。映画をどう終わらせるかが、私たちがずっと考えてきたことでした。製作している間、トムを夜通し悩ませてきたものでもあります」と、トムが同作の終わらせ方にずっと頭を悩ませていたとした上で、「彼はいつもこう言っていました。『クリフハンガーであってはいけない。満足させるものにしなければいけないんだ』と。オーディエンスをそこで一度満足させられるものでなければいけなかったのです」と、クリフハンガーにならないことに徹底してこだわったと明かした。
監督が『PART ONE』を観たオーディエンスに期待すること
『PART ONE』だけを観た観客にも、1つの作品として満足してもらえるようなエンディングにできるように何度も改善を重ねたといい、監督は次のように語った。「トムはあのシーンを何度も見返して、それが満足のいく結末になっているのか、それとも決まった答えがないエンディングのように感じるものになっているのか、ずっと不安を抱えていました。私たちは何度も立ち返って、何度もやり直しました」。
「クリフハンガーを残しておくと、戻ってきてくれるように私たちが期待しているように感じますよね」と監督は指摘している。
「そういう感情にはなってほしくなかったのです。私たちが求めていたのは、みなさんがそう感じてくれていると嬉しいのですが、むしろ戻って来てくれなくても良いということです。私たちとしては、『ああ、次に何が起きるのか楽しみだ!』と思ってもらえたら嬉しいですね」と続けて、クリフハンガーを残して次に起こることを予感させるのではなく、一度“完結”させることで観客を満足させながら、次に起こることを予測させないようにこだわったと明かした。