サマーソニックへの出演を熱望し、来日を逆オファーしたというザ・キッド・ラロイ。2年連続で日本において“最も聴かれた洋楽ソング”となったジャスティン・ビーバーとの「STAY」をリリースして以降のラロイの歩みに主なフォーカスを当てながら、彼のこれまでを5つのポイントで振り返る。(フロントロウ編集部)

【1】音楽が拠り所だった幼少期に若くして才能が開花

画像1: 【最新版】逆オファーで来日する「ザ・キッド・ラロイ」特集!日本で最も聴かれた洋楽アーティストの現在に迫る

「僕らには行く場所がなかった。母親の友人宅のソファで寝ていたよ。だからこそ、音楽は気持ちを落ち着かせるための手段だったんだ」ーSpotifyに語って

 今でこそ、世界で最も将来を期待されているアーティストの1人となったオーストラリア出身の現在19歳のザ・キッド・ラロイだが、必ずしも順風満帆な幼少期を送ってきたわけではなかった。音楽業界に従事していた両親のもとに生まれたラロイだが、まだ幼かった頃に両親が離婚。その後は母親と弟と共に何度も引っ越しを繰り返す生活を送り、一時期はホームレスも経験した。

画像: 【1】音楽が拠り所だった幼少期に若くして才能が開花

 父親のように慕っていた叔父が殺害されるという悲劇も経験したラロイは、音楽を拠り所に。2018年にリリースした1st EP『14 WITH A DREAM.』が、「Lucid Dreams」などのヒット曲で知られる今は亡き故ジュース・ワールドのマネージメントの目に留まり、ジュースのオーストラリア・ツアーの前座に抜擢。その後、弱冠15歳でメジャーレーベルのコロムビアと契約したラロイはLAに移住して、“師匠”となったジュースと共同生活を送りながらアーティストとしての腕を磨いていった。

2020年にリリースしたシングル「GO」には、ジュースから16歳の誕生日プレゼントとして贈られた彼のヴァースも収録されている。

多くの大物アーティストたちからも才能を買われてきたラロイ

 ラロイの才能に魅了された大物アーティストはジュースだけではない。17歳という若さで全米アルバムチャート1位を獲得し、2020年代における同チャートの最年少記録を樹立したデビューミックステープ『F*CK LOVE 3+ : OVER YOU(ファック・ラヴ 3 + オーヴァー・ユー)』では、マイリー・サイラスやマシン・ガン・ケリー、マシュメロらとコラボ。

 中でも、マイリーをフィーチャーした「WITHOUT YOU」は全米シングルチャートの8位を獲得し、ラロイにとって、リードアーティストとして初めて全米トップ10を獲得した楽曲となった。

【2】「STAY」が日本で最も聴かれた洋楽ソングに

画像2: 【最新版】逆オファーで来日する「ザ・キッド・ラロイ」特集!日本で最も聴かれた洋楽アーティストの現在に迫る

「めちゃくちゃクール。そうとしか言いようがない。現実とは思えないよ」ーVarietyにて、「Stay」のミュージックビデオの再生回数が5億回を超えたことについて

 オーストラリアからエンターテイメントの中心地LAへと移住し、着々とその名前を世界へと響かせていったラロイ。日本の国民的アニメ『クレヨンしんちゃん』とのコラボも実現するなど、その名前が日本でもお茶の間レベルでも浸透するきっかけになったと言えるのが、『F*CK LOVE 3+ : OVER YOU』に収録されたジャスティン・ビーバーとの「STAY」

君がここにいなかったら 僕はダメになってしまう
「絶対しない」と言ったのにやってしまう
無理だとわかっていながら「僕は変わる」と口にした
そうだ 君みたいな子にはもう出会えない
だからここにいてほしい ここにいてほしい
「STAY」歌詞抜粋

 同曲は2021年に日本国内で最もストリーミングされた洋楽ソングになると、2022年にはUSEN HIT 洋楽ランキングでも1位に輝くなど、事実上、2021年から2年連続で日本で最も聴かれた曲に。2023年には日本国内再生数が2億回を突破し、ダブル・プラチナ作品に認定されるなど、2020年代最大の洋楽ソングとなっている。

「Stay」で成し遂げた記録がすごい

もちろん、「Stay」がヒットしたのは日本だけでなく、世界各国でも数々の記録を樹立している。

画像3: 【最新版】逆オファーで来日する「ザ・キッド・ラロイ」特集!日本で最も聴かれた洋楽アーティストの現在に迫る

以下、「Stay」が成し遂げた記録の一例。

・全米シングルチャートで7週にわたって1位を獲得
・オーストラリア出身アーティストとしては40年ぶりとなる全米1位
・米BillboardのGlobal200チャートでは11週にわたって首位を獲得
・全豪シングルチャートで2021年最長となる14週連続1位
・MVがきっかけとなって生まれたTikTok動画「お尻ふりふりダンス」がTikTokにおける2021年のNo.1トレンドに

画像: 「Stay」の大ヒットも手伝い、第64回グラミー賞では主要部門の1つである最優秀新人賞にノミネートされた。

「Stay」の大ヒットも手伝い、第64回グラミー賞では主要部門の1つである最優秀新人賞にノミネートされた。

【3】2年以上にわたってデビューアルバムを作り込んでいる

画像4: 【最新版】逆オファーで来日する「ザ・キッド・ラロイ」特集!日本で最も聴かれた洋楽アーティストの現在に迫る

「ここ2年以上にわたって作り続けているんだ。2年間毎日ではないけれど、他のことをやりながら、その合間に作っている。最初に思いついた、このアルバムを通じた構想に繋がるちょっとしたアイディアなどを形にしているところなんだよ」ー米Billboardにて

 「STAY」をはじめ、すでに多くの楽曲をヒットさせてきただけに、意外に思えるかもしれないが、ラロイはまだデビューアルバムをリリースしていない。この数年の間に初めてのツアーも経験し、多忙なスケジュールを縫いながらデビューアルバムを2年以上かけて入念に制作している。リリース日は未発表だが、タイトルは『ザ・ファースト・タイム』になるとのこと。

 今年のサマーソニックに出演するラロイだが、サマーソニックでは、デビューアルバムからの楽曲をいくつか垣間見られることになるだろう。『ザ・ファースト・タイム』より、これまでにリリースされてきた楽曲はこちら。

「I Can’t Go Back To The Way It Was(Intro) 」

 “イントロ”という文字通り、アルバムの1曲目に収録されることが判明している曲。「もうあの頃には戻れない」というフレーズを繰り返し歌いながら、ラロイが自分の過去を振り返るエモーショナルな1曲。

懐かしいよ 一緒に過ごした最後のクリスマスが
そこには母さんと父さんがいた
僕は今も旅の途中 できるならあの頃に戻りたい
忘れた記憶を取り戻したいんだ
「I Can’t Go Back To The Way It Was(Intro) 」歌詞抜粋

「Love Again」

 大人気ゲーム『フォートナイト』とのコラボイベントでフィーチャーされたことでも話題になった、アコースティックなサウンドが魅力のこの曲は、恋人とくっついたり離れたりを繰り返してしまう心情を歌った1曲。

もう一度愛し合える? こんどこそ終わり?
ねえ、あと何回涙を流せば
「ちょっと話せる?」って僕を呼んで
愛を取り戻そうとしてくれるんだ?
「Love Again 」歌詞抜粋

「Kids Are Growing Up (Part1) 」

 「I Can’t Go Back To The Way It Was(Intro) 」と同様に、ラロイが幼少期を振り返った1曲。楽曲のほとんどをラップが占める、ラロイのラッパーとしての才能を改めて堪能できるこの曲で、ラロイは幼少期の頃に夢見ていたようにはいかない現状を嘆いている。

幼い頃に観たお気に入りのラッパーたちのインタビュー
彼らの言葉が信じられなかった 「思っているようなものじゃない」
でも今なら分かる 彼らは真実を言っていたって
あらゆる手段を使って 他の人たちのために自分を犠牲にしているんだ
「Kids Are Growing Up (Part1) 」歌詞抜粋

「I GUESS IT'S LOVE?」

 アートワークには、カタリナ・ディーム(※)の年老いたイメージを起用し、コミカルなミュージックビデオでも彼女と共演している「I GUESS IT'S LOVE?」は、「君以外は誰も必要ない」と思える相手に向けたラブソング。

※TikTokやインスタグラムをきっかけにブレイクしたインフルエンサー/モデルで、ラロイとは2020年から交際。公の場にも一緒に姿を見せるなどしてきたが、2023年8月に入ってからラロイが自身のインスタグラムから彼女との写真をすべて削除したことをきっかけに、破局したのではないかという噂が囁かれている。

僕が君を見ると 君が僕を見る
僕らはそれが何かを知っている 話す必要はない
これが愛なんじゃないかな
「I GUESS IT'S LOVE?」歌詞抜粋

「WHERE DOES YOUR SPIRIT GO?」

 師匠である故ジュース・ワールドと親友に捧げた1曲。親しい人を亡くした喪失感を吐露しながら、「あなたの魂はどこへ行ったの?」と問いかける。

今日は麻痺しているけど 明日には実感するだろう
耳にするたびに事実が辛いものになっていく
あなたがいなくなってしまったのは分かるけど教えてほしい
あなたの魂はどこへ行ったの?
「WHERE DOES YOUR SPIRIT GO?」歌詞抜粋

【4】先輩からも同世代からも愛される期待のNEXTアイコン

画像5: 【最新版】逆オファーで来日する「ザ・キッド・ラロイ」特集!日本で最も聴かれた洋楽アーティストの現在に迫る

「ジャスティンは僕がたくさん質問することを喜んでくれるんだ。僕が経験していることの、その10倍を経験している彼のような人がそばにいてくれることを本当に感謝しているよ」ー豪Vogueにて、ジャスティン・ビーバーとの友情について

 ラロイからの持ちかけで「STAY」での共演を決めたジャスティン・ビーバーだが、彼はすっかりラロイの才能に魅了されて、自身の楽曲「Unstable」でもコラボ。今では友人として交流しながら、ラロイを支えるメンターのような存在でもある。

 さらにはポスト・マローンとはお互いにタトゥーを入れ合うほどの仲であるように、多くの先輩アーティストたちから愛されているラロイだが、同じくLAを拠点としている同世代のセレブたちとも大の仲良し。

@thekidlaroi

Cowboy with clogs boiiiii! �

♬ original sound - The Kid LAROI.

ポスト・マローンから入れてもらったタトゥーをTikTokでお披露目したラロイ。

 特に、同じ2003年生まれのオリヴィア・ロドリゴとは親友同士で、同じく同世代の友人であるコナン・グレイと3人でカリフォルニアのディズニーランド・リゾートを訪れたことも。

画像: ©️Olivia Rodrigo/Instagram
©️Olivia Rodrigo/Instagram

レイチェル・ゼグラー主演作での映画デビューが決定している

 ラロイは俳優としてもデビューすることが決定していて、映画界においても期待の若手俳優となるポテンシャルを秘めている。しかも、俳優としてのデビュー作は、話題になること間違いなしと言える、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』などで知られるスタジオA24が製作する新作映画『Y2K(原題)』。

画像1: 【4】先輩からも同世代からも愛される期待のNEXTアイコン

 ラロイは“1999年の大晦日を舞台にしたディザスターコメディ”と謳われる同作で、映画『ウエスト・サイド・ストーリー』などで知られるレイチェル・ゼグラーや、『デッドプール2』のジュリアン・デニソンらと共演を果たす予定となっている。

最新のヘアスタイルはショートに

 オーストラリア版Vogueの表紙に起用されるなど、この世代のファッションアイコンでもあるラロイは、そのファッションやヘアスタイルもたびたび話題に。2022年のグラミー賞授賞式に出席した際には、髪をピンクにして注目を集めたラロイだが、2023年の最新ヘアスタイルはショート

 ここ数年はモップのように伸ばしたヘアスタイルをしていたラロイだが、ここにきて新たなヘアスタイルに。来たるデビューアルバム『ザ・ファースト・タイム』での新たなフェーズに向けた準備ではないかと注目を集めている。

画像2: 【4】先輩からも同世代からも愛される期待のNEXTアイコン
画像3: 【4】先輩からも同世代からも愛される期待のNEXTアイコン
画像4: 【4】先輩からも同世代からも愛される期待のNEXTアイコン

【5】サマソニへの来日を逆オファーするほどの日本好き

画像6: 【最新版】逆オファーで来日する「ザ・キッド・ラロイ」特集!日本で最も聴かれた洋楽アーティストの現在に迫る

「(最後の晩餐に食べるのは)お寿司だな」ーソニーミュージックに語って

 今年のサマーソニックで自身2度目となる日本でのパフォーマンスを行なうラロイだが、なんとサマーソニックへの出演はラロイからの逆オファーで実現したもの! サマーソニックを主催するクリエイティブマン・プロダクションの清水直樹社長がポッドキャスト『Festival Junkie Podcast』で明かしたところによれば、ラロイは自分の従来のギャラを値下げしてまで、出演を熱望したという。

画像: 【5】サマソニへの来日を逆オファーするほどの日本好き

「STAY」で『東京卍リベンジャーズ』とのコラボが実現

 アニメ『クレヨンしんちゃん』とコラボしたCMでも話題になった「STAY」だが、同曲は和久井健原作の大ヒット漫画『東京卍リベンジャーズ』とのコラボも実現。『東京卍リベンジャーズ』の原作シーンを「STAY」の歌詞世界とリンクさせた、スペシャルムービーが公開された。

 ソニーミュージックとのインタビューで好きなアニメに『DEATH NOTE』を挙げるなど、日本のカルチャーの大ファンであるラロイもこのコラボには大興奮で、完成したコラボ動画を観るや否や「信じられない!最高にかっこいい!!!」と大歓喜。自身のYouTubeチャンネルで公開することを熱望したという。

自身の作品にも日本からの影響を反映

ラロイが日本のカルチャーから受けた影響は彼の作品にも反映されている。例えば、ミックステープ『FUCK LOVE』のアートワークには、渋谷を彷彿とさせる風景がアニメ風に描かれている。

画像7: 【最新版】逆オファーで来日する「ザ・キッド・ラロイ」特集!日本で最も聴かれた洋楽アーティストの現在に迫る

他にも、ラロイは「PIKACHU」という楽曲をリリースしているほか、ファイヴィオ・フォーリンとコラボして「Paris to Tokyo」という曲もリリースしている。

日本は「地球で1番お気に入りの場所」

 サマーソニックへの出演を控えるなか、自身のファンアカウントがサマーソニックでのライブ情報を伝える投稿をツイッター(X)で行なうと、これにラロイ本人が返信! 「地球で1番お気に入りの場所!」というコメントと共に、日本の国旗を添えてリプライを送った。

画像: ©️The Kid Laroi/Twitter(X)
©️The Kid Laroi/Twitter(X)

 サマーソニックへの出演を逆オファーするほど熱望していたというラロイだが、日本でのパフォーマンスをいかに楽しみにしているかがこの投稿からも伝わってきた。

 サマーソニックでは、今年に入ってから立て続けにリリースしてきた『ザ・ファースト・タイム』からの先行配信楽曲らもきっと披露されるはずなので、盛り上がること間違いなしのパフォーマンスを堪能しながら、アルバムのリリースを心待ちにしていたい。


<リリース情報>
大ヒット曲「ステイ」を収録。米ビルボード・アルバムチャート1位!2020年代の最年少記録を更新!
『F*CK LOVE 3+ : OVER YOU | ファック・ラヴ 3+ (オーヴァー・ユー)』
購入・再生リンクはコチラ

画像: sonymusicjapan.lnk.to
sonymusicjapan.lnk.to

Photo:ゲッティイメージズ

This article is a sponsored article by
''.