『バービー』ピンクの世界に「本当に嬉しい」
ファンからの「かっこいい~」や「かわいい~」という声に迎えられて登場したグレタ・ガーウィグ監督。劇場入口でサインをするなどしてファンと交流した監督は、劇場のステージに上がると、会場を見渡して客席に広がるピンク色に嬉しそうな表情。「撮影中、ピンクで溢れた美しいセットに足を踏み入れると、キャストもスタッフもみんな笑顔でハッピーになっていました。映画が公開されてみなさんがピンクを身につけて本作を観に行ってハッピーになってくださって、本当に嬉しいです」と感激の様子で語った。
その後の質疑応答では、初来日ながらも「日本のシネマが大好き」と、以前から日本映画に触れていることを告白。だからこそ、「自分の作品をたずさえて日本に来られて光栄です」とコメント。
その後は、ケン役のライアン・ゴズリングが歌うロックオペラ調の曲「I'm Just Ken」に触れて「とにかく引き受けてくれるまで『やって!』と言い続けました」と撮影秘話を明かしたり、「自分がバービーランドに行けるとしたら、完璧な洋服を一瞬で着せてくれる魔法のクローゼットを試してみたい」と語ったり、楽しいトークを展開した。
そしてこの日のステージには、日本語吹き替え版バービー役の高畑充希も参加。ガーウィグ監督について「優しいまなざしで、人としても女性としても素敵な方」と話し魅了されていた高畑充希は、映画については、「みなさんが抱かれている印象と全く違った鑑賞後感になると思うので、みなさんが見た後どんな感想を抱かれるのか楽しみです」とコメント。一方のガーウィグ監督は、吹替版のパフォーマンスを見たことを明かし、「圧倒されました。とくにあなたに」と高畑充希の演技を賞賛。「ユーモアが的確にとらえられていた」と評した。
“これはガーウィグ監督にしかできない”と言わせる天才的な脚本と演出で、多面的なストーリーを劇場に届け続ける監督。映画の世界観を作り上げるためのキャストボンディング(※出演者の絆を深める活動)にも積極的で、『バービー』の時はキャストのお泊り会を企画。マーゴット・ロビーからは以前、「明るくてハッピーで協力的という私たちが思い描くバービーランドにぴったりな雰囲気を撮影現場にもたらす不思議な力がある」と評されていた。
この日は、自分の話す番ではない時には観客席のファンに小さく手を振るなど、日本のファンと初交流ができることに嬉しそうだった監督。一方で、拍手されると恥ずかしそうに笑顔をはにかんだり、ある時には“いえいえ”と謙遜するそぶりを見せたりして、自分のことには超低姿勢な姿に、好感度が爆上がりした観客は多かったのではないだろうか。
「この映画は、みんなで一緒に笑って、ダンスして、ちょっとホロリとなるような経験がしてもらいたくて作りました。私が思い描いていたのは、暗い劇場の中の最高に楽しいコミュニティ。そんな形でみなさんが観てくださることを願っています」とガーウィグ監督が語る映画『バービー』は8月11日(金)公開。