店先にプライドフラッグを掲げていたという理由で射殺された店主への追悼メッセージが続いている。(フロントロウ編集部)

66歳の女性店主を男が殺害

 カリフォルニア州のレイク・アローヘッドで、衣類店の店主が店先にプライドフラッグを掲げていたという理由で射殺された。ローリーの愛称で知られていたローラ・アン・カールトンさん(66)を撃った男は、駆け付けた警察官に射殺された。トラヴィス・イケグチというこの男は、以前からオンラインで同性愛嫌悪にあふれた書き込みをしていたと報じられている。

 カールトンさんが支援していた地元のLGBTQ+団体レイク・アローヘッドLGBTQがフェイスブックで明かしたところによると、カールトンさんは「LGBTQ+と自認していませんでしたが、地域に暮らす全員を助けて擁護することに時間を費やしていた」そうで、カールトンさんの娘は、「母は誇りを持って店先に掲げていたプライドフラッグをめぐって殺害されたのです。間違いなく、これは憎悪犯罪です。母が掲げた旗は以前も引きずり降ろされたことがありましたが、母はいつも、もっと大きな旗を掲げるという対応をしていました」とインスタグラムで明かした。

 9人の子どもと28年連れ添った夫を残して亡くなったカールトンさん。死後、カールトンさんの意思を受け継ぐために「ローリー・カールトン・メモリアル基金」が立ち上げられた。また、カールトンさんの娘はインスタグラムで「私たちの家族はボロボロです」と明かしたうえで、「私たちはこれからも愛と平等と受容を訴えていきます。愛は憎しみに勝ちます」と語った。

「悲劇的な死を無駄にしないように」

 そして、著名人からも追悼コメントが届いている。トランスジェンダーの娘を持つ、オスカー俳優のジェイミー・リー・カーティスは、インスタグラムで「この事件によって深い悲しみを感じています」とコメント。そして、「あなたのアライシップ(※)に感謝します。あなたの愛に感謝します。私は絶対にあなたを忘れません」とカールトンさんを追悼した。同時に、「これが私たちの国の現在。目をそらしてはいけません」と、社会の現実を認識するようフォロワーたちに呼びかけた。

 また、映画『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』や2016年版『ゴーストバスターズ』の監督として知られるポール・フェイグはカールトンさんとプライベートで交流があったそうで、カールトンさんとのツーショットをインスタグラムに公開。「彼女を殺したとされる犯人は、その後サンバーナーディーノ警察に射殺され、もはやコミュニティにとっての脅威ではなくなりました。しかし、この不寛容は終わらせなければなりません。LGBTQ+コミュニティに対して憎悪に満ちた言葉を使う人は、自分たちの言葉には意味があること、自分たちの言葉が罪のない愛すべき人々に対する暴力を触発する可能性があることを理解しなければなりません。寛容と愛を持って前進していきましょう。ローリーの悲劇的な死を無駄にしないように」と綴った。

※アライシップ:マイノリティや社会的に疎外されたグループに属さなくとも、その人々の権利を積極的に支持すること

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