知っておきたい注目の回収リサイクルプログラム
どれだけ物を大切に使っていても、生活していれば不要になるタイミングはあるもの。手放すときにできるだけ環境への負荷を減らしたいなら、利用したいのが企業やブランドが実施する回収リサイクルプログラム。
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フロントロウではこれまで、キッチンやバスルームで出る使用済の容器や製品の回収リサイクルプログラムをはじめ、さまざまなアイテムの回収を紹介してきたけれど、回収してもらえるアイテムはまだまだいっぱい!
知っておきたい注目の回収リサイクルプログラムをご紹介。
JINS:アイウエアの回収リサイクル
不要になったメガネやサングラスがあるとき、回収してくれるのが全国に473店舗※を展開するアイウエアブランドのJINS。JINSは、株式会社JEPLANが運営するプラスチックのリサイクル「BRING PLA-PLUS(ブリング プラプラ)」を通じて不要になったメガネやサングラスを回収。
※2023年8月末時点
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「BRING PLA-PLUS」の回収ボックスは、日本国内のJINSおよびrim of jinsに設置※されていて、回収対象となるのはセルフレーム/メタルフレーム、メガネレンズ/サングラスなど、フレーム素材の種類、レンズの種類は問わず、アイウエア製品全て。しかもJINS以外のアイウエアも回収してもらえる。
※店舗スタッフに声がけの上、不要になったメガネ、サングラスを入れてください(店舗によりボックスの設置場所は異なります)
回収されたアイウエアは、粉砕された後にBRING PLA-PLUSプロジェクト提携先工場へ。ガス、コークスなどのエネルギーや新しい資源へとリサイクル※され、日本発の高度な技術で、フレームもレンズもなんと100%リサイクルされるそう。
※一部は新技術の実験に利用されます
ニトリ:カーテンの回収リサイクル
引っ越しや模様替えといったタイミングで処分方法に迷うことがあるカーテン。カーテンは処分の際「まだ使えそうなので捨てづらい」「捨てることに罪悪感がある」という声が多い一方で、個人ではリユース・リサイクルが難しく、大半がごみになってしまう実態がある。
そんなカーテンを店舗でいつでも回収してくれるのが、全国のニトリ、ニトリEXPRESS、島忠、島忠ホームズ、ニトリホームズ。ドレープカーテン、レースカーテンのどちらでも回収してもらえて、販売元や状態にかかわらず持ち込みが可能※。
※ニトリメンバーズ会員加入のユーザーが対象となります
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持ち込まれたカーテンは、製品や生地としてリユースされるほか、自動車の断熱材等としてリサイクルされる。ちなみにニトリグループは2023年6月に回収の常時受付がスタートする前から期間限定でこの取り組みを何度か行なっており、持ち込まれた重量は約510トンに及び、ほぼ全量がリユース・リサイクルされたそう。
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※左:リユースの様子(東南アジアのリサイクルショップの様子)
※右:リサイクルの様子(⾃動⾞の断熱材⽤の資材として「反⽑(繊維製品を、針状の専⽤機具で織りを崩し⽑⽻⽴たせ、綿状にしたもの)」から「フェルト」化した様子)
パイロット:使用済みペンの回収リサイクル
使い終わった筆記用具を回収してもらえるのが、パイロットがテラサイクル社と協業で実施している「使用済みペンリサイクルプログラム」。月間なんと200㎏を超える量を回収しているという。
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パイロットの「使用済みペンリサイクルプログラム」の回収対象は、ボールペンとその替芯をはじめ、シャープペンシルと替芯のケース、マーカー、サインペン、修正テープ、筆記用具のプラスチック包装材など。ブランドやメーカーを問わず持ち込むことができ、現在全国の文具店・自治体・学校などで約400台の回収BOXが設置されている。
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「使用済みペンリサイクルプログラム」では、取り組みを通じて回収樹脂からリサイクル可能な材料を抽出し、筆記具本体の一部に再利用して商品化することに成功。2023年9月にはプログラム実施店舗において、リサイクル由来で作った部材を使っての3色ボールペンの限定販売もスタートした。
バンダイナムコグループ:「ガンプラ」のランナーの回収リサイクル
ガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」のランナー(プラモデルの枠の部分)を回収する「ガンプラリサイクルプロジェクト」にも大注目。この取り組みは、バンダイナムコホールディングス、BANDAI SPIRITS、バンダイナムコアミューズメント、バンダイロジパルのバンダイナムコグループ4社が2021年4月から共同で行なっている
「ガンプラリサイクルプロジェクト」では、全国の「namco」をはじめとするバンダイナムコアミューズメントの対象店舗約200カ所に専用のボックスを設置し、使用済みのランナーを回収。回収されたランナーは、プラモデルの生産工程で排出されるプラスチックと合わせて、一部をケミカルリサイクルの実現に向けた実証実験用の材料として、残りをマテリアルリサイクルとサーマルリサイクルにより再活用。
またアミューズメント用の景品を店舗へ運んだトラックがその帰り便でランナーを持ち帰ることで、運搬の際の環境負荷低減にも取り組んでいる。
ガンダムを通じてリサイクルへの関心を高めるイベント「ガンダムR(リサイクル)作戦」では、回収したランナーをリサイクルして生産した「エコプラ」の体験キットや特別冊子、限定ステッカーを無料配布。ガンダムR作戦などによって回収した使用済ランナー(プラモデルの枠の部分)を活用して制作されたインスタレーション作品も、毎年話題を呼んでいる。
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使用済みランナーで作成した1/1ガンダムヘッド
「ガンダムR作戦2021」
©創通・サンライズ
さまざまなブランドや企業が実施する回収リサイクルプログラム。まだまだたくさんの企業が回収を行なっているので、ものが不要になったときには、捨てる前にまず回収してもらえるかチェックしてみて。