ドージャ・キャットがキュートなキャラクターからクールなキャラクターへと変貌しつつあり、現在進行形で<キャラ変期>に突入している。昨年の夏頃から新たなルックをお披露目してファンを騒然とさせているドージャだが、彼女がその自由奔放な言動でショービズ界をザワつかせたのは今回が初めてではない。新作『スカーレット』 のリリースが目前に迫るなか、ドージャがショービズ界をザワつかせた10の瞬間を振り返りながら、キャラクターの変遷をおさらいしよう。(フロントロウ編集部)

『ホット・ピンク』期〜『プラネット・ハー』期

1. 全米制覇で「おっぱい見せる」約束を破る

画像: 2019年11月に「Say So」のオリジナルバージョンも収録したセカンドアルバム『ホット・ピンク』のリリースパーティーを開催したドージャ。

2019年11月に「Say So」のオリジナルバージョンも収録したセカンドアルバム『ホット・ピンク』のリリースパーティーを開催したドージャ。

 2018年に牛の鳴き声をタイトルにつけた「Mooo!」をリリースしてバズったことで、じわじわと人気を高めていったドージャ。そんな彼女の飾らないキャラクターとユーモアが世間に広く知れわたることになったきっかけは、2020年にニッキー・ミナージュをフィーチャーしたシングル「Say So」が、彼女に初めての全米シングルチャート1位の座をもたらしたとき。

 ドージャはこの曲をリリースするにあたって、「もし『セイ・ソー』が1位になったらみんなに私のおっぱい見せてあげる」とX(旧ツイッター)で約束。数十万のいいねがつくほどこの投稿は話題になった。

 しかしながら、見事に全米1位を獲得したものの、ドージャはこのとき「正直に言うけど、私はみんなをからかっただけ。おっぱいは見せないよ」と、あっけらかんとコメント。ジョークだと明かして、ファンをからかってみせた。

画像1: 【キャラ変期に突入中】“お騒がせ女王”ドージャ・キャットがショービズ界をザワつかせた『10の瞬間』

「『おっぱいを見せる』って言ったところで、見せるつもりなんてないから。それは知っておいて。これからはそう思っててくれて構わない。例え私がそういう仕掛けを使おうとしても、実現しないから。みんな知っておいてね、私は本気じゃない。ウソだから」ーインスタグラムのライブ配信にて。

2. 晴れ舞台で“貞子風”メタル・パフォーマンス

 ドージャ・キャットというアーティストは一筋縄ではいかない。“こういうふうに来るだろう”と予測しても、絶対にその斜め上からやって来るのがドージャで、2020年に開催されたMTVヨーロッパ・ミュージック・アワードで披露した「Say So」のパフォーマンスは、一部の人たちからは“あまのじゃく”のように思われてしまうかもしれない、ドージャのそんな側面を象徴していた。

 「Say So」が大ヒットしたことで、様々な場面で披露する機会があったことも影響してか、最優秀新人賞を受賞したこのアワードでは、なんとオリジナルのきらふわなピンク系の雰囲気は封印。メタルバンドを引き連れ、2002年公開のホラー映画『ザ・リング』に登場する“貞子”を彷彿とさせるようなパフォーマンスを披露。

 もちろん、ドージャが幅広いジャンルを歌いこなせる“超実力派パフォーマー”だからこそなせる芸当ではあるが、まさかすぎる布陣で披露されたこのステージは視聴者を騒然とさせた。

3. アワードがドージャの<1人仮装大賞>と化す

 ドージャが歩けばそこはランウェイになる。ドージャの着こなしはいつだってユニークで、アワードに出席すれば、そのファッションも見出しになる。とりわけ、特に強烈なインパクトを残したのが、2021年にMTVビデオ・ミュージック・アワードで司会を務めたときのファッション。

 このときは、司会で何度もマイクを握る場面があったこともあり、なんと5度にわたって衣装チェンジ。衣装ごとに髪色やヘアスタイルまで変えながら、ボディスーツに顔だけ出したインパクト大の“着ぐるみドレス”、“椅子の帽子”、“恐竜の脚風ブーツ”まで、代わる代わる衣装を変えて、まるで“1人仮装大賞”のようにオーディエンスを楽しませた。

画像: 3. アワードがドージャの<1人仮装大賞>と化す
画像2: 【キャラ変期に突入中】“お騒がせ女王”ドージャ・キャットがショービズ界をザワつかせた『10の瞬間』

「ファッションについては、クローゼットへ行って、最もランダムで、他のものとは最も合わないようなもの同士を組み合わせるのが好き。マッシュポテトみたいにね」ー米Harper's Bazaarに語って

4. グラミー賞で「人生最速のおしっこ」を済ませる

 ドージャのトークにNG項目はない。それはオンラインへの投稿であっても、オフラインの場、それも音楽界で最も名誉あるグラミー賞授賞式での受賞スピーチであっても変わらない。

ドージャはシザとの「Kiss Me More」で全米チャートに累計32週に渡りランクイン入りを果たしたほか、Spotifyでは累計再生回数12億回を突破し、女性コラボレーション楽曲としては史上最多再生回数を記録するなど、数々の記録を打ち立てた。

 ドージャは第64回グラミー賞で、サードアルバム『プラネット・ハー』に収録されたシザとの「Kiss Me More」がBTSらをしのいで最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞を受賞したのだが、なんとトイレに行っていたために発表に間に合わず、先にステージに1人で上がらざるを得なかったシザから「5分もトイレに行ってるなんて、本気? 早く上がってきて」と急かされる事態に。

画像: 4. グラミー賞で「人生最速のおしっこ」を済ませる

 自分がノミネートされている部門の発表時にトイレに行っていたという事実だけでも笑えるハプニングだったが、ドージャは「ねえ、聞いて。人生で、こんなに急いでおしっこしたことない。みんなありがとう」と、人生最速で用を足したことをオーディエンスにぶっちゃけて、会場の爆笑を誘った。

<ドージャのキャラ変をプレイリストで!>

ドージャのピンク期=ポップ期の楽曲を中心にまとめたプレイリストはこちら。


ニューアルバム『スカーレット』期へ突入中

5. 生配信中に眉毛を全剃り

 『ホット・ピンク』期から続いた『プラネット・ハー』期でも、ミュージックビデオではピンクのイメージを採用するなど、ピンク路線を継続していたドージャだったが、2022年8月頃をきっかけにその路線からの変更が開始された。

 ドージャは2022年夏にバズカットにして頭部をスッキリさせていたのだが、同年8月に行なったライブ配信中に、なんと眉毛まで全剃りに。ドージャによれば、彼女はそれまで自分の髪の毛に一度も満足したことがなかったのが理由だという。

画像: 5. 生配信中に眉毛を全剃り
画像3: 【キャラ変期に突入中】“お騒がせ女王”ドージャ・キャットがショービズ界をザワつかせた『10の瞬間』

「眉毛を剃って髪の毛も剃ったときに、『これを私から外して』って思っていたのを覚えてる。何かを変えたいって思っていたの。当時はワークアウトをしていなかったし、自分自身のことをやりたいようには気にかけることができていなかったから、『何かしないと』って思っていたんだ。それで、すべて剃ることにしたっていう。自分の頭の形を見ることができたし、顔全体も見ることができたよ」ーVarietyに語って

6. 赤のクリスタルを3万個つけて全身真っ赤に

 これまで何度もそのファッションが話題になってきたドージャだったが、路線変更後に話題ぶりが加速。なかでも注目を集めたのが、2023年1月にパリで開催されたスキャパレリ(Schiaparelli)のオートクチュールコレクションに参加したときの、集合体恐怖症の人は閲覧注意なこちらの“全身真っ赤”ルック

画像: 6. 赤のクリスタルを3万個つけて全身真っ赤に

 これは、顔から腕にかけて3万個もの真っ赤なスワロフスキーのクリスタルによって完成したもので、メイクには5時間弱が費やされた渾身のルックがお披露目された。

7. 「まつげは?」に“つけまバッサバサ”ルックで反論

 2023年1月にパリのオートクチュールコレクションで話題をさらったドージャのルックはこれだけではなく、その2日後には、ヴィクター&ロルフ(Viktor&Rolf)のショーに、眉毛とヒゲの部分につけまつげを付けたルックで登場して話題に。

画像1: 7. 「まつげは?」に“つけまバッサバサ”ルックで反論
画像2: 7. 「まつげは?」に“つけまバッサバサ”ルックで反論

 これは、2日前にスキャパレリのショーで披露した全身真っ赤ルックに、“まつげは?”という意見が寄せられたことに対するリアクションと見られていて、ドージャはつけまルックで登場する前日に「もしまつ毛だけが欲しいというなら、まつ毛をあげましょう。ヴィクター&ロルフのショーで会いましょう」とインスタグラムでコメント。批評を話題に変えるというドージャ技を炸裂させた。

8. 『ホット・ピンク』と『プラネット・ハー』は「金儲けのため」の作品!?

 バズカットにして眉毛を剃ったり、ショーでこれまで以上に斬新なルックを見せたりと、少しずつ『ホット・ピンク』期や『プラネット・ハー』期のピンク路線のイメージからは離れつつあることを予感させていたドージャだったが、2023年5月には、大きなファンベースを築くことになったこれらの2枚についての爆弾発言が飛び出すことに。

 ドージャはこれら2枚を楽しんできたファンたちを揶揄するように、現在は削除されているXへの投稿で次のように綴った。

画像4: 【キャラ変期に突入中】“お騒がせ女王”ドージャ・キャットがショービズ界をザワつかせた『10の瞬間』

「『ホット・ピンク』と『プラネット・ハー』は金儲けのための作品で、みんなはそれに騙されたわけ。みんなが平凡なポップを求めて泣いているあいだに、私はどこかへ消えて愛する人たちと現実に触れることにするよ」ーXに投稿して

 とはいえ『ホット・ピンク』と『プラネット・ハー』は大ヒットを記録、世界中から愛される作品になっており、これらの成功があったからこそ、ドージャという愛されキャラが誕生したことは間違いない。ドージャの場合、過去の成功をディスることで再度話題を生むという思惑もありそう、な気もするが・・・?

9. 新章突入!ラップ主体の「Attention」でカムバック

 『ホット・ピンク』や『プラネット・ハー』は“お金儲け”発言が一部で物議を醸すこととなったなか、ドージャは6月に1年以上ぶりとなる新曲「Attention」でカムバック。

画像: 9. 新章突入!ラップ主体の「Attention」でカムバック

 上記のアルバム2枚を構成していたポップな楽曲たちとは距離を置き、よりラップが主体となった「Attention」のミュージックビデオは、パパラッチたちから眩いほどのフラッシュを浴びながらドージャが登場するシーンから始まる。ドージャはこの曲で、髪の毛を剃ったことに寄せられた批判などに触れながら、一度巨大な名声を得たことで固定されることになった、自身に対するイメージにいかにウンザリしていたかをラップしている。

コメントは全部読んだ 「D、超ショックだよ」とか
「D、セラピストが必要なの?探してる?」とか
ええ、もちろん私のセラピストは優秀だったよ
なんだかあんたたちガッカリしてるみたいね

いい感じ でも今はボールドヘッドの方が似合ってる
いい感じ でも今はみんなに「醜い」って言われる
ねえ、あんたに抱かれなくても悲しくないんだよ

「Attention」歌詞抜粋

10.ソロとして初の全米1位!「Paint The Town Red」で文字通り全身真っ赤ルックに言及か

 「Attention」でシーンへのカムバックを宣言したドージャは、続けて8月にはさらなる新曲「Paint the Town Red」をリリース。

 「街を真っ赤に染めてやる」というタイトルがつけられたこの楽曲は、スキャパレリのオートクチュールコレクションでの“全身真っ赤ルック”に寄せられた批判への反論ではないかと見られており、ドージャは「こきおろすなら報いを覚悟して/コメントを送ってくるなら相手になってやる」とラップしながら、次のように歌っている。

そうよ、前に言った通り
むしろ有名になりたいの
いくらでも調子にのるわ
私には関係ない 街を真っ赤に染めてやる

「Paint The Town Red」歌詞抜粋

 彼女が言うところの“お金儲け作品”から離れることを宣言したドージャだったが、それでも、「Paint The Town Red」は、ニッキー・ミナージュとの「Say So」以来となる全米シングルチャートの1位を獲得。ソロとしては初の全米1位を獲得し、ラッパーとしての確固たる実力を証明した。

 加えて、9月に入ってからはさらなるシングルとなる「Demons」や「Balut」をリリースしているドージャ。9月22日には今年に入ってからリリースされた一連の新曲が収録されているニューアルバム『スカーレット』が配信されるが、新たなフェーズに突入したドージャがどのように最新モードを表現しているのか、期待が高まる。


<リリース情報>
Doja Cat | ドージャ・キャット
『SCARLET | スカーレット』
2023年9月22日配信開始
「Attention」「Paint The Town Red」他収録!
アルバムのストリーミングやダウンロードはコチラ

<ドージャのキャラ変をプレイリストで!>
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Photo:ゲッティイメージズ,スプラッシュ/アフロ,Instagram

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