人気飲食チェーンの環境配慮型店舗4選
近年少しずつ増えているのが、誰もが知るカフェチェーンなどの飲食チェーンによる環境配慮型店舗。通常店舗を持続可能なものにしていくさまざまな取り組みを推進しながら、より進んだ取り組みを集約させたモデル型店舗や新業態などをオープンさせる企業が増加中。
そんな環境配慮型店舗の中から、厳選した4つの店舗をご紹介。美味しいコーヒーや食事を楽しみながら地球環境について学べる、注目店舗を深堀りします!
100%プラントベースのコメダ「KOMEDA is □」(銀座店)
担当エディターが注目!イチオシポイント
すべてのメニューがプラントベースのコメダ。あのシロノワールもプラントベースに!
シロノワールでおなじみの名古屋発祥の喫茶店、コメダ珈琲店を展開するコメダが2020年に新業態として銀座にオープンしたのが「コメダイズ(KOMEDA is □)」。「コメダイズ」は、メニューのすべてがプラントベース(植物由来)100%のサステナブルな店舗。
温室効果ガスや資源消費を抑えるプラントベースの食スタイルを提供し「お肉を休む日を、つくろう」というメッセージを発信している。美味しさにとことんこだわったプラントベースのオリジナルメニューが盛りたくさんで、コメダ名物のシロノワールや人気のモーニングも動物由来の原料を使わないプラントベースに。
肉や魚を使わず大豆でできたパテ等を使ったオリジナルのバーガー「べっぴんバーガー」や、アラビカ種100%のサステナブルなコーヒー、豆腐や米粉を使ったカラダにやさしくてヘルシーなディナーやおつまみ、さらには100%プラントベースのアルコールも提供。
そんな「コメダイズ」では、リユースやリサイクルを活用したサステナブルな内装にも注目。店内にそびえ立つシンボルツリー「再生の木」は、元々物流で荷物を載せる荷役台として使われた古材からできている。さらにレジカウンターの横の壁には、高千穂の火山灰とコメダ珈琲店で使われたコーヒーのかすが混ぜ込まれている。
そのほかにも、不要になったガラス瓶を粉砕してできたクリスタルストーン・サンドと石灰を混ぜて研ぎ出されたエコフロアや、吹きガラスの製作工程で生まれた廃棄予定のガラスを生まれ変わらせたペンダントライトなど、環境に配慮したさまざまなこだわりが詰め込まれている。
KOMEDA is □ 東銀座店
住所: 〒104-0045 東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア1階
営業時間: 7:00~22:00(ラストオーダー21:30)
酒類提供: 11:00~22:00(ラストオーダー21:30)
テーブルや壁、床までサステナブルなエクセルシオール カフェ(笹塚南口店)
担当エディターが注目!イチオシポイント
内装のいたるところにサステナブルな工夫が詰まったエクセルシオール カフェ!
東京・笹塚駅の南口にあるエクセルシオール カフェは、オシャレな店内に環境に配慮したさまざまな取り組みが隠れている。
ほっと一息つくカフェに欠かせないサイドテーブルは、実際の店舗で出たコーヒー豆のかすを活用してつくられたもの。コーヒー豆のかすに木材と廃プラスチックを混ぜた素材でつくられた、CO2排出ゼロの環境配慮仕様となっている。
厨房カウンターやローカウンターに採用されているのは、廃棄衣料品の繊維を原料にした「PANECO」のサステナブルなリサイクルボード。さらに外部サインベースや床には、廃棄された瓦を粉砕し、顔料で色付けした「Ecokawara」の素材を使用。
それだけでなく、売店陳列棚やテーブル天板、トイレ腰壁、トイレ床、スタッフルーム照明、スタッフルーム壁などには、インテリア資材・建材等の廃盤品が活用されている。
エクセルシオール カフェ 笹塚南口店
住所:〒151-0073 東京都渋谷区 笹塚 1‐29‐10 プレジール笹塚 1F
営業時間:07:00-22:00
スターバックスの環境配慮型店舗「Greener Stores」国内2号店(道の駅みのりの郷東金店)
担当エディターが注目!イチオシポイント
環境に配慮した国産木造や、地元の木々や草花があたたかく迎えてくれるスターバックスの環境配慮型店舗。
世界中で愛されるコーヒーチェーンのスターバックスは、より環境に配慮した店舗「グリーナーストア(Greener Stores)」を世界各地にオープンしている。フロントロウでは以前、日本1号店としてオープンした「皇居外苑 和田倉噴水公園店」を取材させてもらったが、今回紹介するのは千葉県東金市にある「道の駅みのりの郷東金店」。
「道の駅みのりの郷東金店」は、環境に配慮した「グリーナーストア」の国内2号店として2022年6月にオープン。国産材を活用したぬくもりを感じる木造で、店舗入り口付近の壁材には千葉県産の「サンブスギ」を用いるなど、あたたかさを感じられる店舗となっている。木造店舗は建築時のCO2排出も削減でき、CO2固定の機能も担ってくれる。
さらに屋根に太陽光パネルを設置し、そこから生み出されたエネルギーを店舗の電力として一部使用。災害時についても、晴天時は非常用電源として活用できる。
そんな「道の駅みのりの郷東金店」は、地域とのつながりを育みながら環境負荷の低減を目指している。東金市と三友プラントサービス株式会社と「包括連携協定」を締結し、コーヒーを抽出した後の豆かすの地域内リサイクルループなどを行なっていく。店舗で出た豆かすを近隣の工場で飼料化して市内の牧場で活用し、さらに道の駅内で乳製品を販売する仕組みを三者で協業して構築していくそう。
また店舗から出る食品廃棄物の一部は、道の駅内に設置されたコンポストを用いてたい肥化し、道の駅で活用するなど食品廃棄物の資源循環も推進していく予定だという。
スターバックス コーヒー 道の駅みのりの郷東金店
住所:千葉県東金市田間1330-1 みのりの郷東金
営業時間:8:00~22:00
CO2の排出量が実質ゼロのガスト(東村山市役所前店)
担当エディターが注目!イチオシポイント
再エネ100%電気使用でCO2排出量実質ゼロのガストとして初オープン!
1,280以上の店舗数を誇るファミリーレストラン、ガストの環境配慮モデル店舗が今年8月に東京都東村山市にオープン。「ガスト東村山市役所前店」は、CO2の排出量が実質ゼロのガスト。
太陽光発電設備とCO2フリー電力を導入し、電力を100%再生可能エネルギーで対応。店舗屋根部分に設置された太陽発電設備で発電される電気は全て当店舗運営に充てられていて、全電気量の30%量に相当するという。さらにカーボンニュートラル都市ガスを導入し、電気とガスを併せてCO2排出量実質ゼロで運営することで年間約88tのCO2を削減していく。
環境配慮のモデル店舗というだけあって、店内のサステナブルな工夫はたくさん。たとえば照明は、廃棄する蛍光灯を再資源化しペンダント照明としてアップサイクルした再生ガラス照明となっており、家具は既存店舗で傷んだ家具をリメイクし再利用。
火力発電所で発生する石炭灰や使用済みのコーヒー豆などの廃棄物を再利用したリサイクル資材が建材として活用し、リユースした厨房機器も採用されている。
そのほかにも、消費電力を抑えるさまざまな工夫が施されており、ユーザーの利便性向上と従業員の働きやすい環境づくりを両立させるDXも積極活用したサステナブルな店舗となっている。
ガスト東村山市役所前店
住所:東京都東村山市本町1丁目17-2
営業時間: 7:00~24:00
多くの人にとって身近な娯楽である外食。環境配慮型の店舗は、美味しいコーヒーや食事を楽しんでくつろぎながら、限りある地球の資源や美しい環境の尊さを考えるきっかけをくれるはず。近くに立ち寄った際はぜひ足を運んでみて。